目玉は“可変絞り”だけではない――「iPhone 18 Pro」を先んじて使って分かったこと:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/4 ページ)

» 2026年09月16日 21時30分 公開
[本田雅一,ITmedia]

写真の“真正”を担保する仕組みも

 iPhone 18 Proシリーズのカメラにおいて、あまり触れられていない重要な追加要素として「Appleリファレンス画像(Apple Reference Image)」という仕組みもある。標準カメラアプリのモードとして新たに加わった「Reference」で撮影すると利用可能だ。

 「リファレンス」と言われると何のことだか分かりづらいが、カメラセンサーが撮影した瞬間に画素単位の署名を付与した上で、「生画像」「センサーによる署名」「撮影時刻」「センサー固有の識別子」がまとめてAppleの「Private Cloud Compute」へと送られる。すると当該の写真が実際に撮ったものかを判定した上で、改変不可能な参照(リファレンス)画像が作られる。「写真」アプリでは、編集した写真と参照画像を並べて見比べられる。

 Adobeが主導している「C2PA規格」による来歴記録では、撮影した“後に”メタデータを添付してひも付けている。それに対して、Appleリファレンス画像は撮った瞬間にセンサーで署名が付与されるため、「だますことはほとんど不可能」だという。

 生成AIが“フォトリアルな”画像を作れる時代において、「これは本当に撮った写真だ」と証明できる仕組みは、報道や記録の仕事をしている人にとって大きなメリットがある。可変絞りの搭載よりも大きな意味を持つ。

 なお、Appleリファレンス画像機能は中国とEUでは提供されない。日本では利用可能だ。

Appleリファレンス画像 Appleリファレンス画像は、撮影した瞬間に真正を担保する仕組みが組み込まれている

「Siri AI」の日本語β版は10月から利用可能に

 iPhone 18 Proシリーズの性能を使い切る“本命”は「Siri AI」だ。英語β版の提供は既に始まっているが、日本語β版も10月から提供される予定だ。なお日本でも、デバイスの言語を英語にすれば、現時点でも英語β版を有効にできる。

 パーソナルコンテキストを理解し、画面を解釈しながらアプリを操作する――新しいSiri AIが、iPhone 18 Proシリーズの“目玉”であることは、スペシャルイベントの基調講演の構成を見れば明らかだった。

 強力なクラウド(サーバ)AIが必要な一部の機能には使用回数の上限があるが、「iCloud+」の大半のプランに加入している場合は、上限値が緩和される。Siriの一部が有料サブスクリプションの枠組みに入るのは、これまでのAppleにはなかったことだ。本件については、日本語β版が使えるようになったときに改めて論じたい。

 「AppleがAIで出遅れている」という見方を否定するつもりはない。ただ、Appleはチップ設計と熱設計でAIへの基礎体力を磨き、その上にオンデバイスでも実用的なAIモデルを載せる、という戦略を取っている。

 メモリを横に並べたA20 Proチップのパッケージングも、表面積約3倍のベイパーチャンバーも、50%増のメモリ帯域も、2026年のSiri AIのためというよりも、これから2〜3年の間に不足しないよう見越した設計に見える。

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