携帯はオーディオプレーヤー替わりになれるか? Vol.5:結論:音楽携帯だけで生活できるか

» 2005年12月22日 14時33分 公開
[北島武仁,ITmedia]

 ここまでに「P901iS」「W31S」「803T」の3機種を例に挙げて、ポータブルオーディオプレーヤーとしての使い勝手をチェックしてきた。いずれの製品も、やや惜しいところはあるものの、十分にポータブルプレーヤーの代わりを務めうるポテンシャルは持っている。

 ポータブルオーディオプレーヤーは欲しいけれど、携帯電話も買い換えたい──と思っている人であれば、試してみる価値は十分にある。また、今使っているオーディオプレーヤーからの乗り換えを考える場合には、使用中の管理/転送ソフトとの「実力の違い」を中心に検討するのがいいだろう。

 携帯電話は、モバイルデバイスとしては高解像度/大画面の情報表示スペース(ディスプレイ)と、豊富な操作キーをもともと持っているわけで、小型化/低コスト化が非常に厳しい単体のポータブルプレーヤーに比べると、この点の制約はずいぶん少ない。操作性の面では、極端に小型化/低コスト化された一部のポータブルオーディオプレーヤーよりもはるかに優秀だ。しかも、当たり前のことだが携帯電話なのだから、電話、メール、PIMなどなど、多彩な機能を同時に備えてくれる。トータル機能の豊富さと機能とサイズのバランスの優秀さは単体のプレーヤーでは太刀打ちはできないだろう。

 ただし、今の時点ではまだまだ難もある。

 第1の難点は、やはりコスト面だ。単純な比較は難しいが、携帯電話の本体価格とiPod nanoの4Gバイトはかなり近い価格帯にはある。しかし携帯電話の場合は、別途メモリカードのコストが必要だ。さらに対応する容量も最新のFOMA 「902i」でも1Gバイト。機種によっては128Mバイトと決して大きくはない。

 第2の難点は、単体のプレーヤーに比べると、PC連携機能の面でまだまだ劣っている点だ。初回にも書いたように、ポータブルオーディオプレーヤーの場合、「デバイスの完成度が高い=よい製品」ではまだまだ不足。「デバイスとソフトウェアの完成度が高い=よい製品」というのが理想のスタイルになる。これを高いレベルで実現したのがiPod+iTunesであり、その点が広い支持を集めた下地だろう。

 今回取り上げた3製品の場合、W31Sが利用する「SonicStage」は最新版でかなり強化され、「iTunes」や「Windows Media Player 10」に近づきつつある。しかしP901iSが使う「SD-Jukebox V5」はプレイリスト自動作成機能がなく、803Tが利用する「Beat Engine」は単体では管理機能を持たないソフトに留まっている。

 また3製品ともに、PCとの自動同期機能は持っておらず、ファイルの転送は手動で行う必要がある。転送機能の使い勝手自体は決して悪くはないが、自動同期に慣れてしまった身からすると、PCにつなぐだけ/クレードルに置くだけで、デバイス内のコンテンツがリフレッシュできる、という快適さがないのはちょっと面倒ではある。

 何十Gバイトもの記憶容量を持つHDDタイプのプレーヤーに比べると、携帯電話のオーディオプレーヤー機能は容量面で明らかに負けている。このマイナス分を補うには、PCとのスムーズな連携を実現するのが必要だろう。メモリカードを複数持つ、という方法も考えられるが、コストやメモリーカードを持ち歩く手間を考えると、あまりスマートとはいえない。

 今回紹介した3製品については、いずれもハードウェア側の機能、使い勝手の面では、単体のポータブルプレーヤーと遜色のない、非常に高いレベルに到達していると思うので、今後はPCソフトウェア面での強化と使い勝手の向上を、さらに進めていってほしいところだ──もっとも、これは携帯電話に限らず、ポータブルプレーヤー全般にいえることだが。

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