Wacom「Cintiq Pro」に迫る実力 27型4K/120Hzで約30万円のXPPen「Artist Pro 27(Gen 2)」でお絵描きして分かった魅力と妥協点:ある日のペン・ボード・ガジェット(3/4 ページ)

» 2026年08月05日 12時00分 公開
[refeia,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

2種類のペンと左手デバイスが付属

 さて、ペンを見ていきましょう。本機に付属するのは「X3 Pro スタイラスペン」(標準ペン)と、「X3 Pro スリムスタイラスペン」(細ペン)で、おなじみの左手デバイス「ACK05」も付属します。

ペンの選択肢 ペンの選択肢に加えて、交換芯も2種類用意されています

 最新のペン世代にはX4シリーズが既に存在しますが、ProモデルはX3 Proが最新です。現状、本機の「Gen 2」のように2世代目っぽい表記が入っているなら「X3世代のペン」、「Artist 16 3rd」のように3世代目っぽい表記ならば「X4世代のペン」と見分けることができます。

 冒頭の「初めてなのにGen 2」の違和感は、コア技術の世代を指していると考えれば理解しやすいですね。

 この世代のペンは既にレビューしているので詳細は省きますが、軽い筆圧から強い筆圧まで自然に反応し、長時間、集中して描きやすいペンです。一方で、少しずんぐりしているせいで、ワコムの「Pro Pen 3」よりも視界が悪いのは気になります。

絵を描いている間は気になることは少なそう 絵を描いている間は気になることは少なそうですが、細かい部分や文字を書く時、細かいUIを触る時には使いやすさに差が出ます

 斜線の揺らぎやペン先の沈み込みなどの、昔の海外メーカー液タブにありがちだった問題がないことも一通り確認してあります。

 Pro Pen 3に対しての妥協点は、上記の視界に加えて

  • かなり強い筆圧への余裕がそれほどでもない
  • 超軽い筆圧への反応で一歩譲る
  • 細かく震えるようなストロークは、少しなめされていると感じる

 ぐらいだと思います。制作でその領域に頼った描き方をするかというと何とも言い難く、実用上は差を感じないケースが多いと思います。

お絵かきで実用チェック

 さて、今回もお絵かきで実用性をチェックしていきましょう。ラフでは素早い試行と意図の残しやすさをチェックしたいので、遅延の小ささと、強い筆圧の使いやすさに注目しています。いずれも違和感なく、イメージを素早く散らして、アタリ感・メモ感・影感を筆圧で描きわけていく作業を快適に進められました。

例によって竜族の女の子です 例によって竜族の女の子です

 本機は120Hz対応の液タブで、60Hzに対して実際に詰められる遅延は、システム全体の中では大したことはないはずで、計算上でも手元の実測でも、7/120秒か6/120秒か、ぐらいのものです。なのですが……実用しているとサクサク素早く感じます。スクロールや描線が表示されていく滑らかさが、そう感じさせるような気がしますね。

 線画では意図したとおりのストロークを追っていけるかと、線の強弱のために中程度の筆圧が気持ちよく使えるかを見ていました。これも快適で、妙にめんどくさい内容の線画をちまちまと描き進められました。

ラクガキでゴシックパンクみたいな方に行くのは、普通にバッドアイデアだと思います ラクガキでゴシックパンクみたいな方に行くのは、普通にバッドアイデアだと思います

 自分があまり得意でない大型機で、普段より広く手を動かすので、楽とは言えない腕の位置で描いたり、そこで線を安定させるために筆圧を上げたりと、腕の疲れやすさは感じました。

 彩色では薄いグラデーションからベッタリと濃い塗り方まで使うので、軽い筆圧のコントロール性と、そこから強い筆圧までを自然に扱えるかを見ています。実用ではない比較ではPro Pen 3の方が軽い筆圧にも自然に反応していたのですが、自分の作業スタイルだとその領域はほぼ使わないので、本機も違和感なく進められました。

 というわけで完成です。自分にとって画面が大きすぎる以外に、描き味に関してここは嫌だなと感じる点もなく、最後まで作業できました。

結局、慣れの問題もあって、20型かそれ以下の面積で作業する時間がほとんどでした 結局、慣れの問題もあって、20型かそれ以下の面積で作業する時間がほとんどでした

 発熱は正直、気になりました。夏の暑い日だったこともありますが、デフォルトの輝度で使っていると、画面の右の方が、手袋をしていても気になるぐらいの暖かさになっていました。本機はファンレスなので、輝度の設定にも影響を受けやすいです。

 画面が広大なので、右の方をあまり触らない使い方はいくらでもできます。暖かい部分には資料なり、チャットアプリなり、好きな配信者のライブなりを置いておけばいいわけです。とはいえ、これくらいの妥協ない最上位機がそれでいいかと言うと、疑問は残ります。

 ワコムがうるさいうるさいと言われながらも、上位機にはかたくなに冷却ファンを載せ続けているのも、それなりの理由があるわけですね。

 また、ドライバアプリにいつのまにかうれしい改善が入っていました。「Ctrl+Shift+N」→「Alt+P」のような、途中で装飾キーが変わるキーボードマクロが登録できるようになっています。さまざまなアプリの煩雑な操作をサッと登録できるのはありがたいです。

キーボードでカチャカチャやるのも嫌いじゃない キーボードでカチャカチャやるのも嫌いじゃないですが、忙しい時にこれができないとつらいです

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月08日 更新
  1. メーカー自身がバックドアを仕込み、犯罪集団に“販売” 乗っ取られたTV用端末130万台超、Googleが遮断 日本の警察庁も参加 (2026年11月05日)
  2. 初登場時の約3倍! でも“通常価格”の120万円台に高騰した「GeForce RTX 5090」――それでもアキバで買い手が途絶えない理由 (2026年11月07日)
  3. Windows PC向けゲームの「ロード待ち」はなぜ起こる? 背景に過去との「互換性」 (2026年11月05日)
  4. ソニー、初代ウォークマン付属ヘッドフォンをイメージしたType-C有線ヘッドフォン (2026年11月07日)
  5. 画面は見やすく広告なし! 睡眠モニター機能はどう? Amazonの新型スマートクロック「Echo Time」の使い勝手と気になる点 (2026年11月06日)
  6. 耳をふさがないEDIFIER「Comfo Bass Pro」は朝から夜まで充電不要 1万円強でLDACとDolby Audio対応、在宅勤務の“つけっぱなし”にピッタリ (2026年11月06日)
  7. 手書き文書の文字起こし+会話録音も可能なスマートノート Makuakeで先行販売を開始 (2026年11月05日)
  8. ミュンヘン市はなぜ再びオープンソースソフトウェアへ回帰するのか? 脱Microsoftを巡る欧州の最新事情 (2026年11月04日)
  9. ソニーとTCLの合弁が意味する「新しいソニー」の完成形――ソニーが“家電企業”の殻を脱いだ日 (2026年02月06日)
  10. MSI、Ryzen 9++GeForce RTX 5080/5090 Laptopを搭載したウルトラハイエンド18型ゲーミングノート (2026年11月06日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー