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» 2015年07月30日 10時00分 UPDATE

4KとHDRは上陸時に:「4K配信で日本一目指す」 Netflix勝利の方程式 (1/2)

国内上陸間近となった定額制動画配信サービス「NETFLIX」。ピーターズ社長は「日本で一番4K配信が充実するサービス」と技術面で自信を見せる。

[村上万純,ITmedia]

 オンライン動画配信の“黒船”襲来――「2015年秋」と予告されている世界各国で6500万ユーザーが利用する大手動画配信サービス「NETFLIX」(2015年7月末時点)の日本上陸は間もなくだ。

 Netflixによると、国内の開始日はもう決定しており、近日中に案内するという。料金などの詳細はローンチ直前に発表する予定だ。

 日本法人のグレッグ・ピーターズ社長はこれまで何度かメディアの前に姿を現してきたが、日本でのサービスインを控え、改めて国内市場の“攻略法”を語った。

photo Netflix日本法人のグレッグ・ピーターズ社長
photo Netflixのオフィス

サービス開始時に4KとHDRを配信 「4Kサービスで日本一目指す」

 国内のオンライン動画配信市場は、すでに「Hulu」(国内100万会員)や「dTV」(500万会員)など複数のプレーヤーが存在するが、ピーターズ社長は「技術とコンテンツ」という2軸でユーザーに最高の体験を提供すると自信を見せる。

photo NETFLIXの利用イメージ画面

 技術面では既報の通り、4KやHDR(High Dynamic Range)など、クオリティー重視の動画配信に注力する。中でも4Kについては「日本で一番4Kコンテンツが充実するサービス」と豪語する。ローンチ時に4KとHDRコンテンツはいずれも用意するが、HDR対応テレビの登場は各メーカーに委ねられている。スマートフォン、タブレット、テレビ、PC、ゲーム機など、対応デバイスもサービス開始時点で豊富にそろえるという。決済方法もクレジットカードを筆頭に、順次選択肢を拡充していく。

 「目標は、すべてのユーザーに最高の視聴体験を届けること」と語るピーターズ社長は、視聴環境にも細心の注意を払う。エンコーディングの効率を上げ、低いビットレートで高画質な動画を体験できるよう、技術面の投資は惜しまず続けていくという。

 世界規模で「オープン・コネクテッド・ネットワーク」という独自のデリバリーネットワークを持っており、視聴者になるべく近いサーバーからコンテンツを配信する仕組みもある。これは画質の向上だけでなく、ネットワークオペレーターのコストを抑えるメリットがある。具体的には決まっていないが、「ほかの国と同じく、ネットワークを効率良く利用するために特定のISPと協業することも視野に入れている」という。だが、「安定した視聴体験というより、高品質な画質を届けることを重視している」と、あくまでクオリティー重視の姿勢は崩さない。

サービス前にこれほどの専用ボタン付きリモコンが出回るのは異例

photo NETFLIXボタン付きリモコンを手にするピーターズ社長

 視聴環境という面では、東芝、パナソニック、シャープ、ソニーなど主要メーカーのリモコンにNETFLIX専用ボタンを搭載するのも他社にはない特徴だ。ローンチ前にこれほど多くのボタン付きリモコンが出回るのは日本が初めてだという。世界市場ではすでに専用ボタンを備えるテレビやケーブルテレビのセットトップボックスを販売していることもあり、10年以上の付き合いになるメーカーもいる。世界中に多くのユーザーを抱えるNETFLIXの実績もあり、今回のような前例のない試みが成功したといえよう。

 NETFLIX非対応のテレビではChromecastやApple TVなどの周辺機器が必要になるが、Netflix独自でデバイスを開発・提供する予定はないという。

 ピーターズ社長は「優秀なデバイス業者と良好な関係があるので、NETFLIXはサービスやコンテンツに注力できる。デバイスはパートナーに任せたい」と説明する。ほかにもコンテンツ面で「放送局よりいい体験を提供できないので、生配信をやるつもりはない」と語るなど、餅は餅屋という考えでしっかりと割り切っている。

 Chromecastなどで視聴する場合は、スマホ/タブレット向けに提供する予定のアプリを使えば、スマホがリモコン代わりになる。

レコメンド機能は世界共通

 膨大な数のコンテンツから見たい作品を見つける上で重要になるのが、レコメンド機能だ。HuluやdTVなどの競合も日本人に合ったのレコメンド機能を強化すると明言している(関連記事)。

 だが、NETFLIXは日本向け機能を特別に実装するつもりはなく、あくまで世界各国で集めたグローバルなデータに日本のデータを加えていく。ピーターズ社長は「グローバルなカタログがあるイメージ。例えば、日本のユーザーがある作品を見ていて、フランスにいるユーザーと好みが似ていれば、フランスのユーザーが続けてみた作品をレコメンドすることだってある。6500万ユーザーの膨大なデータがあるのが一番の強み」と説明する。国ごとにローカライズした機能は提供せず、共用できる部分を探っていくというアプローチは他社とは異なる点だ。

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