コラム
» 2004年07月16日 07時10分 UPDATE

携帯のヒンジが変わる時 (1/2)

折りたたみ型の後継となる形状は果たして何か。端末メーカーの約半数が採用した“回転2軸ヒンジ”構造が、最有力候補。そしてその狙いは、デジカメ的な使い勝手の良さだけでなく、“iモードの次”に来るアプリケーションに最適な形状だという点にありそうだ。

[斎藤健二,ITmedia]

 折りたたみ一辺倒だった携帯のヒンジに、新しい潮流がやってきた。2つの可動部を持った「回転2軸ヒンジ」の採用だ。

左は回転2軸ヒンジを世に知らしめた「P505iS」。パナソニック モバイルは「P2102V」で初めて回転2軸ヒンジ端末を製品化したが、液晶が反転して表を向くようになったのはP505iSから。右はシャープの「V602SH」。同じく2軸ヒンジでも、P505iSとは構造が違う。P505iSは根本が回転し、折りたたみヒンジが上にある。V602SHは折りたたみヒンジが根本にあり、回転するのは上部だ。国内の回転2軸ヒンジで主流なのは、V602SHの方式

 既にドコモ向けでは端末提供メーカー6社中、NEC、パナソニック モバイル、富士通、シャープと4社が採用済み。KDDI向けでも三洋が新端末で(7月12日の記事参照)、ボーダフォン向けでもシャープが導入した(5月25日の記事参照)。携帯のヒンジに、そして形状に何が起きているのだろうか?

端末メーカー ドコモ KDDI ボーダフォン
NEC 回転2軸
パナソニック モバイル 回転2軸
富士通 回転2軸
三菱電機
シャープ 回転2軸 回転2軸
ソニー・エリクソン 回転
カシオ
東芝
三洋電機 回転2軸 スライド
京セラ 回転
日立
ここ数年で回転/スライド/回転2軸のヒンジ構造を持った端末を製造したメーカー。「−」は提供なし。「○」は折りたたみ型を提供。東芝のドコモ向けが△なのは供給がストレート型FOMA端末だけのため

形状の変化はシェア激変の兆し?

 「携帯のシェアが大きく変わるときは、形状の変化があったときだ」。カシオ端末の企画を担当する通信統括部商品企画室の石田伸二郎室長は、最近のヒンジと形状の変化をこう見る。

 現在もっとも一般的な折りたたみ型だが、その普及はiモードの進化と歩調を合わせてきた。思い起こせば初代のiモード端末の中で折りたたみ型はNEC製の「N501i」のみ。1999年当時は小型軽量競争の真っ最中で、60グラムを切るようなストレート端末が発売されていた。

 大画面でiモードが使いやすいN501iを評して、プロダクト&サービス本部長の榎啓一氏(当時はゲートウェイビジネス部長)が「NECはiモードのために、折りたたみ型を取っておいてくれた」と話していた。

 その後、503iシリーズの投入を境に、各社は雪崩を打って折りたたみ型にシフトしていく(2001年8月24日の記事参照)。そんな中で着実にシェアを伸ばし国内トップシェアに上り詰めたのは、早くから折りたたみのノウハウを積み上げてきたNECだった(4月21日の記事参照)。

 時代が折りたたみ型を求める中で、大きくシェアが動いた。NEC躍進の背景に“折りたたみブーム”があったことに異論はないだろう。

 では次の新しいヒンジ、形状はどこにあるのか。いち早くそこに取り組んだメーカーが、シェア争いの目玉となり得る。

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