据え付け型の蓄電池で補助金制度、3月30日に対象機器を公表へ補助金

夏の電力不足を前にして、経済産業省は節電・蓄電・発電に関係する機器を導入する個人や法人に補助金を出すことを決めている。そのひとつとして、据え付け型の蓄電池に対する補助金の対象機器審査が始まった。

» 2012年03月16日 17時21分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)は2012年3月14日、2011年度の第3次補正予算で実施する「定置用リチウムイオン蓄電池導入促進対策事業費補助金」の対象機器の公募を始めた。この補助金は、家庭向けと法人向けの据え置き型リチウムイオン蓄電池を購入するときに、機器の代金や一部工事費を補助するものだ。

 今回の公募は補助対象の機器を審査するためのもの。説明会は2012年3月15日に東京で開いたほか、3月29日までに仙台、名古屋、大阪、福岡でも開催する。

 機器登録の1次締め切りは2012年3月23日。性能や安全性、メーカーのサポート体制などを審査し、その結果、対象となった機器は3月30日にSIIのWebページで発表する。以降の対象機器申請については、随時審査を実施する。

 補助対象となるリチウムイオン蓄電池は個人向けと法人向けに分けられる。どちらも、インバータやパワーコンディショナなどの電力変換装置を備えるものであり、蓄電容量が1.0kWh以上という条件が付く。SIIによると、この条件はピークカットと停電時のバックアップに耐えうることを考えて決めたという。

 個人向け製品の補助対象は蓄電システムのみ。一方、法人向け製品の補助対象は蓄電容量によって2つに分かれる。蓄電容量が1.0kWh以上で10kWh未満の製品の場合は個人向けと同様に蓄電システムのみとなる。

 10kWh以上の製品なら、キュービクル(蓄電池や充電装置、過電流遮断器、配線などを収納する外箱)などの付帯設備や、基礎工事、据付、配線工事の費用も補助対象になる。

 ただし、1.0kWh以上で10kWh未満の製品でも、機器のメーカーが付帯設備まで含めて認定を受けていれば補助対象になる。

補助率は3分の1、事前承認と事後承認が必要

 補助率は個人と法人ともに3分の1。補助金額には上限があり、個人の場合は100万円まで、法人の場合は1億円までとなる。ただし、補助金の合計が210億円に達したところで補助金制度は中断される。

 蓄電池を導入する個人や法人が補助金を受けるには、蓄電池導入前と導入後に申請を出す必要がある。SIIは3月30日に対象機器を発表し、同日に事前申請の受付をはじめる。事前申請の際には、申請書に合わせて蓄電池導入にかかる費用の見積書を提出する。

 SIIは見積書を審査し、補助対象と決定したら、申請者に通知を出す。申請者はこの通知を待って、蓄電池の購入や工事を開始することになる。

 さらに、工事完了後にも申請書を提出する必要がある。SIIが申請を確認し、最終決定となったところで補助金支給という流れだ。

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