忠実な顧客を持つといわれるAppleだが、Strategy Analyticsが行った調査では、米国と欧州のiPhoneユーザーのうち「次もiPhoneを買う」と回答する人が、前年の調査に比べて減っていることが分かった。
西欧州地区のiPhoneユーザーのうち、「次も絶対にiPhoneを買う」「多分買う」と回答した人は75%で、2011年の88%から13ポイント減っている。米国ではこれが88%となっているが、前年の93%からは5ポイントダウンした。Strategy Analyticsによると、「次もiPhoneを買う」と回答する既存ユーザーが減少したのは、Appleが2007年にiPhoneを投入して以来初めてのことだという。
同社のアナリストはこの調査結果について、「“Appleにイノベーションがない”という認識が引き起こした否定的な報道により、これまで忠実だった顧客の中で“次のスマートフォンはiPhoneを選ばない”という人が増えている」と分析している。「多分買わない」「絶対に買わない」という人は依然として少ない点を挙げながらも、次もApple製品を買うかどうか確実ではないというユーザーが増えていることをAppleは懸念すべきだとしている。
Appleが9月21日に発売したiPhone 5は、発売から3日間で500万台を売り切った。先にIDCが発表した第3四半期の市場調査でも、Appleの出荷台数は前年同期比で57.3%増加し、スマートフォンでは2位、携帯電話全体でも3位になるなど順調だ。しかしAppleはiOS 6で、「Google Maps」の代わりに独自の地図アプリを未完成なまま導入し、一部で厳しい評価を受けている。
iPhoneユーザーは世界で増え続けており、以前に比べてユーザー層も多様化している。今回の調査結果は、こうした変化によるものという見方もできるが、一方でブランドロイヤリティが薄れ始めていることの現れともいえそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.