W44Sのコンセプトの1つとなる“2面性”。改めて確認すると、それは随所に散りばめられている。
などが挙げられる。
W44SはBlack、Silver、Oliveの3色で展開する。ちなみにヒンジの部分は本体と同色には塗られていない。これは上記の理由から、“あえて”だった。
「アクセントを表現したかったパーツなので、複雑な色はあまり施さないでおきたかったのです。なるべく金属質に見せるため、アルマイトをかけたような色を採用しました」(平野氏)
そのため“金属質を表現するための色”になっている。
ただし、Oliveのみヒンジの色が異なることにお気づきだろうか。BlackとSilverは金属質な銀色調だが、Oliveのみ若干シャンパンゴールドの色合いを含めた、やや鈍い色になっている。
オリーブ色は軍用服の迷彩色などにも使用されるためにミリタリー調になりがちな色だが、W44SのOliveはそのような印象は受けない。「気品があるように見せたかった」(平野氏)という考えから、Oliveのみもう1段階“思い”が込められたためだろうか。
また、各カラーによってキーバックライトの色も異なる。
都会的・先進的なイメージを表現するBlackは紫、いわゆるインダストリアルデザインの王道で、ハイエンド機としての印象を強く表現するSilverは白、今までになかった色だが突飛せず、そこにラグジュアリー/ファッショナブルさを表現するOliveはシャンパンゴールドに光る。LEDそのものは同色だが、1枚プレートを重ねることで色の違いを表現したという。前モデル「W43S」は背面で光る“あかり”を大きな特徴としていたが、この光りによる演出は、“言われなければ気がつかない”粋なところで続いていた。
折りたたみ型の携帯にはごく普通にあるものであり、特徴的な機能やカタログに載るスペックとしても記載されることもさほどない「ヒンジ」という部品。同社は、液晶が横180度に回転するドコモ向け端末「SO505i」など今までなかった特徴的な機構を開発することでも知られるが、一般的に地味な部類に入る部品をデザインの軸に据え、色にまで“思い”を込めた。
「実物を見ていただくと、受ける印象もまた変わりますよ」(藤原氏)
購入を予定するユーザーはもちろん、写真で見て否定的な考えを持ったユーザーもauショップや量販店の携帯コーナーなどで実機に触れてみてほしいという。その時どのような印象を受けるか、それが物欲が沸くか否かへ直結してくるに違いない。
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