夏モデルで「オーディオ・ビジュアルに強い」目指すau

» 2005年05月23日 16時33分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 KDDIは5月23日に、夏モデル5機種を発表した。キーワードは「オーディオ・ビジュアル」。着うたフルやFMケータイなどを先駆けてサービスすることで、音楽に強いKDDIというイメージを広げてきたが、アナログテレビなどを盛り込むことで、そのイメージをさらに強化していく狙いがある。

 「KDDIの路線はドコモとは若干違っている。オーディオ・ビジュアル系に強いという地位を確立していきたい」(au事業本部長の両角寛文氏)

 夏モデル5機種(1X 2機種、WIN3機種)の機能強化は、この「オーディオ・ビジュアル」と「GPS機能」そして「PC連携の進化」という3点から見るとわかりやすい。

機種 通信方式 アナログテレビ 聴かせて検索 安心ナビ フルブラウザ Bluetooth
W32SA WIN
W31CA WIN
W31T WIN
A5511T 1x
A5512CA 1x

地上デジタル放送を見据えたアナログテレビ

 夏モデルが特に力を入れたのが、オーディオ・ビジュアルの部分だ。

 三洋電機製「W32SA」、東芝製「A5511T」は、auで初めてアナログテレビを内蔵した。携帯へのテレビ内蔵では、ボーダフォンが先行しているが、2005年度中にも始まる「モバイル向け地上デジタル放送」(1セグ放送)への対応をにらむ。「まずはアナログからスタートしてコンテンツとの連携を目指す。地デジも当然やっていこうと思っている」(au商品企画本部長の井上正廣氏)

 KDDIは、放送とコンテンツの連携を「FMケータイ」投入時から進めており、テレビ内蔵もその延長線上にある。今回はテレビ画面下部に、「お知らせウィンドウ」というバナーを設けた。ここから、放送局が番組に連動したコンテンツへのリンクを設定する。

 「FMケータイから始めて、(各放送局との)連携モデルを模索してきた。(今回のテレビでも)38局に『お知らせウィンドウ』を使ってもらっている。(テレビ内蔵は)他社もやっているが、お知らせウィンドウはKDDIだけだ」(コンテンツ・メディア事業本部長の高橋誠氏)

 高橋氏は、「デジタルテレビ(1セグ)でもここを使ったモデルを構築しなくてはならない」と話す。こうした放送との連携を仕掛けていくのは、コンテンツへの誘導方法が変わってきているからだ。「放送でトリガーをかけて、コンテンツをダウンロードさせる。オンデマンドだけでは、これからはいけない」(高橋氏)

携帯に音楽を“聴かせて”、曲検索

 音楽についても、夏モデルには新機能が追加された。テレビや街中で流れている音楽を携帯に聴かせることで、局名を検索できるという「聴かせて検索」だ。6月中旬に開始予定で、月額210円を予定している。

 メディアソケットが開発したBREWアプリを使い、米Gracenoteの楽曲データベースから曲を検索する。

 手順はこうだ。まず検索用アプリを立ち上げて再生ボタンを押す。音声発信の電話番号が表示されるので、ここで電話をかける。電話先には「聴かせて検索」のサーバがあり、回線交換で接続する形だ。6秒から15秒ほど“電話”で楽曲を聴かせると、サーバが楽曲を特定。BREWアプリの画面に曲名のほか、着うたダウンロードへのリンク、CD販売へのリンクが表示される。

 テレビ閲覧中も曲検索が可能。こちらはいったん携帯電話側で音楽を取り込んでデータ化し、パケット通信でデータベースに送信する形を取る。

 検索には曲の特徴点を使い、メロディなどには依存しない。カラオケや着メロではうまく検索ができず、ライブ放送も不可。CDのデータが検索のベースとなっている。いずれも「99%以上の高確率」(井上氏)で検索が可能だという。

大切な家族の居場所を確認〜「安心ナビ」

 「安心ナビ」はGPS機能の強化にあたる。A1000番台を除く、ほとんどのau端末はGPS機能を持っているが、ユーザー自身が自分の位置を知るという使い方が基本だった。安心ナビは、“大切な家族の居場所を確認”するのが基本コンセプトだ。

 機能は大きく3つ。「位置確認メール」は、事前登録する必要なく、自分のアドレス帳に登録している相手に位置確認のメールを送信し、相手が同意すると相手の居場所を確認できる。検索する側、される側とも1回につき3円の料金がかかる。

 「いつでも位置確認」は、事前に登録した相手を自動で位置確認できる機能。子供の帰りが遅いとき、迷子になったときなどに居場所を確認できる。位置確認を拒否する設定なども行える。料金は「位置確認メール」と同じだが、検索する側は月額315円が別途必要となる。

 「安心ナビ エリア通知」は、設定したエリアに入った(出た)ら、自動で家族などのau携帯に通知する機能。例えば位置に「学校」、時間に15時と設定しておくと、15時すぎに学校を出た場合に、設定した携帯電話にメッセージが入る。

 15時を過ぎるとアプリが起動し、約10秒間隔でGPS測位を実行。学校エリアから離れたことが分かるとメッセージを送信する仕組みだ。設定時刻から最大2時間後まで測位は続けられる。電池の持ちが気になるが、「10時間連続で測位しても、電池は3分の2以上残っている」(説明員)という。また環境によってGPSの精度が異なるため、一口に“学校エリア”といっても距離は動的に変更する。GPS電波が直接取得できる場所では精度が高いため、半径200メートルをエリアとする。GPS電波が弱く、基地局と連携して測位する状況では半径1キロをエリアとする。

フルブラウザ〜2機種に搭載

 PC連携の面では、2004年末の「W21CA」に続き、「W31CA」「W31T」がフルブラウザを搭載した。

 W21CA投入以来、「明らかにトラフィックは増えている。ニーズは高い」と高橋氏。今後、課金をベースとしたコンテンツはEZweb、閲覧中心はPCサイトと、「棲み分けを考えながらやっていきたい」(高橋氏)とした。

 なお、今回のフルブラウザもOpera。「Opera以外にも提案を受けている。しかし、自由にブラウザをダウンロードできる時代には少し早い」(高橋氏)

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