もう1つ、CMOSの弱点は画素数アップ競争でCCDに遅れをとりがちだったことだ。CCDでもCMOSでも画素数を増やすこと自体は難しくないが、携帯電話に入れることを考えるとサイズを小さくすることが求められる。センサーが大きくなると光学モジュールのサイズも大きくなり、モジュールが厚くなってしまうからだ。
素子サイズ | 画素数 | 端末例 |
---|---|---|
1/1.8インチ | 320万画素 | A5406CA |
1/2.7インチ | 204万画素 | F506i |
1/3.15インチ | 195万画素 | P900iV |
1/3.6インチ | 128万画素 | P900i |
1/4インチ | 100万画素 | SH505i |
撮像素子の大きさは、1画素のサイズ=セルサイズで決まる。従来CMOSのセルサイズは5.4μm程度で、微細化はCCDのほうが先行していた。東芝は、今回セルサイズを3.3μmセルまで小型化し、CCDとほぼ同等のセルサイズを実現。これによって1/3.3インチで130万画素が可能になり、メガピクセル携帯の土俵にCMOSも乗ってきたわけだ。
「受光素子のサイズが小さくなるので感度そのものが下がり、ノイズの影響を受けやすい」(金子氏)
では、今後の画素数競争ではどうか。「同じプロセスならば、CCDよりCMOSのほうがセルサイズの縮小は難しい。ただしCMOSロジックのプロセスが進めば、配線を細くすることができる。逆にCCDよりも微細化がしやすい」と金子氏。3.3ミクロンプロセスを実現した今年がひとつの転換期と見る。
CCDはプロセスが進んでも、転送デバイス部分の小型化が難しいため、セルサイズの縮小に制限がある。CMOSの場合は転送デバイスが必要ないため、プロセスの進化に従い相似的に小さくしていけるということだ。
セルサイズ3.3μmならば、200万画素まで増やしても1/2.6インチサイズが可能。今後2.7μmまでの微細化のめどはたっており、「300万画素までは1/2.7インチサイズでいける」(金子氏)。
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