海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「香港のSIMカードを中国で使う」編「アクセス制限なし」な海外定額データ通信(1/2 ページ)

» 2012年06月25日 17時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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「香港のプリペイドSIMカードを中国でお得に使う」方法

photo 今回は、中国でも定額データ通信で利用できる香港のSIMカードを使ってみる

 海外に行ったら現地でプリペイドSIMカードを購入し、現地の割安なデータ通信環境を入手するための方法を本連載でお届けしてきた。だが、渡航先によっては販売方法や使い勝手の違いなどから現地での入手が難しいケースもある。

 例えば中国は、場所によって英語が通じにくく、料金プランが複数あることなどから購入の難易度は他国より高め。さらに、仮に現地SIMカードを入手できたとしても現地ネットワークを経由したネットアクセスになるということは、TwitterやFacebookなどの海外SNSサービスや日本の一部サイトなどが規制により利用できない不都合も存在する。

 ではどうするか。実は中国本土ではなく、香港のプリペイドSIMカードを入手して中国で使う手段がある。香港のプリペイドSIMカードの一部は中国でも利用可能で、しかもデータ定額サービスを利用できる。

 というわけで、香港経由で中国入りするならば、香港到着後に香港でプリペイドSIMカードを入手してそれを中国本土で利用するとよい。直接中国へ渡航する場合はちょっと対象から外れるので手軽・簡単な手段ではないのだが、例えば香港旅行へ行く知人などがいればその機会にSIMカードを買ってきてもらい、中国で利用するといったことはできそうである。

 さて、1997年にイギリスから中国に返還された香港だが、政治・経済は中国本土とは分離された「特別行政区」として独立している。そのため香港の通信事業者も中国本土とは別の企業が事業を行っている。ただ、そのうちの1社は中国最大の通信事業者である「中国移動(China Mobile)」が買収し、子会社に。中国2位の通信事業者である「中国聯通(China Unicom)」も、香港でMVNOとしてサービスを展開している。

 ともあれケータイ天国とも言われる香港、その各通信事業者はプリペイドSIMカードも複数種類発行しており、国際電話が安いもの、データ通信料金が安いものなど多彩なラインアップがある。

 この中に、今回のテーマとした「中国でも使えるデータ定額制の香港のプリペイドSIMカード」もある。ちなみに、香港のプリペイドSIMカードを中国本土で利用する場合は(中国本土側から見ると)「海外SIMカードの国際ローミング」扱いとなるので、中国発行のSIMカードでは規制されてしまうSNSや日本のサイトへのアクセスも問題なくOKという、かなり大きなメリットがある。

香港と中国の携帯電話事業者  
中国 中国移動(China Mobile)、中国聯通(China Unicom)、中国電信(China Telecom)
香港 CSL、Hutchison、SmarTone、PCCW、中国移動香港、中国聯通香港(MVNO)
2012年6月現在

中国でのデータ定額は、国際ローミング利用でも約1000円/日から

photo 香港の街中にあるHutchisonの店舗

 香港でシェア2位のHutchison(ブランド名は「3」)が販売するプリペイドSIMカードのうち、3Gタイプのものが海外でもデータ定額サービスが利用できる。

 国際ローミングでの利用は、日本を含む17カ国は168香港ドル/日(2012年6月22日現在、日本円換算で約1740円 以下同)だが、中国とマカオは98香港ドル/日(約1014円)と約1000円ほどで定額利用できる。中国本土の現地価格よりは割高だが、日本の通信事業者が用意する国際ローミング利用料金よりはかなり安価。また、プリペイドのために使いすぎる心配がないのも安心だ。

 このHuchisonのプリペイドSIMカードは、香港国際空港の出発ロビーや街中にある「3」の看板を掲げた店舗、あるいはコンビニエンスストアで購入できる。中国本土で前述した約1000円/日のデータ定額プランを利用するなら、以下どちらかのプリペイドSIMカードを探してほしい。

  • 3G Internnational Roaming Rechargeable SIM Card(以下、3Gタイプ)
  • HSDPA Broadband Access Rechargeable SIM Card(以下、HSDPAタイプ)

photo SIMカードは左の赤いパッケージが「3G Internnational Roaming Rechargeable SIM Card」(3Gタイプ)、右の白いパッケージが「HSDPA Broadband Access Rechargeable SIM Card」(HSDPAタイプ)である

