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» 2004年08月26日 17時43分 UPDATE

mobidec 2004:Symbian+Series 60で携帯アプリに新時代?

携帯のアプリといえば、これまでJavaだったが、昨今ネイティブアプリに近い仕様のプラットフォームが増えてきた。1つはKDDIが推すBREW、もう1つはNokiaが全世界で普及促進するSeries 60だ。秋には日本語版Symbian OS+Series 60を搭載する「Nokia 6630」が発売される。Javaに偏っていた日本の携帯アプリ環境にも変化が訪れるかもしれない。

[斎藤健二,ITmedia]

 3Gが普及し始め、世界で共通の通信方式W-CDMAが使われるようになったのを機に、日本独特だった携帯の文化が変わっていくかもしれない。変化をもたらす黒船は、北欧からやってきたノキアだ。

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 「ヨーロッパ、アジア、アメリカで起こっているパラダイムシフトがある。これが日本でも起こっていくかもしれない」と、8月26日のmobidec 2004で講演したノキア・ジャパンの江尻尚平テクノロジープラットフォームズ スペシャリストは話した。

 そのパラダイムシフトとは何か。汎用OSであるSymbian OSとSeries 60プラットフォームによって、自分の好きなアプリケーションを追加できるようになることだ。

 これまでの携帯電話ではユーザーは決められたアプリケーションを使うだけで、自分の好きなソフトを追加することはできなかった。Javaの導入である程度の追加は可能になったが、コアのアプリケーションは変更できない。

 「PCでは気に入ったブラウザ、メーラー、エディタなどのソフトをインストールして好みの環境にして使うことが多い。日本で売られている携帯の場合、非常に多くの組み込みソフトが入っている。Javaで機能を追加することはできるが、ブラウザやメーラをインストールすることはできない」(江尻氏)

 ところが、Symbian OSではユーザーが自分の好きなメールソフトやブラウザを勝手にダウンロードして追加できる。PCで好きなソフトを利用する感覚に近い。

 「Symbian 60プラットフォーム上ではoperaブラウザをダウンロードして追加することもできる。ACCESSのブラウザもSeries 60用のアプリとして販売されている(2003年4月24日の記事参照)

日本でも発売。日本語Series 60搭載「6630」

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 Symbian+Series 60プラットフォームで、ソフトダウンロードという新しいカスタマイズ法を提案したノキア。これまでは欧州がメインだったが、日本語化されたSeries 60を搭載した「Nokia 6630」をこの秋、日本にも投入する(6月14日の記事参照)

 W-CDMA方式のほかGSM、EDGEにも対応し、世界各国で利用可能。130万画素カメラのほか、音楽プレーヤー機能、Bluetooth、MMCメモリカードスロットも備える。Symbianネイティブアプリケーションだけでなく、Javaアプリケーションももちろん動作する。日本語環境はかなりこなれたもので、英語、日本語とも予測変換機能も備える。

 江尻氏は、Javaのアプリケーションに比べてSeries 60のネイティブアプリケーションには大きく3つの利点があるとした。1つはネイティブ動作のため高速なこと。2つ目はC++で開発でき各種APIやGUI部品が用意されているなど高機能なこと。例えば3Dグラフィックス向けAPI「OpenGL ES」にも対応している。3つ目は容量制限がなくメモリカードにもインストールできることだ。

 高機能なアプリケーションは、ウイルス的動作をするような悪意あるソフトも作れてしまうことを意味するが、Series 60の場合、ユーザー認証でセキュリティを保つ。Symbianまたは通信キャリアから認証プログラムが提供され、認証を通っていないプログラムの場合、ユーザーの自己責任でインストールすることになる。

 端末製造番号の照会もできるため、特定の製造番号でないと動作しないアプリケーションも作成できる。江尻氏は、VPNを使用したイントラネットアクセス用のSeries 60アプリや、Bluetoothを利用する業務用データターミナルなど、業務用アプリケーションも安全に開発できるとした。

66303.jpg Symbian OS+Series 60を使ったビジネスソリューション例
66304.jpg 例えばBluetoothを使ったデジタルペン(アノトペン)と組み合わせて、手書きのビジネスソリューションも構築できる

増えてきた、Java以外の選択肢

 これまで日本では“携帯アプリ”といえばJavaのことを差していた。しかし最近になって、Javaよりもネイティブソフトウェアに近い高機能なプラットフォームが増えてきている。

 ノキアが推すSymbian OS+Series 60もそうだし、QualcommとKDDIが推すBREWもその1種。こうしたプラットフォームでは自由度の高いアプリケーションが作れる反面、悪意あるアプリを防ぐ方法としてキャリアなどがチェックを行う仕組みを取り入れている。

 国内の3キャリアの動向を見ても、ドコモはJavaだが、KDDIはBREWに乗り換えた。ボーダフォンはアプリケーション環境のグループ共通化を図っており、Javaも従来仕様に加え、Vodafoneグループ共通の新仕様「VFX」(従来とは非互換)を秋の3G端末から搭載する計画だ。そうした動きの中では、Series 60向けのダウンロードアプリケーションが出てきてもおかしくない。

66305.jpg 欧州でいうスマートフォン市場において、Nokiaは圧倒的な強さを誇る。前年同期比で57%もの伸びを見せるこの市場で、Nokiaのシェアは78%に達する

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