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» 2005年07月05日 19時09分 UPDATE

WiMAX&Wi-Fiの挑戦は旋風を起こせるか? (1/3)

既報のとおり、平成電電とドリームテクノロジーズが2006年にもWiMAXとWi-Fiを組み合わせたデータ通信サービスを開始する。技術面、ビジネスモデルともに興味深いものだ。

[杉浦正武,ITmedia]

 既報のとおり、ドリームテクノロジーズと平成電電は2006年にも、WiMAXとWi-Fiを組み合わせた全国向け高速データ通信サービスを開始すると発表した。両社が出資するジャパンワイヤレスがサービス主体になり、全国15万〜20万カ所に無線アクセスポイント(AP)を設置する。サービス価格は「既存事業者の半額で使い放題を実現する」とうたうが、詳細は未定。

Photo 左から、平成電電の佐藤賢治社長とドリームテクノロジーズの山本勝三社長

 平成電電の全国3万3000キロの光ファイバーバックボーンを利用し、無線の基幹網としてWiMAXを使用する。WiMAXをラストワンマイルに利用する場合もあるが、基本的な足回りにはWi-MAXの先につながるWi-Fiを利用するかたち。「狭い地域ではWi-Fiを利用する。木でいうと“葉”の役割で、枝の部分がWi-MAXだ」(ドリームテクノロジーズ)。

 WiMAXは、モビリティに優れた規格であるIEEE 802.16eを採用する。同技術では1APあたり2〜3キロをカバー可能で、時速120キロ程度の高速移動環境でも通信が可能。最大通信速度は、75Mbpsとなっている。

 Wi-Fiには従来のIEEE 802.11a/b/gおよび“日本向け無線LAN規格”ともいわれるIEEE 802.11jを利用する。屋内では11a、屋外では11gというように状況に応じて使い分ける考えだが、注目はMIMO(Multiple Input Multiple Output)の技術を導入していることだ。これにより通信速度、通信可能範囲が向上するという。

 具体的には「最大108Mbps、半径600メートルの通信を実現する」(ドリームテクノロジーズ)。この技術は「既にテストも終わっており、本当は今日会場で見せようかとも思っていた」(平成電電の佐藤賢治社長)という仕上がりぶりだという。

Photo MIMOの技術概要
Phot 会場に展示されていた、アクセスポイントなどの機器群

 政令指定都市などからインフラを構築し、2006年上期には人口カバー率を50%にする。2007年8月には、人口カバー率80%を目標にするという。

 各社の役割分担は、ジャパンワイヤレスがAPの設置を行い、同社に55.5%出資するドリームテクノロジーズがAPの開発を行う。平成電電は同社に37%を出資し、バックボーン提供、オペレーションの補助を行う。ほかにオープンループが3.7%を出資し、ネットワークセキュリティを担当する。

新技術「MIMO」とWiMAXの組み合わせ

 今回のサービスは、技術面とビジネスモデル面、両面から興味深いものになっている。まず技術面では、前述のとおりWi-FiにMIMOを導入。108Mbps+600メートルという通信を実現した。これにより、アクセスポイント数が飛躍的に減少する。

 「従来のWi-Fiでは、全国カバーに必要なアクセスポイント数が1000万カ所といわれていた。これでは投資金額が1兆円になる。しかしMIMOを導入したWi-Fiでは、通信距離が10倍に伸びる。面積でいうと10×10の100倍になる。1000万カ所が、100分の1の10万カ所ですむ」(ドリームテクノロジーズの山本勝三社長)

 現実にはもう少し多くなるが、それでも15万〜20万カ所ですむと山本氏。投資金額は1兆円から大幅に減り、100億〜300億円で済むという。これが最終的な低価格化にもつながるというロジックだ。

 山本氏はさらに、WiMAXにMIMOを組み合わせる計画もあると話す。

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