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» 2005年11月15日 08時48分 UPDATE

韓国携帯事情:ギミックの宝庫。韓国新端末、秋の陣

マルチメディア機能の強化から、画面を横にできる端末が増えた。最近ではさらにユニークなギミックが発表されている。さらに海外へも広がりそうな気配も見える。

[佐々木朋美,ITmedia]

 韓国で根強い人気のAnycall(Samsung電子)の「横本能」シリーズ。元祖「横画面携帯」ともいえる端末だ。そして11月に入り、ついにその第3弾「SCH-V700」が発売された。

画面横倒しが人気の「横本能」シリーズ──第3弾

 SCH-V700は、QualcommのMSM6500チップ(2004年7月12日の記事参照)を採用することで、相手の顔を見ながらの「テレビ電話」が可能となっている。また映画を携帯電話にダウンロードして見られる、SK Telecomの「Cizle PMP」サービスに初対応したのが特徴だ。

kan1.jpg SCH-V700。付属のケーブルを利用すればテレビへの出力も可能なので、ダウンロードした映画を大画面で楽しむことも可能となる

 横本能シリーズが最初に販売されたのは、2004年8月。「SCH-V500」が最初となる。画面が横になるという、それまでになかったアイディアが好評を得て「横本能」は一躍ヒット商品となった(7月19日の記事参照)。そしてそれに応えるように、今年3月に第2弾「SCH-V600」、同10月に衛星DMB(デジタルマルチメディアブロードキャスト)「横本能」フォン「SCH-B250」が続けて販売されている。

 画面が横になることで得られるメリットは、テレビ画面のように横長のワイド画面でコンテンツを楽しめる点にある。SCH-V500やSCH-V600も、VODやゲームといった動画コンテンツを楽しめるのを最大のポイントとしている。

 横本能のデザインは、携帯電話にMP3やカメラ機能が付いてさえいれば高機能と言われる時代からいち早く脱却を図り、マルチメディアをより見やすくすることに重点を置いたという点で画期的だった。

 こうした「横本能スタイル」ともいえるデザインは、自社および他社の携帯電話にも取り入れられている。例えばAnyacallの「SCH-B200」や、CYONの「LG-KB1300」など、長時間に渡って映像を見る必要のある衛星DMBフォンに採用されることが多い。

 またSamsung電子では、同様のスタイルの携帯電話を海外向けにも販売しており、横本能スタイルは世界へ向けて投入されている。

VKの両方向リボルバーフォン、EVERの非対称回転フォン

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VK Mobileの「VK600C」。閉じている際は、すっきりとした印象。10〜20代の若者層をターゲットとしたデザイン重視の製品だ

 VK Mobileからは、画面が左右の両方向に回転するリボルバー携帯「VK600C」が販売された。画面が左右両方向に180度回転するというリボルバー携帯だ。

 またVOD/MODに対応していながらも、30万ウォン(約3万円)台という手ごろな価格も魅力の1つだ。マルチメディアを楽しみやすいよう、画面には2.2インチのTFT液晶を採用。もちろん画面を横にして動画などを楽しめるようになっている。

 VK600Cは米国市場でも登場する予定だ。VK Mobileは後述の「HELIO」と、米国市場向けに改良した「VK650C」を供給することで合意している。この契約によりまずは5万台が輸出される予定で、お目見えは来年早々になるという。

 HELIOとは、SK Telecom(以下SKT)とEarthLinkが、2004年に株式を50%ずつ出し合って設立したジョイントベンチャー「SK-EarthLink」のことだ。今年10月末、「HELIO」ブランドの発表とともに、ジョイントベンチャーの名前もHELIOに統一した。米国での本格的な商用サービスの開始は来年上半期とし、目下準備を急いでいる。

 KTFTのEVERからは画面を自由自在に回すことのできる、名付けて「ツイストデザイン」のKTF-TR2000が販売となった。

 KTF-TR2000の大きな特徴は画面を180度、自由自在に回転できる点だ。特に画面を90度に裏返した際、画面とキーパット部分が微妙にずれるような造りとなっており、これにより一部のキーが画面の下にはみ出すという非対称さがポイントだ。このはみ出した分のキーが動画などの再生/停止といった役割を果たすので、よりコンパクトな状態で操作が可能となるわけだ。

kan3.jpg KTF-TR-2000。90度回転させた画面の下に、「1、4、7」のキーがはみ出しているのが見える。このはみ出したキーで、撮影および音楽を聴く際などの操作を行う

 さらにKTFTでも米国進出が最近になり具体化した。KTFTは昨年に米最大手の流通業者であるUTStarcom/Audiovox Communicationsと、携帯電話の供給に関する契約を行い、10月末に同社に対する輸出量を確定した。KTFTは来年、計200万台以上の携帯電話を米国市場へ投入する。

 KTFTの米進出により、SKYブランドを除いた主要な韓国メーカがすべて海外進出を果たすこととなった(1月26日の記事参照)

 携帯電話でマルチメディアを楽しむ傾向が強まるにつれ、携帯電話の画面も「横」を重視してきている。ただし単に横にするだけでなく、より見やすい状態を追求することで、さまざまなギミックが生まれている。新端末3つだけでも三者三様のスタイルで、さらにそれが海外へも発信されてきているという点は注目に値する。

 ギミックの宝庫ともいえる韓国。画面を横にするというだけでも、多くのデザインやギミックが生まれている。今後はどんな仕掛けが飛び出すのか、楽しみだ。


佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。

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