エネルギー列島2015年版

全国各地で再生可能エネルギーの導入プロジェクトが広がっている。地域の特性に合わせて太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスの中から最適なエネルギーを開発する動きが活発だ。最新の状況を47の都道府県別にシリーズで掲載する。

エネルギー列島2015年版(47)沖縄:

火力発電の依存度が高い沖縄県で、小規模な離島の電力源を再生可能エネルギーに転換するプロジェクトが進んでいる。台風を避けられる可倒式の風力発電所を中核に、太陽光発電と蓄電池を組み合わせて島内の需給バランスを安定させる試みだ。沖縄本島にも大規模なメガソーラーが増えてきた。

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エネルギー列島2015年版(46)鹿児島:

鹿児島県は再生可能エネルギーの宝庫だ。太陽光・風力・中小水力発電の導入量は全国でトップクラスに入り、バイオマスと地熱発電も広がってきた。木質バイオマス発電のほかに、豚の排せつ物や藻類からバイオ燃料を生産する。火山がある離島では地熱発電の電力で水素を製造する構想がある。

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エネルギー列島2015年版(45)宮崎:

面積の76%を森林が占める宮崎県で木質バイオマス発電所が相次いで運転を開始した。豊富な日射量を生かせるメガソーラーの建設計画も目白押しだ。集光型の太陽電池を使って発電した電力で水素の製造試験も始まっている。さらに小水力発電を加えて南国の再生可能エネルギーは拡大する。

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エネルギー列島2015年版(44)大分:

大分県の地熱発電が活発に続いている。大規模な発電所の周辺では低温の地熱を利用したバイナリー発電所が拡大中だ。地熱を使って温度や湿度を制御できる農業ハウスの実証事業も始まった。工業地帯ではメガソーラーやバイオマス発電所が動き出し、県内のエネルギー自給率を上昇させる。

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エネルギー列島2015年版(43)熊本:

熊本県では隣の大分県と同様に地熱発電が盛んだ。温泉地の住民が主導するプロジェクトに続いて有力企業の参入が始まっている。再生可能エネルギーの地産地消を推進する県民発電所も太陽光を中心に拡大してきた。小水力やバイオマスを加えて、地域の豊富な資源の有効活用に取り組む。

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エネルギー列島2015年版(42)長崎:

長崎県の五島列島で海洋エネルギーの開発が活発だ。浮体式による日本初の洋上風力発電設備が運転中で、余った電力から水素を製造して燃料電池を搭載した船に供給する。県内のテーマパークでも太陽光発電と組み合わせた水素エネルギーの導入が始まり、温泉地では地熱発電の実用化が進む。

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エネルギー列島2015年版(41)佐賀:

家庭から出る廃棄物を活用するプロジェクトが佐賀市で進んでいる。下水と生ごみから電力を作り、同時に発生するCO2を人工光合成に利用して野菜の栽培や藻類の培養に生かす。沖合では海洋エネルギーの実証実験を進める一方、田んぼでは稲を栽培しながら太陽光発電に取り組む。

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エネルギー列島2015年版(40)福岡:

福岡県では早くから水素エネルギーの開発に取り組んで、先端的なプロジェクトを数多く推進中だ。太陽光・風力・バイオマスを使ってCO2フリーの水素の製造も始まった。沿岸部では大規模なメガソーラーが相次いで運転を開始して、内陸部の浄水場やダムには小水力発電も広がり始める。

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エネルギー列島2015年版(39)高知:

森林率が全国1位の84%に達する高知県で木質バイオマス発電が活発に始まった。2015年に2つの発電所が相次いで運転を開始して、地域で発生する未利用の木材を燃料に電力と熱を供給する。太陽光発電では自治体と地元の民間企業が共同で出資する事業モデルが県内各地に広がってきた。

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エネルギー列島2015年版(38)愛媛:

海と山に囲まれた愛媛県には再生可能エネルギーの資源が豊富にある。造船で栄えた瀬戸内海の沿岸部では広大な遊休地と日射量を生かしてメガソーラーが相次いで運転を開始した。都市から排出する廃棄物や森林で発生する間伐材を燃料に使ってバイオマス発電も活発になってきた。

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エネルギー列島2015年版(37)香川:

「うどん県。それだけじゃない」を合言葉に魅力づくりを進める香川県では、市民と民間企業が率先して再生可能エネルギーを拡大中だ。全国で面積が最も小さい制約の中で、工場やゴルフ場の跡地、ため池にもメガソーラーを建設する。うどんの廃棄物を利用したバイオマス発電は観光に生かす。

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エネルギー列島2015年版(36)徳島:

