CeBIT Asia 2004で、目をひくのはNECブースだ。高機能かつ斬新なデザインの端末がそろっており、同社の中国市場にかける意気込みが伝わってくる。ただし、背景には「中国への進出がまだそれほど進んでいない」ことへの焦りがあるようだ。
端末ラインアップを確認しながら、NECのこれまでの中国市場に対するアプローチと今後の展開を確認しよう。
まずは、人だかりができていた特徴的な端末から見てみよう。
「N900」は、“世界最薄”をうたうカード型携帯電話(2月3日の記事参照)。85×54×8.6ミリで、「カメラ付き携帯電話としては最も薄い」(説明員)。重さも70グラムと比較的軽い。1.8インチの6万5000色TFT液晶を搭載し、JPEG、GIF、BMP、PNGをサポートする。
「N910」は、「魔鏡」とのニックネームが付いた端末(3月18日の記事参照)。鏡面仕上げの外見は、女性向けのアクセサリーグッズかと勘違いしそうだ。中国には小型の携帯が多いが、ここまでこだわったデザインのものも珍しい。
これら「N9xxシリーズ」が、同社が強力に推す“フラッグシップモデル”となる。会場ではこの2機種に並ぶかたちで、コンセプトモデルながらテレビ電話/テレビ視聴が可能な端末も展示されていた。
こうした端末を投入できるだけの力を持っているにも関わらず、NECは中国市場ではNokiaやMotoloraといった欧米のメーカーに水を開けられている。中国信息産業部の統計によると、中国の携帯電話加入者数は3月末時点で2億9030万人に上るが、同社が2003年度の目標として設定していたのは100万台だ。
理由として、NECのChina Mobile Terminal Development Center、アシスタントマネージャーのKawada Hanae氏は「NokiaやMotoloraはブランド力がある」ことを挙げる。
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