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» 2015年03月20日 19時07分 UPDATE

日の丸“価電”の発信基地に! ハイアールアジアがR&Dを熊谷に設立

ハイアールアジアが、新たな開発拠点「ハイアールアジアR&D」を埼玉県熊谷市に設立。19日に行われた開所式では、伊藤社長が「熊谷という場所を起点に、アジアから世界へとさまざまな良質な製品を生み出して行きたい」と語った。

[滝田勝紀,ITmedia]

 ハイアールアジアが、新たな開発拠点となる「ハイアールアジアR&D」を埼玉県熊谷市に設立した。投資額約70億円となる新拠点は、冷蔵庫やエアコンを中心とした基礎研究、企画、デザイン、設計、および品質管理に関わる業務を行うほか、世界で展開するハイアールグループの研究開発拠点の連携強化、産学連携の共同研究や共同開発を中心としたオープンイノーベーションを行う場としても活用される。

ts_aqua02.jpg 「ハイアールアジアR&D」の外観。所在地は埼玉県熊谷市平戸2480-1

 ハイアールグループは現在世界に5つのR&Dセンターを設立しているが、そのなかでも今回設立された熊谷の新拠点は世界最大規模。敷地面積12426.43平方メートル、事務棟6階建て、実験棟5階建て、別当2棟から成る。現時点での従業員数は約200名だが、年内にも300名まで増員する予定という。

ts_aqua01.jpg ハイアールアジアの伊藤嘉明社長

 3月19日に行われた開所式で、ハイアールアジア R&Dの社長兼CEOを務める伊藤嘉明氏は、「熊谷という場所を起点に、アジアから世界へとさまざまな良質な製品を生み出して行きたい。白物家電と黒物家電という垣根がなくなり、さらに家電業界とその他の業界も今後その境目がなくなろうとしている。そのような中、よりスピード感を重視しつつ、これまで他のメーカーでは出せなかったような製品を出していきたい」と胸を張る。例として挙げたのは、すでに発表した液晶ディスプレイ付きの冷蔵庫。さらには「IoT(Internet of Things/モノのインターネット)デバイスなど、今後はどんどんと製品化していきたい」と述べた。

ts_aqua03.jpg 壇上にはプロトタイプの液晶ディスプレイ搭載冷蔵庫「DIGI」や透明のドラム式洗濯機などを展示

ts_aqua04.jpg 取手部分がレザー仕様のAmadanaとのコラボ冷蔵庫なども展示した

 開所式には、ハイアール家電産業グループ副総裁王氏、上田清司埼玉県知事、富岡清熊谷市市長ほか、同社がスポンサードする埼玉県民球団「武蔵ヒートベアーズ」の球団社長、石田涼太郎氏らが参列していた。

 さらに、伊藤社長は今後の「ハイアールアジアR&D」の展開ついて、「この開発拠点はわれわれだけが研究開発に使うものではない。熊谷のさまざまな技術を持つ企業や大学、さらにはそれ以外の方たちにもどんどん使っていただきい。ハイアールの技術と他の企業のアイデアがうまく融合したり、いろいろなコラボレーションが巻き起こる場として活用し、さらにそこから新しいアイデアや技術などが生まれたらどんどん取り組んでいくつもりだ」と、誰にもオープンな場とすることを改めて強調した。

ts_aqua06.jpg 施設内には「産学協同研究室」という部屋も用意。すでに活発な議論などがされていた

99%は元三洋電機の社員たち

 今後の同社の取り組みについては、「ハイアールアジアという中国の会社とはいえ、自分は日本人であり、組織自体も99%は元三洋電機の社員たちだ。だからこそ、日本の技術レベルの高さを活かして、日の丸家電の再生を図りたい」と伊藤社長。「自分は元々家電の世界の人間ではないので、逆にその視点を活かしたような価値のある家電=価電を、スピード感を持って世界へと発信していけるようにしたい」と決意を表明した。

ts_aqua07.jpgts_aqua05.jpg 開所式当日に拠点建物内で行われていたアイデアソン。テーマは「思わず家族が集まりたくなる家電のアイデア」。ハイアールの社員や学生、他の企業の方などがそれぞれチーム別に提案しあう(左)。武蔵ヒートベアーズのチームキャラが拠点内の自動販売機などに描かれている(右)

 開所式後には施設内を集まった報道関係者に披露。冷蔵庫など電化製品の駆動音をさまざまな周波数帯で分析できる無響室、床だけ音が反射する半無響室、高温多湿な地域での使用にも耐えるかどうかを検証する高温室や加湿室、さらには輸送時の梱包(こんぽう)を検証する包装試験棟、さまざまな製品の耐久性などを検証する過酷実験室など、充実した作りとなっていた。

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