携帯よりすごい? ハンズフリー通話、GPS、カメラ付き――ヘルメットSECURITY SHOW 2009

「災害地を中から確認したいという要望から生まれた」という「Uメット」は、ハンズフリー通話、無線LAN、GPS、カメラ、加速度センサーなどを搭載したヘルメット。SECURITY SHOW 2009で、最近の携帯電話も顔負けな多機能ヘルメットが目を引いた。

» 2009年03月03日 21時22分 公開
[鷹木創,ITmedia]
Uメット

 ハンズフリー通話、無線LAN、GPS、カメラ、加速度センサー――。iPhoneのような多機能ぶりだが、実はこれ「Uメット」というヘルメットなのだ。東京ビッグサイトで開催中のSECURITY SHOW 2009で見かけた。

 Uメットの製造・販売を行う谷沢製作所の野口純一副参事によれば、「そもそも、9.11の際に崩れるビルの中を確認したいという要望から生まれた」という。普通のヘルメットであればカメラも付いていなければ、通話もできない。もし内部を撮影しようと思ったら、ヘルメットとは別にカメラを持ち込む必要があるわけだ。


谷沢製作所の野口副参事。Uメットをかぶってもらった

 ただ、カメラや携帯電話を使おうとすると、どうしても手がふさがってしまう。なので、両手を使った作業が必要な災害現場などでは、そうした個別の装備がどうしても不便だ。

バイザーの裏側に操作部を備える

 そこでUメットには、通信機能や撮影機能などを本体に備えた。IEEE802.11b/gに対応した無線LANやNTTドコモFOMAカードを利用した3G回線によって音声や映像を通じて災害対策センターなどの拠点と通信できるほか、GPSや赤外線によるSmartLocatorにも対応し、位置情報も把握できる。撮影デバイスには30万画素のCMOSカメラを搭載。最大640×480ピクセルの画像(JPG形式)や、最大毎秒10フレームの動画(Motion JPEG形式)で現場の状況を伝えることができるという。

 このほか3軸の加速度センサーも装備。アクシデントが発生して、Uメットをかぶった作業員が地面に倒れたとしても、そうした状況をすぐに把握できるのである。LEDライトのほか、圧電ブザー、バイブレーション機能などを搭載し、拠点からの指令などに応じて、利用者に警告したり、注意を促したりできるようになっている。

 電源は専用バッテリーのほか、単三形アルカリ乾電池4本で、連続稼働時間は約3時間。マイナス5度から50度までの範囲で動作する。大きさは272×291×167ミリ(幅×奥行き×高さ)、重さは945グラム。「オートバイで使うフルフェイスのヘルメットと同じくらいの重さだ」(野口氏)という。

 なお、Uメットの機能の大部分はアプリバイザーと呼ばれるバイザー部に搭載しており、バイザー裏面に操作部も備えている。アプリバイザーは取り外しも可能で、通信機能なしの単なるヘルメットにする場合は、アプリバイザーを通常のバイザー(ベースバイザー)に切り替えて使うことになる。

左がベースバイザーのもの

 3月下旬の発売予定で、価格は、Uメット6台と専用のサーバやソフトなどを含めたスタンダードセットが600万円。

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