徳島県は再生可能エネルギーで地方創生に取り組む新戦略を打ち出した。「環境首都」を掲げて東京都に対抗する意気込みのもと、太陽光を中心に風力・小水力・バイオマスの導入量を拡大させる計画だ。電力の自給率を2030年度までに37%へ引き上げ、水素エネルギーの普及にも力を入れる。

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エネルギー列島2015年版(35)山口:

未来のエネルギーとして期待が大きい水素の導入プロジェクトが山口県で動き出した。瀬戸内海に面した周南市では動物園や卸売市場に燃料電池を導入して、電力と温水の供給を開始した。農山村地域には小水力発電が広がり、大量に繁る竹を燃料に利用できるバイオマス発電所の建設も進む。

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エネルギー列島2015年版(34)広島:

広島県で太陽光発電が急速に広がってきた。県内最大のメガソーラーが瀬戸内海の離島で運転を開始したのに続き、テーマパークやゴルフ場の跡地でも建設計画が始まっている。太陽光発電に加えて、木材や生ごみを利用したバイオマス発電、さらにはダムの直下で小水力発電も動き出す。

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エネルギー列島2015年版(33)岡山:

岡山県の真庭市で木質バイオマス発電所が運転を開始して、市が掲げる産業都市構想は大きく前進した。林業と製材業が共同でバイオマス産業の創出に取り組みながら、観光にも生かして地域の活性化を図る。一方で年間の日射量が全国平均を上回る瀬戸内海の沿岸部では太陽光発電が拡大中だ。

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エネルギー列島2015年版(32)島根:

島根県は2019年度までに再生可能エネルギーによる電力の自給率を30%に高める計画だ。森林資源を生かした木質バイオマス発電所が2カ所で運転を開始したのに伴って、県内の未利用木材を効率的に集約できる体制を整備する。太陽光と風力発電も増えて、CO2フリーの電力が離島まで広がる。

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エネルギー列島2015年版(31)鳥取:

鳥取県では太陽光からバイオマスまで5種類の再生可能エネルギーの導入が活発だ。農業用のダムを中心に県営の小水力発電所が続々と運転を開始する一方、民間企業は木質バイオマス発電に取り組む。温泉水を利用した地熱発電所も稼働して、災害に強い分散型の電力源が県内に広がっていく。

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エネルギー列島2015年版(30)和歌山:

風況に恵まれた和歌山県の丘陵地帯には大型の風車が数多く立ち並ぶ。関西電力や大阪ガスも風力発電所を展開して再生可能エネルギーの供給量を拡大中だ。風車が発する騒音に悩まされる住民もいることから、適切な対策が欠かせない。環境負荷の低い太陽光発電を導入する動きも広がってきた。

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エネルギー列島2015年版(28)兵庫:

この1年間に兵庫県の各地で太陽光発電所が続々と運転を開始している。淡路島では発電能力30MW級のメガソーラーが2カ所で稼働した。大きな農業用のため池にも太陽光パネルを浮かべて、水上式のメガソーラーが相次いで動き出した。ダムや道路の斜面にまで太陽光パネルが広がる。

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エネルギー列島2015年版(27)大阪:

大阪府は原子力発電の依存度を低下させるためにエネルギーの地産地消を推進する。太陽光と廃棄物による発電設備を中心に分散型の電力源を125万kW以上に増やす方針だ。池や海の水面上にも太陽光パネルを展開しながら、都市部では廃棄物を利用したバイオガス発電を拡大していく。

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エネルギー列島2015年版(26)京都:

かつては再生可能エネルギーに先進的に取り組んだ京都府だが、最近の導入量は伸び悩んでいる。「エネルギー自給・京都」を長期の目標に掲げて、太陽光発電を中心に拡大策に乗り出した。ゴルフ場や工場の跡地でメガソーラーの建設が進み、バイオマス発電も再び広がりを見せる。

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エネルギー列島2015年版(25)滋賀:

滋賀県では太陽光発電を中心に分散型のエネルギー供給体制を強化して災害に強い地域づくりを推進していく。2030年には電力需要の8%を太陽光発電で供給できるようにする計画だ。農地には営農型のソーラーシェアリングを広めながら、農業用水路を利用した小水力発電も普及させる。

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エネルギー列島2015年版(24)三重:

風力発電が活発な三重県の高原地帯で新しい発電所の建設工事が2カ所で進んでいる。そのうちの1つは全体が稼働した時点で日本最大の風力発電所になる。都市部では太陽光発電とバイオマス発電の導入プロジェクトが拡大中だ。バイオマスは地域の森林資源を利用して林業の振興にも役立てる。

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エネルギー列島2015年版(23)愛知:

愛知県の田原市では海岸線に自動車工場や製鉄所が並び、その周囲に太陽光と風力の発電所が数多く運転中だ。年間の発電量は市の全世帯が使用する規模の3倍を上回り、さらに発電所は拡大を続けている。その一方で県の内陸部では小水力やバイオマスの発電プロジェクトが広がり始めた。

