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» 2005年06月10日 20時28分 UPDATE

ケータイ小説の「女王」が企業から注目される理由 (2/3)

[杉浦正武,ITmedia]

 ケータイ小説と紙の小説とは「全然違う」と内藤氏。「携帯は、短い言葉で収めなければならない。『そこで私は、こわごわ振り向いた』なのか『そこで私は、振り向いた』なのか、といったように表現も変わってくる」

 内藤氏は、5行以内に改行を入れるようにしていると話す。携帯画面の表示は1行がおおむね8〜10文字なので、40〜50字で1行改行される計算だ。「サクサク改行して読みやすくする」

 小説のテーマも、慎重に選ぶ必要がある。例えば「Deep Love『アユの物語』」は、援助交際をする17歳の少女の話だった。内藤氏の「いじわるペニス」も男娼の話。多少、“夜の街の刺激的な話”のほうが興味をひく、という面はある。

 「私の小説を読んでいるのは、20代から30代の女性が多い。そういう女性は、(アダルトな描写が含まれる)本を持っていたら恥ずかしいので読みたくても読めない場合がある。携帯書籍なら、ブツが家にないし、彼氏に見つかることもない」

 内藤氏は、小説にアクセスが集まる時間帯が24時台に集中していたことも紹介する。

 「夜、寝る前のひそやかな楽しみになっているのではないか」。こうしたユーザー動向も理解する必要があるとした。

ケータイ小説の未来

 ケータイ小説には、さまざまな可能性が秘められている。まず、単純に書き手として実験的な表現手法を試すことができる。

 例えば携帯では、表示画面で文字の色を変えられる。これをヒントに、男性と女性のセリフをそれぞれ青字と赤字で表記するようにしたこともある。

 あるいはボタンを配置して、押すとイラストが表示されるようにしたこともある。「先日は、においも通信で伝えられるというニュースがあったが(5月23日の記事参照)、これを取り入れて『読んでいるとキャラクターの体臭がただよってくる』ようにできないか」(笑)

 読者とのリアルタイムな交流が図れるのも、ケータイならでは。例えば「ラブリンク」では兄弟のキャラクターが登場するが、読者から「兄がいい」というメールでの反応が多かった。そこで、「私は弟が好きなのだが」(笑)兄の出番を増やしたこともあったという。

 もう1つの可能性は、企業がケータイ小説に注目しているということだ。実は、前述の内藤氏にオファーを出した6社のうち、5社は携帯サイトで小説を執筆してくれないか、というものだった。

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