 これら、売っていればどちらでもよいのだが、両方あったなら白いパッケージのHSDPAタイプを選ぶ方が少しお得である。理由は後述する。

 価格は3Gタイプが98香港ドル(約1014円)、HSDPAタイプは68香港ドル(約704円)や98香港ドル(約1014円)など複数の残高入りタイプがある。一応、中国で国際ローミングでのデータ定額を利用するならば、最低で98香港ドル/日以上の料金(残高)が必要なので、ひとまず初期購入するプリペイドSIMカードだけでは残高が足りない。このため、料金・残高を追加するRecharge Cardも渡航日数に応じて一緒に買っておこう。Reharge Cardは100香港ドル分、200香港ドル分、300香港ドル分の3種類がある。

 利用開始手続きは、最初に携帯電話からどこかへ電話発信するか、データ通信を開始すると行える。まずは、SIMカードをSIMロックフリーのスマートフォンやデータ通信機器(ルータなど)にセットし、APNを設定(スマートフォンであれば自動設定されることもある)する。いきなり意図しないデータ通信が始まると残高が減ってもったいないので、いったんデータ通信はオフにしてAPN設定作業を行うと安心だ。

Huchison海外ローミング対応SIMカードのAPN設定 3Gモデル HSDPAモデル
APN mobile.three.com.hk ipc.three.com.hk
ユーザー名 (なし) (なし)
パスワード (なし) (なし)

 この段階でプリペイドSIMカードの残高を一応確認しておこう。利用するSIMカードを差したスマートフォンで「##107#」あてに電話発信すると、SMSでSIMカードの電話番号と残高が送られてくる。内容の無料通話時間やデータ量は香港内で利用する際のものなので、中国での国際ローミング利用するなら無視して構わない。

photophoto 利用開始手続きは、APN設定を行い、どこかへ電話発信あるいはデータ通信を一瞬だけ行えばOK。「##107#」に電話をかけると残高などが記述されたSMSが送られてくる(写真=左) APNは3Gタイプ(左)とHSDPAタイプ(右)で異なるので注意。通常は自動的に3Gタイプが設定される(写真=右)
photophoto Recharge Voucherは内部に16ケタの数字が記載されている。スマートフォンから「##105*[16ケタの数字]#」と入力して電話発信すると残高が追加される

 続いてRecharge Voucherで残高を追加する。中国で3日間利用するなら、98香港ドル×3の294香港ドル分が残高として登録されていればよい。Recharge Voucherには16ケタの数字が記載されており、これを入力すれば残高が追加されるという仕組みだ(iTunesカードやプレイステーションネットワークカードを使うのと同じである)。

 残高は「##105*[16桁のVoucher番号]#」あてに発信すると登録できる。例えば、今回の番号は「3993977956211109」だったので「##105*3993977956211109#」とする。しばらくすると追加したよという旨の通知SMSが届く。

 ちなみに、3GタイプのSIMカードにRecharge Voucherで残高を追加すると香港内の一定量の無料通話分がボーナスで加算される。一方、HSDPAタイプは追加額に応じて20香港ドル〜100香港ドル分のボーナスが加算される。ここが前述した(今回の事例においては)「HSDPAタイプのほうが少しお得」な理由だ。

 ボーナスは、100香港ドル分の追加でボーナスプラス10香港ドル分。同じく200香港ドルでプラス50香港ドル分、300香港ドルでプラス100香港ドル分のボーナスがある。300ドル分を追加すると、ボーナスと合わせて400香港ドル分(つまり、中国ローミングでの4日分)となかなかお得な感じだ。

 SIMカードの有効期限は残高を追加した日から180日となる。残ったら次回に持ち越して使うのもアリだが、半年以内に利用しなければ期限切れでSIMカードは無効になるので少し注意しよう。

 ここまで香港でやっておけば、中国へ持ち込んでそのまま使える。一応、中国本土での利用開始手続きは「##017*0#」、(あらかじめ購入しておいた)Recharge Voucherでの残高追加は香港と同じ「##105*[16桁のVoucher番号]#」である。

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