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» 2004年12月29日 10時19分 UPDATE

2004年を振り返る:定額制+フルブラウザで、既存の収益モデルが崩壊する (1/3)

何回コンテンツを見ても、月に支払うデータ通信料は一定。パケット定額制が普及した2004年は、携帯キャリアやコンテンツホルダーがビジネスモデルの転換を迫られた年でもあった。

[吉岡綾乃,ITmedia]

 2004年の携帯業界を振り返ったとき、大きな話題の1つといえるのが、3G携帯を対象とするパケット定額制の普及だ。2003年の11月にauが「EZフラット」を導入したことに始まったこの流れは、ドコモの「パケ・ホーダイ」(2004年6月スタート)と、auの「ダブル定額」(2004年8月スタート)で本格化した。やや遅れてボーダフォンも、11月から「パケットフリー」で追いかけている。

3G携帯の普及を後押しした定額制、しかし……

 定額制料金体系は、ユーザーにまたたくまに浸透した。ドコモのパケ・ホーダイは、開始から2カ月で契約者数100万を突破(7月28日記事参照)。auも、夏のWIN端末投入+ダブル定額制の導入以降は弾みが付いた。6月末時点で47万5000人だった定額制契約者は、9月には96万4710人と、わずかな期間で倍増している。

 定額制料金の契約者増は、キャリアにとって3G端末普及を後押しする力になった。また短期的にはARPUの押し上げにも貢献している。auの例を見てみよう。WINユーザーの80%以上は定額制契約者だ。2004年第2四半期で比較すると、トータルARPUが7300円に対し、WINユーザーのARPUは1万1900円と非常に高い。WIN契約者が増えるほど、auのトータルARPUも押し上げられることになる。

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10月28日発表の、KDDI中間決算資料より。2004年9月の数字で、WINの累積契約者数は119万1000人、そのうち定額制契約者が81%=96万4710人。WIN契約者数、定額制契約者数ともに右肩上がりの伸び

 しかしこれは一時的な動きでしかない。今はARPUが増えていても、いずれ頭打ちになるときが来る。パケット収入に上限が設けられたことにより、従来のような「通信パケット量=キャリアの収入」という図式は崩れてしまったのだ。

 定額制が定着したことにより、“データ通信料と音声通話をともに従量課金する”という従来のモデルから、定額制を前提として、それでもキャリアが収入を得られる新しい収益モデルへの転換を、各キャリアが迫られている。具体的にどのようなビジネスモデルを、各キャリアは描いているのだろうか。

FeliCa、着うたフルで新しいビジネスを模索

 ドコモが2004年、最も熱心に推し進めたのが、おサイフケータイこと「iモードFeliCa」だ(特集記事参照)。しかしiモードFeliCaでユーザーを囲い込むことはできても、データ通信に替わる収益を見込めるかというと、現状では方向は見えていない。

 auはドコモとは違う方向を目指しており、キャリアの「メディア化」を目指している。WIN端末にリッチコンテンツを配信する「EZチャンネル」、また「着うたフル」などはその好例だろう。どちらも定額制なくして普及はありえないサービスだ。単に音楽データを配信するだけでなく、例えばポータルサイトの「EZ!MUSIC」から音楽CD販売サイトの「au Records」へ誘導して、音楽CDの販売までカバーするなど、「通信業者」という枠を越えた展開を進めているが、これもデータ通信に替わる収入源になるのかというと、まだ不透明なのが現状だ。

Operaなど、フルブラウザ搭載端末が登場

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