おサイフケータイで少額決済市場を狙う──ドコモの平野氏ワイヤレスジャパン2005:

» 2005年07月14日 16時20分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 おサイフケータイを他キャリアに先駆けて投入したドコモ。その普及台数は6月18日時点で412万台に達し(6月6日の記事参照)、500万台も目前だ。P901iSシリーズ以降、ドコモのハイエンドモデルに標準搭載されることや、他キャリアもサービスを開始することから、おサイフケータイは本格的な普及機に入ると見られる。

 NTTドコモのマルチメディアサービス部アライアンス担当部長の平野敦士氏が、おサイフケータイの現状と今後の課題、クレジットカード事業参入の狙いについて話した。

 生活インフラのツールとして本格的な普及期に入ろうとしているおサイフ携帯。「来年3月末には1000万台に到達するのではないか」と、その普及台数に期待を寄せる平野氏は、「今後5年はおサイフケータイを軸に新しい分野とのアライアンスを進める」と話す。

 iモードには端末の機能を向上させるという「縦の進化」と、さまざまな企業と提携して新しい付加価値を見いだしていく「横の進化」があり、これからは後者がより重要になると平野氏。「新たなブースターとなる企業と組んで、ドコモだけではできないノウハウや人材を利用して新マーケットを開拓する」。こうした戦略で、ドコモが掲げるバーチャルとリアルの連携を加速させたい考えだ。

リスクを取って、手つかずの少額決済に踏み込む

 ドコモの今後のおサイフケータイ戦略の中で重要な位置を占めるのが、クレジットカードとの連携だ。既に三井住友カードとの業務・資本提携が決まっており、新しいクレジットカードブランドの立ち上げと、決済インフラの構築を行うとしている(4月27日の記事参照)

 ドコモがまず狙うのは、3000円以下の少額決済市場。ドコモの調査によれば、主要小売14業種の売上げ68兆円のうち、少額決済は27兆円。これだけの市場規模がありながら手つかずなのは、手数料などを考えたときに儲かるとは考えにくいためだが、「積極的にリスクをとって新しい業界に入っていく」と平野氏は意気軒昂。少額決済をクレジットカード+おサイフケータイで拡大させ、高額決済へとつなげたい考えだ。

 ドコモの調査によると、3000円以下の少額決済はコンビニやスーパーでの利用が多い。この部分で、かざすだけで後払いできる「おサイフケータイ+クレジットカード」が使えたら確かにユーザーから見ても便利だ。「(まだ具体的には何も決まっていないが)ポストペイドの利用料金は電話料金と一緒に回収することも考えられる」といい、多彩な少額決済を検討中であることを示唆した。

リアル店舗を“勝ち組”にするおサイフケータイ

 平野氏はおサイフケータイの利用意向に言及し、ユーザーの意識は高いという。使う前には紛失や盗難、セキュリティに対する不安を感じるユーザーが多いものの、一度使うとその利便性に魅力を感じて「スマートでかっこいい」「便利」という声が増えるという。週に1回以上使うユーザーは58%に上り、今後も使いたいというユーザーは9割に達している。

 ユーザーだけでなく、おサイフケータイに対応した企業の満足度も高い。例えば電子マネーEdyは、おサイフケータイとカードを比べると平均利用額、チャージ額共におサイフケータイが上回っており、コンビニエンスストアのam/pmはおサイフケータイの利用金額の平均単価が現金に比べて19%高いという結果が出ているという(7月13日の記事参照)

 おサイフケータイは、リアル店舗の救世主になるというのが平野氏の考えだ。「インターネットの普及で、ユーザーがさまざまな情報を持つようになった。こうした時代にはマーケットのニーズをつかんだ商品開発が求められ、ニーズへの素早い対応が求められる」

 携帯電話は常にユーザーが身につけているものであり、てメールやインターネットなど顧客に応じたインタラクティブな機能がある。「こうした手段を使って集めたフィードバックを素早く反映させることで、市場に密着した商品開発やマーケティング戦略を行える」(平野氏)

 CRMや会員向けサービス、電子マネーによる少額決済などの連携がおサイフケータイで実現でき、把握した顧客情報に基づいた企業戦略を立てられることが、リアル企業の反撃手段になると説明した。

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