ウィルコム初のAndroidスマートフォン「DIGNO DUAL WX04K」(以下DIGNO DUAL)についてQ&A方式で解説していく“ここ”が知りたい。第4回はメールの使い勝手やデータ通信速度、動画アプリなど、データ通信に関連する項目をチェックしていく。
DIGNO DUALのレビュー第3回では主に通話に関連するポイントをチェックしてきた。PHS回線からの着信転送設定や3G回線を利用した通話など、DIGNO DUALならではの使い方やメリットがあったように思われる。今回は主にデータ通信に関連した項目として、キャリアメールの使い勝手やデータ通信の速度、Youtubeやニコニコ動画といった主要動画アプリの使い勝手、更に今やコミュニケーションツールとして定着しているSkypeやLINEといったアプリの利用環境などをチェックしていこう。
キャリアメール用アプリは、初期設定状態では画面下段中央にショートカットアイコンが配置されており、単純に「メール」と書かれている。この他にもGoogleが提供するWebメールである「Gmail」のアイコンもあるので、Android端末になれていない人は若干混乱するかもしれない。
キャリアメールアプリの使い勝手は非常にシンプルでクセがない。初めてでも迷うことは少ないだろう。受信フォルダ内には更にフォルダを作成することができ、差出人やドメインなどで受信メールを自動振り分けすることが可能だ。
ただ、この設定が若干分かりづらく、「フォルダを作成する→フォルダを開く→メニューキーを押す→振り分け設定を選択する」という手順を踏むか、新たに作ったフォルダをホールドすることで開くメニュー画面から振り分け設定を選択する形となるため、初めは自動振り分けの設定方法で混乱するかもしれない。新規にフォルダを作成する際に、同時に振り分け設定を行うダイアログが出てくる方が分かりやすかったように思われる。
DIGNO DUALを購入した際に作成するキャリアメールのアカウントは、任意のメールアドレスが自動で設定されている。完全にランダムな文字列であるため非常に覚えづらく使い勝手も悪いので、キャリアメールをメインで利用する人は設定からサポートサイトの「My WILLCOM」へアクセスし、メールアドレスを変更しておくと良いだろう。
逆にキャリアメールを滅多に使わず、Gmailなどをメインで利用している場合、あえてメールアドレスを変更しないことで、迷惑メール対策とするのも有効だ。完全にランダムな文字列であるため、迷惑メールが届く可能性が非常に低い。覚えやすいメールアドレスはそれだけセキュリティレベルが下がることを覚えておきたい。
この他、キャリアメールではデコレーションメールも利用できる。メイン画面からテンプレートを選ぶと十数種類のデコレーションメールを選択出来る。最近の端末としては機能が少ないように思われるが、メールを少しでも可愛らしく飾りたいという人にはありがたいだろう。
DIGNO DUALはソフトバンクモバイルの回線を利用した高速データ通信が定額で利用できるが、果たしてどこまで快適な通信が行えるのだろうか。今回は主に通信速度に焦点を当て、いくつかの場所で通信速度測定を行った。速度測定には「SPEEDTEST.NET」のアプリを利用し、通信サーバーは東京を選択している。
速度測定を行ったエリアは、新宿、秋葉原、横浜の3カ所。各地点とも人の多い平日の駅前で測定を行い、新宿はお昼休みが終わった13時、秋葉原はサラリーマンや主婦層が喫茶店を多く使う14時30分、横浜では帰宅ラッシュとなる17時30分ごろに測定を行った。測定結果は表の通りだ。
回数 | PING | 下り速度 | 上り速度 |
---|---|---|---|
新宿駅南口前(13時00分) | |||
1回目 | 113ms | 3427kbps | 1052kbps |
2回目 | 104ms | 2313kbps | 1097kbp |
3回目 | 100ms | 2918kbps | 1088kbps |
4回目 | 93ms | 1444kbps | 2003kbps |
5回目 | 96ms | 1616kbps | 1551kbps |
6回目 | 106ms | 757kbps | 418kbps |
7回目 | 106ms | 3104kbps | 722kbps |
8回目 | 108ms | 2926kbps | 1090kbps |
9回目 | 134ms | 3236kbps | 1110kbps |
10回目 | 96ms | 2430kbps | 824kbps |
秋葉原駅前喫茶店内(14時30分) | |||
1回目 | 165ms | 2910kbps | 1124kbps |
2回目 | 160ms | 2548kbps | 1102kbps |
3回目 | 154ms | 2480kbps | 1072kbps |
4回目 | 105ms | 2647kbps | 1875kbps |
5回目 | 138ms | 1767kbps | 890kbps |
6回目 | 144ms | 3102kbps | 1080kbps |
7回目 | 129ms | 2831kbps | 1114kbps |
8回目 | 109ms | 2534kbps | 1736kbps |
9回目 | 140ms | 1290kbps | 1041kbps |
10回目 | 164ms | 2899kbps | 1101kbps |
横浜駅西口前(17時30分) | |||
1回目 | 215ms | 1700kbps | 668kbps |
2回目 | 167ms | 2960kbps | 769kbps |
3回目 | 110ms | 3330kbps | 1317kbps |
4回目 | 127ms | 4324kbps | 846kbps |
5回目 | 130ms | 2295kbps | 675kbps |
6回目 | 148ms | 3509kbps | 1067kbps |
7回目 | 159ms | 2694kbps | 1064kbps |
8回目 | 111ms | 2065kbps | 1115kbps |
9回目 | 137ms | 3007kbps | 1073kbps |
10回目 | 162ms | 2444kbps | 1090kbps |
上記結果を見ても分かるように、どの時間帯や場所においても一度も通信ミスや通信切断などは起こらなかった。また通信速度も非常に安定しており、どんなに遅くても下り速度で1Mbps以上が確保されていた。通信の安定性はかなり良いと言えるだろう。
PINGとは通信の応答速度の事であり、この数値が小さければ小さいほど入力からのレスポンスが早いことを現わす。通常3G回線の場合、150ms〜200ms程度であることが多いが、DIGNO DUALもその範囲内にほぼ収まっている。むしろそれよりも速い場合もあり、データ通信時の処理能力なども十分に高いことがうかがえる。
さらに筆者的に注目したのが、上り通信速度の高さと安定性だ。iPhoneなどでソフトバンクモバイル網を使っていると、上り回線が安定せずにTwitterでの書き込みがなかなかできなかったり、通信速度が遅く画像のアップロードが上手くいかなかったりすることがしばしばあるが、DIGNO DUALでは非常に安定した通信速度と通信状態が確保されており、実際に画像の送信などでイライラさせられることは少なかった。
最近ではTwitterやFacebookを利用した画像のアップロードなどが頻繁に活用されるが、アップロード環境が安定しているというのは非常に心強い。3G回線の電波の安定性が高いことは、DIGNO DUALを使う上で大きなメリットになるだろう。
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