新築の家を中心にHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)を装備するケースが増えている。4月19日からHEMSの補助金に対する申請受付が始まり、新たにパナソニックとミサワホームの製品が対象機器に追加された。
政府による節電対策の一環で、「エネルギー管理システム導入推進事業」が4月から総額300億円の補助金で始まった。対象はBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)とHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)の両方だが、このうちHEMSで補助対象になる機器が4月19日の申請受付を前に8社から登録された(図1)。
図1にあるNECからトヨタホームまでの6社11製品は4月10日に登録が完了しており、新たにパナソニックとミサワホームの製品が4月18日に追加で登録された。合計で8社の14製品が補助金の対象機器になっているが、今後さらに増えていく可能性がある。
申請受付の開始前日に登録されたパナソニックの製品は「ECOマネシステム」で、5月21日に発売する予定だ。家庭で使う電気のほかにガスと水道の使用量も合わせて管理できる(図2)。価格は本体とディスプレイ、分電盤がセットになって、約20万円からになる見込み。10万円の補助金が受けられるので、実質10万円程度でHEMSを導入できることになる。ただしガスと水の使用量を計測するためには、個別にセンサーを設置する必要がある。
同じく追加登録されたミサワホームの製品は、2011年8月に発売を開始した「enecoco(エネココ)」である。パナソニックの製品と同様に、電気、ガス、水道の使用状況をディスプレイに表示して“見える化”する(図3)。本体とディスプレイが一体になっていて、価格は22万5000円。これも10万円の補助金を受けることができるが、設置対象は新築に限られている。
そのほかの6社の製品も20万円程度の価格帯のものが多く、補助金を受けることができれば10万円前後のコストでHEMSを導入できる。大手の住宅メーカーが新築向けにHEMSを促進する動きも活発になっている。
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