パナソニックのFOMA端末といえば、やはり回転2軸式ディスプレイを搭載し、ヒンジ部に横向きにカメラを内蔵して「ムービースタイル」での撮影を実現した「P2102V」が思い出される(2003年3月21日の記事参照)。「P900i」からちょっと遅れて、しっかりとP2102Vの後継機も登場してきた。「P900iV」である(6月30日の記事参照)。
閉じた状態。ヒンジ部の両端にレンズとシャッターがあるのでこの状態ではカメラは見えない |
P900iVの基本構造はP2102Vと同じだ。ディスプレイの上に自分撮り兼テレビ電話用のサブカメラがあり、ヒンジ部に横向きにサイドカメラがある。ディスプレイを90度開いて、くるっと回転させると自動的にサイドカメラを使ったカメラモードが起動する。レンズカバーがあったP2102Vでは、レンズが開けっ放しだとディスプレイを回転させても起動しなかった。ちょっとした改良だ。
カメラ部の目に見える違いは、二軸回転式ディスプレイがリニューアルされたこと。ディスプレイが180度回転するビューワスタイルに対応。またディスプレイを上に向けてセットできるなど撮影アングルがより自由になった。サイドカメラの横にコンパクトライトが装備され、レンズカバーがなくなった(実はけっこうジャマだった)。そしてそれ以上に中身も大きく変更されている。
ヒンジ部のカメラは正面から見て左手にあり、1/3.15インチで195万画素のCCDを搭載。パンフォーカスで、レンズ部の回りにマクロモード切替スイッチが付いている。その横のヒンジ部に小さくライトを装備。形状自体はP2102Vより考えられており、構えやすくなった。カメラ部のレンズカバーがなくなったのも迅速な起動にはいい。いちいち開く必要がないからだ。
195万画素のサイドカメラを使うにはディスプレイを90度開いて、さらに回転させねばならない。すると縦型のDVカメラを構えたときのようなスタイルになる(ムービースタイル)。待ち受け画面でディスプレイをこの状態にするとサイドカメラモードで起動する。ただ待受画面以外(メニュー表示時など)ではこの機能が働かないのは相変わらずだ。
ディスプレイを開いてテレビ電話ボタンを長押ししてカメラモードにしてから、ディスプレイを回転させてサイドカメラに切り替えるという方法もある。
DVカメラのように撮影時にディスプレイを回転させることでローアングルやハイアングルも簡単に撮れるのも便利なところだ。
ただ、サイドカメラ時に撮影設定の変更などができないのは不便。可能な操作は撮影モード変更やライトのオン/オフなど限られており、ナイトモードにしたり画像サイズを変えるには開いた状態でメニュー操作をしなければならない。
メニューには明るさ/ホワイトバランス/色調切替(セピア、美肌、モノクロ)/画質と画像サイズ(スナップサイズ)/ナイトモードなどが用意されている。
画像サイズはSub-QCIF(128×96)/QCIF(176×144)/CIF(352×288)/壁紙(240×266)/VGA(640×480)/SXGA(1280×960)/UXGA(1600×1200)の7種類。サイドカメラ利用時はすべて横長の画像になる。
カメラ利用時の起動速度や撮影間隔はストレスがたまるほどではなく、なかなか迅速だ。
ちなみにディスプレイを180度ひっくり返したときはどうなるか。そのときはカメラは使えず、自動的にメディアプレイヤーモードになって映像や写真の再生が行える。
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