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» 2006年04月19日 22時57分 UPDATE

韓国「チョコレートフォン」は日本に上陸できるか

日本への進出が続く韓国メーカー。しかしLGやPantech&Curitelのように、「低価格で小型」路線の機種をリリースするにとどまるメーカーもある。ユーザーは個性的なモデルを望んでいる。

[杉浦正武,ITmedia]
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 「いま韓国で人気があるのは、チョコレートフォンだ」

 ドコモのSIMPURE L開発を手がけた韓LGのスタッフは、口を揃えてこう話す。LGがドコモにさらなる新機種を供給するとして、どの端末が面白いか――という仮定の話をしたときの、彼らのイチ押しが“チョコレートフォン”だ。「販売から3カ月で、合計30万台を売り上げた。デザインが優れていると評判になっている」

 チョコレートフォンとは、2005年11月に各キャリア向けに「LG-SV590/KV5900/LP5900」の名称でリリースされたLG製端末だ。デザイン性の高い携帯シリーズ「Black Label」の第一弾で、日本でいうならau design projectにあたる端末といえる。バレンタインデーには本体のシルバー色部分を金色にした「ゴールド・チョコレート」が限定発売されたほか、ホワイトデーには「ホワイト・チョコレート」(2月28日の記事参照)がリリースされるなど、ちょっとしたブームになっている。

Photo こちらはホワイトチョコレートフォン。キーからほのかにラベンダーの香りが漂う「アロマ機能」も備えている

 海外進出も決まったようで、既に中国での先行発売も始まっている。このあたりは山根康宏氏のブログに詳細が書いてある。LGのスタッフが非公式の場とはいえ「日本でも出してはどうか」とアピールしてしまう気持ちも分かる。

 LG電子の情報通信事業本部 安長石常務は、自らの持っている「スポーツカーケータイ」こと「SD410」(2005年5月30日の記事参照)をカバンから取り出しながら、これなども特徴的な端末だと話す。「スポーツカーのように、流線型のデザインを採用している。端末の開閉の際にはエンジン音がするなど、こだわっている」

Photo スポーツカーケータイこと「SD410」。確かに上から見ると、スポーツカーのように見える

 SD410はデザインだけでなく、面白い機能も備えている。「飲酒測定機能」がそれで、本体横に付いているセンサーに息を吹きかけると飲酒量を測定するという機能だ。結果は「運転しても大丈夫です」「事故の危険性が高いです。絶対に運転しないでください」などのメッセージとして表示される。これも車好きのユーザーに所有してもらうことを想定した機能といえる(2005年7月25日の記事参照)

 安氏は、ドコモは200機種以上のLG端末の中から「どれを日本向けにリリースするか」選べると話す。「LGの端末には、デザインにもバラエティーがある。その気になれば、いろいろと変わったものを紹介していけるのではないかと思う」。LGならではの魅力的な端末を、続々と提供したい意気込みが伝わってくる。

 だが一方で、ドコモの関係者からは「現時点では、SIMPURE L以外のLG端末をリリースするとは決まってはいないはず」と冷静なコメントも聞かれる。

「安いだけ」よりも「とがった端末」を求めるユーザー

 SIMPURE Lも、魅力的な端末には違いない。国際ローミングサービス「WORLD WING」に対応している点もポイントが高い。しかし、現実にそれだけで端末が売れるかというと、疑問符がつく。例えばC-NEWSが3月11日から12日にかけて実施した調査では、少々厳しい結果が出た。購入意欲をパーセンテージで問う調査を行ったところ、購入に前向きと考えられる「70%以上」の購入意欲を持つユーザーは、全体の4%に留まっていた(3月23日の記事参照)

os_simpure-2.gif 質問:「SIMPURE L」に対する購入意欲をパーセンテージでお答えください。(0%ぜったい購入しない/〜25%たぶん購入しない/〜50%どちらともいえない/〜75%たぶん購入する/〜100%ぜったい購入する 母数:400人)

 もちろん、C-NEWSの調査が全てではない。ただ、ITmediaがGfK Japanの協力を得て提供している「携帯販売ランキング」で見ても、10日〜16日の集計データでSIMPURE Lはトップ10に顔を出していない。少なくとも、チョコレートフォンの順調な売れ行きとはいく分差があるように思える。

 同じく韓国メーカーのPantech&Curitelも、au向けに新機種「A1405PT」を供給した。SIMPUREシリーズ同様、低コストで小型軽量……という路線の端末だが、こちらもITmediaの携帯販売ランキングでは一度もトップ10に顔を出していない。いくら開発コストを抑えたとはいえ、売上が相対的に少なければ大成功とはいえないだろう。

 先日ITmediaが実施したauメーカーイメージ調査では(4月18日の記事参照)、Pantech&Curitelのデザインが優れており、今後に期待すると一定の評価をするユーザーが目に付く一方で、やはり「もっと冒険すべきだった」という声も多かった。

 「韓国らしさを前面に出してもらいたいような気がする」「すごく中途半端な印象が残った。次があれば期待」「韓国製端末としての個性がなさすぎ。もっとクセがあってもよいのではないか」。中には「韓国国内で発売してる機種との力の入れ具合が、ひどく差があるように思える」という、手厳しいコメントもあった。

 日本では、どのメーカーがどのようなラインの新機種を開発するかは、携帯キャリアがほぼ決定権を握っている。キャリアとして低コスト端末のラインを揃えたい考えもあるだろうが、韓国メーカーには日本のメーカーにはない機能、そしてデザインセンスがある。「せっかく韓国メーカーが参入するなら、今まで日本があまりださなかったような端末がほしい」という意見に同意するユーザーは、少なくない。

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