従来Bluetoothオーディオの技術では、CDの音質を超えるハイレゾの情報量をワイヤレスで飛ばすことができなかった。ところが昨年はソニーが、2016年からクアルコムがBluetoothの技術をベースに、ハイレゾなみの高音質再生をワイヤレスで実現できる技術を発表して、それぞれの対応製品も発売した。
ソニーの「LDAC」(エルダック)は最大96kHz/24bitまでの音楽再生を実現するBluetoothオーディオの技術だ。LDACに対応しているプレーヤーとイヤフォンがあれば一段といい音が楽しめる。ソニーのワイヤレスイヤフォンでは“h.ear in Wireless”「MDR-EX750BT」をはじめ多くのモデルが対応している。プレーヤー側の機器はWalkman、XperiaのLDAC対応モデルが充実してきた。エレコムやティアックなど、他社にもLDAC対応オーディオ機器の輪が広がりつつある。
クアルコムの「aptX HD(アプトエックス・エッチディー)」は最大48kHz/24bitまでのワイヤレスオーディオ伝送に対応している。LDACよりも後に発表された技術なので、16年末時点で対応するイヤフォンはLGの「HBS-1100」、ヘッドフォンはオーディオテクニカの「ATH-DSR9BT/DSR7BT」、プレーヤー機器もAstell&Kernの第3世代のAKシリーズとLGの「isai Beat」など、比べるとまだ数が少ない。でも2017年はLDAC、aptX HDともに対応機器が一気に充実する期待感もある。
いま使っている有線イヤフォンの音が好き過ぎて、なかなかワイヤレスイヤフォンに乗り替える気がしないという方もいるだろう。もしお使いのイヤフォンがリケーブルに対応していて、MMCX端子を搭載していれば、そのまま「ワイヤレス化」できる可能性がある。
ソニーの「MUC-M2BT1」は、ソニー製のイヤフォンに限らず、MMCX端子を採用するイヤフォンとリケーブルできるLDAC対応のワイヤレスアダプターだ。米のプレミアムイヤフォンブランドであるWestoneからもMMCX対応の「WST-BLUETOOTH」が発売されている。ワイヤレス伝送による圧縮がかかるので、元のケーブルリスニングと100%同じ音にはならないが、愛用するイヤフォンの音のキャラクターや耳元の装着感はキープしながら、ワイヤレス再生の利便性が加えられる点でユニークな製品だ。iPhone 7に買い替えて、ワイヤレスイヤフォンを探している方は試して損はないと思う。
ワイヤレスイヤフォンの選択肢はますます広がるばかりだが、求める音やリスニングスタイルを絞り込んでいくことで、必ず期待とマッチする1台を見つけられるはずだ。昨年1年間がんばった自分へのお年玉にぜひ。
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