ボーダフォンが上場廃止となるまで

» 2005年05月13日 19時01分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 ボーダフォンは監理ポストに割り当てられ、上場廃止となることが決まった。しかし、「ボーダフォンという会社は上場していたっけ?」と疑問に思う方もいるのではないか。

 実のところ、今回上場廃止となるボーダフォンという会社は、日本テレコムとして上場していた会社だ。合併と社名変更を繰り返す中で、現在は携帯電話事業を行うボーダフォンという社名になった。

この数年のボーダフォンを振り返る

 そもそも固定通信を中心とした日本テレコムが上場したのは1994年9月のこと。

 2002年8月に、日本テレコムは持株会社制に移行し、社名を日本テレコムホールディングスに変更。上場企業自体はこちらになり、固定通信事業などを扱う子会社として新会社「日本テレコム」を新設した(2002年5月の記事参照)

 その後、日本テレコムホールディングスは、リップルウッド・ホールディングスに日本テレコムを売却する。2003年8月のことだ。固定通信事業を売却したことで、同社の主要事業は、子会社であるボーダフォンが営む携帯電話事業となった。

 同年12月には、ブランド力強化などを目的に、社名を日本テレコムホールディングスからボーダフォンホールディングスに変更(2003年11月12日の記事参照)。さらに、2004年10月にはボーダフォンホールディングスと事業会社であるボーダフォンが合併し、社名をボーダフォンに変更した(2004年10月1日の記事参照)

 こうした合併と社名変更を経て、当初日本テレコムとして上場した会社は、主な事業内容を携帯事業とするボーダフォンという名称になっていたわけだ。

 Vodafoneグループによる公開買い付けなどにより、少数特定社持株数の割合が上場株式数の90%を超えたのは、2004年度に入ってから。規則によると、3月末の決算時に90%を超えると監理ポストへ割り当てられる。ボーダフォンホールディングスとボーダフォンの合併発表時点で上場廃止が取りざたされたが、2004年3月末の時点では、まだ基準を超えていなかった。

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