ハッピータイム2は果たしてハッピーか?

» 2004年04月20日 11時44分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 ボーダフォンが、通話料金割引オプションにメスを入れた。業績下方修正の原因ともなった(1月28日の記事参照)、「ハッピータイム」などの見直しが中心だ。

 昨年10月に始まった「ボーダフォンハッピータイム」は、1分5.25円という衝撃の低料金が話題になった(2003年9月17日の記事参照)。土日祝日かつボーダフォン同士が対象とはいえ、価格競争している「固定→携帯」でさえ17.85円/分なのだから(4月15日の記事参照)、その安さが際だっていた。

多くの場合で「値上げ」のハッピータイム2

 では7月から導入される「ハッピータイム2」は、どのくらい安いのだろうか。“5分話せば30分無料”といわれると、ものすごくお得な感じがするが……。まずは、従来のハッピータイムとの違いをまとめてみる。

  • テレビ電話非対応に
  • プリペイド契約非対応に
  • 最初の5分と35分以降は、通常料金

 大きなデメリットは、テレビ電話とプリペイド契約が対象外になったこと。さらにテレビ電話は音声通話料の1.8倍に値上げされる(4月19日の記事参照)。

 ドコモがFOMAで提供しているテレビ電話は、当初から音声通話の1.8倍に設定してあり、ここだけ見るとドコモにそろえたことに。しかし、これまでが圧倒的に安かっただけに、ボーダフォンの3G(VGS)ユーザーの負担は大幅増となる。

 では、通常の音声通話の場合の料金はどうなるか。下図が試算結果だ。

graph 横軸は1回当たりの通話時間。縦軸は料金。通話料は日中で計算。いずれもハッピータイム、ハッピータイム2の対象の場合

 旧ハッピータイムが1分5.25円──つまり通話時間に比例して料金が伸びていくのに対し、ハッピータイム2では、5分から35分まで通話料金が変わらない。

 このグラフを見ると、ほとんどの場合で旧ハッピータイムのほうが安いことが分かる。バリューパックユーザー(月額4095円)の場合、何分話しても旧ハッピータイムのほうがお得。

 バリューパックシルバーユーザー(月額6195円)は、30分〜36分で通話を終えた時だけ、ハッピータイム2のほうが安くなる。最も高いプランであるバリューパックプレミア(月額2万1000円)でさえ、お得になるのは通話時間が15分〜45分の場合だ。

 15分以内など、短時間で通話を終えてしまうと、いずれのプランでも旧ハッピータイムより高い。どんな場合でもメリットのあった旧ハッピータイムと比べて、“休日の長電話専用”になってしまった感が強い。

家族割引と指定割引を組み合わせて活用

 ただし、これを単なる値上げともいい切れない。新たに、家族割引/指定割引との併用が可能になったからだ。両割引とも通話料が半額になるオプションプラン。

 家族割引、指定割引を併用した場合の料金の推移が下の図だ。

graph 横軸は1回当たりの通話時間。縦軸は料金。通話料は日中で計算。いずれもハッピータイム、ハッピータイム2の対象の場合。指定割引の月額料金(315円)は考慮していない
契約プラン ハッピータイム2がお得 旧ハッピータイムがお得
バリューパック 20〜40分 1〜20分、40分〜
バリューパックシルバー 15〜45分 1〜15分、45分〜
バリューパックプレミア 8〜90分 1〜8分、90分〜

複雑な料金プランがマイナス

 状況によっては、従来よりお得な場合もあるハッピータイム2。問題の1つは、ハッピータイム2への移行に選択の余地がないこと。

 そして、シンプルな1分5.25円という料金体系から、5分話したら30分無料という複雑な体系に変わったことだ。一見お得に見える料金体系よりも、シンプルで分かりやすく、かつ安い料金が望ましいのは間違いない。その意味で、旧ハッピータイムの魅力は大きかった。


 「一度始めてしまったら、もう止められない。ボーダフォンはこれからどうするつもりなのか」。競合する携帯キャリアまでが、あまりの安さゆえにハッピータイムの動向を心配げに見守っていた。

 いったん下げた料金を、値上げするのは難しい──それが携帯キャリアにとってもユーザーにとっても了解事項だったはず。無理な料金プランなら、最初から導入するべきではなかった。テレビ電話料金のように明確な値上げを含め、ボーダフォンが料金体系に手をつけたのは業績の動向とも無関係ではないだろう。

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