ニュース
» 2009年08月27日 15時51分 UPDATE

POWER7に集まる注目:IBMとSunが次期RISCプロセッサを紹介

プロセッサカンファレンス「Hot Chips」では、Intel、IBM、Sun、AMDらが今後投入予定のプロセッサを披露した。

[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 8月23〜25日に米カリフォルニア州パロアルトで開催されたIEEE主催のカンファレンス「Hot Chips 21」において、米IBM、米Sun Microsystems、米AMDなどのメーカーが今後投入予定のプロセッサの概要を説明した。

 米Intelは新プロセッサ「Nehalem EX」を披露した。同プロセッサは4個以上のソケットを備えたサーバ向けとなっている。

 Hot Chips 21で特に注目を集めたのが、IBMの新しい「POWER7」プロセッサだ。IBMによると、2010年に登場予定の同チップでは4コア、6コア、8コアの各バージョンが用意されており、1コア当たり4つの命令を同時に実行できる。

 現行のPOWER6プロセッサと比べ、POWER7はパフォーマンスで2〜3倍、スループットで2〜5倍という性能を実現しながらも、同じパワーエンベロープ(消費電力枠)に収まる。45nm(ナノメートル)製造プロセスを採用するPOWER7チップは、POWER6プロセッサとバイナリ互換となるため、ユーザーは新プラットフォームに容易に移行できるという。

 米調査会社Pund-IT Researchのアナリスト、チャールズ・キング氏によると、POWER7で採用された新しいオンチップメモリ技術が特に興味深いという。「eDRAMと呼ばれるこの技術は、32Mバイトのオンチップ3次キャッシュを備え、従来の外部3次キャッシュ技術と比べると、遅延と帯域幅の両面で大幅な改善を実現する」とキング氏は8月26日発表のリポートで述べている。eDRAMはSRAMほど高速ではないが、サイズは3分の1で消費電力は5分の1となっている。

 「その結果、POWER6のコアよりも低い周波数で高いパフォーマンスを実現できる。これはIBMと同社の顧客にとって朗報だ」とキング氏は記している。

 「ありきたりの技術とまったく新しい技術を組み合わせたPOWER7は、POWER6以来最も興味深いエンタープライズクラスのプロセッサの1つになりそうだ」(同氏)

 キング氏を含むアナリストらによると、8月にテキサス州オースティンでIBMが開催したアナリストデーでもPOWER7の紹介が中心だったという。IBMはこの新プロセッサプラットフォームを宣伝しただけでなく、ライバルのHewlett-Packard(HP)とSun MicrosystemsのRISCプロセッサユーザーを多数獲得したことを強調した。競合両社はいずれも、ハイエンドシステム分野で困難に直面している。

 キング氏によると、IBMは移行支援プログラム「Migration Factory」を発表して以来、この3年間で1750社以上の企業をPOWERプラットフォームに移行させた。これらの企業の89%はHPとSunからの乗り換えだという。この傾向はここ数カ月でさらに加速しているもようで、今後も続く可能性がある。SunはOracleによる買収プロセスの最中にあり、この状況が同社のハードウェアビジネスの将来をめぐる不安を呼び起こしている。この74億ドルの買収は、今夏に手続きが完了する見込みだ。

 さらにSunは「Rock」プロジェクトを中止したと報じられている。これはマルチコアUltraSPARCプロセッサで、同社ではIBMとIntelのハイエンドチップに対抗する製品だと説明していた。

 HPの場合、「Tukwila」のコードネームで呼ばれるIntelの次世代のItaniumチップのリリースが遅れているのが障害となっている。Tukwilaは当初、2007年にリリースの予定だったが、現時点では2010年に登場する見込みだとされている。「このプロセッサではクアッドコア構成と65nm製造プロセスが採用されると伝えられており、POWER7と比べるとやや時代遅れの感がある」とキング氏は記している。

 一方、SunはHot Chipsにおいて、開発中の「Rainbow Falls」プロセッサについて説明した。これは同社のマルチコアチップ「Niagara」の後継プロセッサとなるもの。Rainbow Fallsは16コアを搭載し、128スレッドを実行することができると伝えられており、Niagaraの最新バージョン「T2+」よりも30%多くの電力を消費する。

 AMDも、サーバ向けのOpteronプロセッサシリーズでコアの数を増やそうとしている。「Magny-Cours」のコードネームで呼ばれる開発中の12コアチップは2010年に投入される予定だ。同プロセッサは2個の6コアチップを1つのパッケージに組み込んだもので、現行の6コアプロセッサ「Istanbul」と同じパワーエンベロープ内で動作するという。

 Intelは8コアのNehalem EXについて説明した。同社はこれまでにも何度か同プロセッサを紹介した。2010年に投入予定のNehalem EXは、IntelのHyper-Threading技術と24Mバイトの共有キャッシュを利用することにより、1チップ当たり最大16スレッドを実行できる。同プロセッサは6コアのXeon 7400番台「Dunnington」の後継となる。

 Intel幹部は5月、「Nehalem EXはIBMやSunなどのRISCプロセッサに代わるx86ベースの企業向けハイエンドチップだ」と語っていた。

企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック

原文へのリンク

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -