携帯が定額制になって、何が可能になったか。いろいろ答えはあるが、「アダルト動画が携帯で見られるようになった」と答えるのがソフト・オン・デマンド(SOD)とアサップネットワークだ。
両社は、共同で携帯向けアダルト動画サイト「SODモバイル」を運営している。定額アダルト動画がどう利用され、ユーザーからどうとらえられているか、アサップネットワークの取締役営業担当、西山圭氏に聞いた。
西山氏は、SODモバイルを7月に立ち上げたきっかけの1つは間違いなくキャリアの定額制導入だと話す。auが定額制で先行し、ドコモが6月に「パケ・ホーダイ」でこれに追随した(3月24日の記事参照)。「これにより、携帯で動画を見ても料金がかさまずすむようになった」(同氏)。11月には、ボーダフォンも定額制を導入している(11月10日の記事参照)。
もっとも、公式サイトではアダルトコンテンツは禁止(後述)。そこでSODモバイルは、一般サイトとしてアダルト動画を無料配信する道を選択した。ユーザー課金は行わないが、サイトをDVDプロモーションの場として活用することで、パッケージ商品の売上増に寄与しようという考えだ。
SODといえば、高橋がなり氏が社長を務めることで有名なセルビデオ業界の最大手。2003年度の年商は85億円と、AV業界トップクラスの実績をもつ。ここで毎月リリースされる大量の新作映像のうち、9割程度を携帯向けに加工し、プレビューコンテンツとして配信することにした。
「30秒程度の動画を120本用意し、月2回に分けてリリースしている」(同)。ビットレートは、50K〜60Kbps程度。PCプラットフォーム向けとしてはやや“粗い映像”の部類だが、携帯向けとしてはまずまず見られる画質となる。auの1X WINユーザー向けには、画質はそのままで3分の“長時間版”も用意した。ユーザーは、無料の会員登録を行うだけでこれらの動画を視聴できる。
3キャリア向けにサイトをオープンしたのが、7月15日のこと。それから数カ月のうちに、SODモバイルは累計4万会員を抱えるサイトに成長した。
「1日平均の動画ダウンロード数は、約9万。毎月の更新日直後など、多いときは40万ダウンロードに達する。これは予想を越えていた」
西山氏が驚いたのは、ユーザーの映像に対するニーズの大きさだという。「1人あたり、1カ月に30〜40本は見ている。それこそ、サイト全体をなめるように見ている」
サイト閲覧から、DVD購入につながるのかという問題もある程度めどが立ちそうだ。「今のサイトは、ユーザビリティが必ずしもよくない。改善の余地は多いと思っているが、それでも映像を見た後に、毎月何千本の単位でユーザーがDVDなどパッケージを購入してくれている」
面白いのは、リアルのショップから寄せられた声だ。「最近は、店頭で携帯を操作するユーザーが多くなった」
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