「携帯にフルブラウザも」「auはSuica搭載」〜KDDI、小野寺社長

» 2004年06月16日 22時12分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 偶然にも、ドコモのFeliCa発表と同じ日になった、KDDI小野寺正社長の定例会見。8月1日からのパケット定額制改定の発表に加え(6月16日の記事参照)、今後の携帯電話戦略にも言及した。

携帯電話へのフルブラウザ搭載もあり

 DDIポケットがOpera搭載の「AH-K3001V」を発売(5月14日の記事参照)、ACCESSがBREWプラットフォーム上で動くフルブラウザを開発するなど(6月8日の記事参照)、フルブラウザ化への流れが始まりつつある。海外でもNokiaの3G端末「Nokia 6630」や(6月14日の記事参照)、液晶が回転するGSM端末「Nokia 6260」(6月14日の記事参照)に、フルブラウザが搭載された。

 こうした流れの中、小野寺社長は「フルブラウザそのものの問題については、1つの流れだと思っている」とコメントした。「技術的には検討して進めており、ある時期に載せることは技術的に可能」。

 ただし、「インターネットのビジネスモデルで本当にうまくいっているのは何か? となると疑問がある」とも話し、ニュースサイトのビジネスモデルを例に挙げた。「一般のインターネットでは、ニュースを有料にしたとたんにほとんど使われなくなる。一方携帯電話は別の仕組みを使っているので、ほとんどのニュース配信について有料。(記者の)みなさんにとって、どちらのビジネスモデルがいいのかを考えていただければ分かるのではないか」(小野寺社長)。

 小野寺社長は「モバイル用のフルブラウザについて、ある意味で言うと搭載するつもりはある」としながらも、料金体系については「EZwebの料金とは全然別になる」と明言した。「EZフラットやW定額が可能なのは、データ量を我々がコントロールできるから。端末やシステム、コンテンツプロバイダの連携が取れるから導入した」といい、そうしたコントロールが難しい一般のインターネットサイトの閲覧については、異なる料金体系になるとしている。

auはSuicaに絞って搭載?

 ドコモがFeliCaケータイの投入に注力する中、小野寺社長は、JR東日本のスケジュールに合わせて(4月13日の記事参照)Suica機能付きの端末を投入する準備を進めていると話した。

 「われわれは、FeliCaと仕組みは同じだが、より多く使われているSuicaが大きな要素だろうと思っている」(小野寺社長)。

 Suicaは、FeliCa技術を使ってJRが導入しているサービスの1つ。JR東日本だけでなく、JR東海やJR西日本も採用を決めていることや、利用用途も定期や回数券に加えショップでの買い物にも対応することを挙げ、「SuicaについてはJR東日本と話をしており、JR東日本の導入スケジュールに合わせて(対応端末を投入できるよう)準備を進めている」とした。

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