「neon」は、“そぎ落として”作ったケータイ

» 2006年01月19日 23時04分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 「INFOBARが注目されたので緊張しました。簡単にはできない仕事です」

 そう笑って登場した深澤直人氏。思い起こせばau design projectは、深澤氏が手がけた「INFOBAR」とともに始まった。ストレート型のスタンダードを確立したINFOBARの次は、折りたたみ型のスタンダード。そんな想いの中、ほぼ2年をかけてau design project第5弾となるneonは誕生した。

 「neonは、形としてのデザインではなく、表示体に新しい考えを盛り込みました。『ネオンみたいだねぇ』と、開発のときに盛り上がり、名前もそのままneonに」

 これがneonの基本コンセプトだ。表示体に選んだのはLED。16個のLEDで1文字が構成され(16セグ)、8文字×2行が背面の“内側”に隠されている。

 「LED──これがシンプルなプラットフォームを作った理由。何もないところに文字が浮かび上がる」

 neonを開けたり閉めたりしてみよう。何もなかった真っ平らな背面に、赤い光で文字が浮かび上がる。赤いLEDが紡ぎ出すのは、時計や再生中の楽曲名、電池残量/アンテナ感度、FMラジオの受信局、着信中の相手の名前など。さらに、楽しめるアニメーションも多数登録されている。パターン数は実に142種類だ。携帯のプロフィール欄に自分の誕生日を記入しておけば、誕生日に「HAPPY BIRTHDAY」と表示される可能性が高まる──という小技も効いている。

 充電台に載せたときもLEDは活躍する。

 「ケータイは家に帰って机に置いたときから、携帯しなくなるわけですが、そのときはクロック──置き時計として使える」

 neonを作っていく中で、最も難しかったのはどこなのだろうか。

 「表示体(LED)を作り込む部分ですね。──かなり難しい(笑)。イメージ通りになるまで、トライ&エラーを繰り返しました」

LED──表示体のために“そぎ落とす”

 「これ以上、そぎ落としたものはたぶんない。機能をそぎ落としていく製品開発」

 主役は表示体(LED)。そのキャンバスとなるボディは、可能な限りシンプルになるよう、そぎ落としていく作業だったという。そんな中でも、次の点は気をつけたという。

 「適度な丸みを持った角と、艶やかな色」

 neonを立てて正面から見ると、1色の白い板にしか見えない。そんなシンプルな造形だけに、細部の作りが重要になったということだ。

 「単純にすればするほど、デザインの破綻が目立つようになってしまう。破綻が多ければ目立たないが……」

 見た目だけでなく、携帯としての使い易さにも気を遣っている。

 「ストイックに四角く作りすぎると、指が入らなくなって開かなくなる。キーはフラットだけど、押すと触感でポジションが分かる」

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