Sonapticの3D音源技術、「N901iC」「F901iC」「D901i」に搭載

» 2004年12月09日 16時19分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 Sonapticは12月9日、同社の携帯電話向け3D音源技術がドコモのFOMA「N901iC」「F901iC」「D901i」に採用されたと発表した。音が右や左、後ろから聞こえるようにする「3Dポジショナル」技術の1つで、901iシリーズの特徴ともなっている(11月17日の記事参照)

 同社はEMI Musicの研究所として始まった。その後PC向け3D音源などを開発していたSensaura社から、2002年に携帯電話向け3D音源に特化した会社としてスピンアウトした。同社の技術が携帯電話に搭載されるのは、901iが初めて。

Sonaptic日本法人の新岡亨社長

従来の“サラウンド”と何が違うのか?

 3D音源技術としては、これまでもSRS Labsの「TruSurround」やダイマジックの3Dサウンド技術「DVX」などが実用化されている。携帯電話にも「N505i」や「A5406CA」などにDVXが使われてきた(2003年6月4日の記事参照)。では、こうした技術とSonapticの3D音源技術は何が違うのか。

 「携帯電話に3D音源エンジンを積んで、リアルタイムにどう音を動かすかを“解放”できる技術だ」と、同社日本法人の新岡亨社長は説明する。

 これまでの3D音源技術は、あらかじめ音が聞こえてくる位置を決めてデータを作り込む方法(プリプロセス)が主だった。この場合、例えばゲームの動きに合わせて音が聞こえてくる場所を変更するといったことが難しい。一方で、音の位置が変わってもリアルタイムに演算を行って音の動きを出す手法もある(ポストプロセス)。Sonapticの技術もその1つだ。

 これによってゲームの動きに合わせて、音が聞こえる位置をリアルタイムに変化させることが可能になる。同社は「3Dポジショナル オーディオ」と呼んで、従来のサラウンド技術と区別している。901iの場合、iアプリゲームや着メロでリアルタイム処理を使っている。

 ただしポストプロセスの手法で携帯内部でリアルタイムに処理を行うには、演算量が膨大になるのが問題だった。Sonaptic技術が901iの3機種に採用された理由は、「エンジンが一番軽かった」(新岡氏)ことにある。

 「(901i各機種が採用している)OMAPプロセッサの最大処理能力の10%で動作させられる」(Sonapticテクニカルディレクターのリチャード・クレモゥー氏)

 さらに幅広い音の周波数帯に対応していることや、最大8チャネルの音源ソースに対応していること(ドコモの必要スペックは2チャネル)などが、「SH901iC」や「P901i」が採用した技術との違いだという。

コンテンツプロバイダ向けに、3Dポジショナル効果をプリプロセスで追加するオーサリングツール。各種DTMのオーサリングソフトに対応するVSTプラグインとして提供される

ヤマハ、ロームの音源チップにIPコアとして搭載

 Sonapticの技術は、音源チップ大手のヤマハとロームにライセンス供給済み。IPコアとして音源チップに内蔵されており、N901iCではヤマハチップ上に実装されている。処理はOMAPプロセッサ上のDSPと、音源チップが分担して行う。

 今後は海外を含め、他キャリアやメーカーへの採用を目指す。「3Dオーディオの仕様決めのためVodafoneとも検討を始めている」とクレモゥー氏。Javaの仕様提案であるJSR234の一部として策定を進めていくという。

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