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エネルギー列島2015年版(22)静岡:

静岡県の再生可能エネルギーは世界文化遺産の富士山と共存することが重要だ。景観を損ねる発電設備の建設を排除する自治体も出てきた。その一方では環境にやさしいエネルギーとして風力や地熱を観光や教育に利用する町がある。太陽光や水力を含めて豊富な資源の活用法を模索する試みは続く。

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エネルギー列島2015年版(21)岐阜:

面積の8割以上を森林が占める岐阜県には水力とバイオマス資源が豊富にある。過疎に悩む農村では農業用水路に小規模な水力発電機を設置して電力の自給自足が始まった。ダムを利用した小水力発電も相次いで運転を開始する一方、都市部では地域ぐるみのバイオマス発電が広がっていく。

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エネルギー列島2015年版(20)福井:

原子力発電所のイメージが強い福井県だが、再生可能エネルギーを導入する取り組みが着実に広がってきた。特に活発なのは地域の森林資源を生かしたバイオマス発電で、県内の2カ所で大規模な建設プロジェクトが進行中だ。沿岸部では風力発電や波力発電の開発も始まっている。

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エネルギー列島2015年版(19)石川:

全国で降水量が最も多い石川県の山間部には砂防ダムが設けられている。土砂災害を防ぐ役割に加えて、未利用の水流を生かした小水力発電の導入が始まった。森林に放置された用途のない木材はバイオマス発電で地産地消を進めながら、都市部では下水の汚泥によるバイオガス発電が広がっていく。

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エネルギー列島2015年版(18)富山:

富山県は3000メートル級の山々を水源にして豊富な水量に恵まれている。古くから稼働を続ける大規模な水力発電所に加えて、農業用水路などを活用した小水力発電の取り組みが活発に進む。温泉の地熱を利用した植物工場や、地域の森林資源を生かしたバイオマス発電所も動き始めた。

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エネルギー列島2015年版(17)新潟:

日本海に眠る豊富な資源が新潟県のエネルギー戦略を勢いづける。北部の沖合に44基の大型風車を展開する計画が動き始め、実現すれば国内最大の風力発電所になる。20キロメートル離れた島では潮の流れを利用した実証試験も進む。一方で雪が降る内陸部は太陽光と水力発電の導入が活発だ。

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エネルギー列島2015年版(16)長野:

2030年に再生可能エネルギーによる電力自給率100%を目指す長野県でバイオマス発電が活発だ。燃料の木質チップからガスを生成して、電力と熱の両方を供給するコージェネレーションの導入が相次いで始まった。全国でトップクラスの小水力発電に加えてバイオマスと太陽光で自給率を高める。

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エネルギー列島2015年版(15)山梨:

再生可能エネルギーに加えて水素の普及を目指す山梨県で先端的な実証プロジェクトが進んでいる。太陽光と小水力発電の余剰電力を水素に転換して貯蔵・再利用するほか、太陽光の出力変動を超電導の蓄電システムで安定化させる試みだ。森林資源を利用した木質バイオマス発電所の建設も始まる。

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エネルギー列島2015年版(14)神奈川:

神奈川県の臨海部で太陽光発電と水素を組み合わせた実証プロジェクトが始まった。東京湾岸に水素エネルギーを展開する構想の第1歩だ。停電時でも水素を使ってCO2フリーの電力と温水を供給できる。下水から水素を製造する方法にも取り組みながら、県内の全域に水素ステーションを拡大する。

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エネルギー列島2015年版(13)東京:

東京オリンピック・パラリンピックは日本が水素社会へ向かう大きなステップになる。首都圏を中心に水素ステーションが増えて、燃料電池車や燃料電池バスが都心を走り回る。競技場や選手村には燃料電池で電力と熱を供給する予定だ。大都市ならではの地中熱を取り入れたビルの建設も進む。

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エネルギー列島2015年版(11)埼玉:

首都圏の一角を占める埼玉県には水源が豊富で、再生可能エネルギーも水が流れる周辺で生まれる。貯水池や浄水場で太陽光発電を実施する一方では、農業用水路や配水施設を利用した小水力発電所が拡大中だ。ゴミ焼却場ではバイオマス発電の電力から水素を製造して燃料電池車に供給を開始した。

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エネルギー列島2015年版(10)群馬:

群馬県では電力需要の大きい首都圏に近い立地を生かして、再生可能エネルギーによる発電設備が急増中だ。人口7700人の昭和村には関東で最大のメガソーラーが2017年の春に完成する。1万7000人の中之条町は自治体みずからが新電力を設立してエネルギーの地産地消に取り組んでいる。

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