MWC 2015で見つけたウェアラブル端末を総チェック!Mobile World Congress 2015(1/2 ページ)

» 2015年03月06日 16時00分 公開
[すずまり,ITmedia]

 スペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル関連イベント「MobileWorldCongress 2015」。広大なホールに展示されていたさまざまなウェアラブルデバイスを一挙にご紹介しよう。

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 全体的に活動量計の展示が多かったが、スポーツバンドタイプより腕時計らしいデザインにシフトしていたのが印象的だった。単独で通信機能を持たせたり、NFCを搭載するなど機能性をアップしつつあるほか、子供やシニアを意識したデバイスも増加傾向にあるようだ。

 スマートウォッチとしての目玉は韓LG Electronics製の「LG G Watch Urban」と「Urban LTE」だろう。特にNFCとLTE通信をサポートした独自OSのUrban LTEは、今後多くの製品とつながる可能性を秘めており、IoTの面からも見逃せない製品となりそうだ。

 中Huaweiからも初のAndroid Ware「HUAWEI Watch」が登場した。こちらもスタンダードな時計型のデザインだ。LG、Huaweiのいずれも、ゴールドとシルバーという色展開に共通点が見られる。

 事前の情報では韓Samsungも……というウワサがあったが、残念ながら今回新たなウェアラブル製品の登場はなかった。

新たに登場した各社の時計型デバイス

LG:「LG G Watch Urban/Urban LTE」

 LGのブースでは、2月16日に発表された同社のスマートウォッチの新モデル「LG G Watch Urban」(アーベイン)とLTE対応モデルの「Urban LTE」がお披露目された。2014年9月にドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2014にて「LG G Watch R」がお披露目されたが、わずか半年で新モデルの登場である。

photo LG G Watch Urban(ゴールド)
photo LG G Watch Urban LTE(シルバー)
photo 展示も都会的なイメージへ

 いずれも円形ディスプレイはそのままに、アウトドアライフをイメージさせたワイルド系のRから、丸みを帯びた都会的なデザインに進化。今回のモデルは、生活に溶け込むようなデザインを意識しているという。確かにより時計らしく、スーツに似合う高級路線になったようだ。カラーバリエーションはゴールド、シルバーの2種類。いずれも専用充電器で充電する。価格や発売時期は後日改めてアナウンスされるという。

 LG G Watch UrbanはAndroid Wareを採用しており、G Watch Rの後継機種となる。ディスプレイには1.3型の円形P-OLED(プラスチック有機EL)が採用されており、プロセッサは1.2GHz駆動のSnapdragon 400。メモリーは512Mバイト、内蔵ストレージは4Gバイト、バッテリーは410mAhで、1回の充電で2〜3日程度の利用が可能だ。竜頭は1つで、操作は従来モデルと変わらない。ウォッチフェイスやバンドを自由にカスタマイズして楽しめる。

photo 中央のボタンを押すとメニューを表示する
photo 一番上のボタンを押すと設定メニューを表示する
photo ダイヤル画面
photo 心拍センサー

 LG G Watch Urban LTEはWeb OSベースのLG独自OSを採用しており、心拍センサーのほか、LTE対応のSIMとNFCが組み込まれているのが最大の特徴。ボタンが3つになり、上は設定、中央はメニュー、下は戻るボタンとして機能するようだ。

 VoLTEにも対応するなど単独で通話できるほか、NFCにより少額決済も可能になる。車との連携を意識しており、同社ブースではドアノブに近づけるとロックが解除されたり、アームレストに搭載したNFCタグに近づけてスタートボタンを押すことでエンジンがかかるといったデモンストレーションも行われていた。

photo アウディを使って、キーロック解除などのデモが行われた。男性の腕にはしっくり馴染んでいるのが分かる
photo デモに使われたLG G Watch Urban LTE。ウォッチフェイスにも遊び心が

 今後は心拍センサーを車載カメラなどと連携して使うことで、居眠りしそうなときは振動で知らせるなど、さまざまな用途に活用できるという。開発自由度の高さは大きな魅力となりそうである。ただし、バンドがアンテナも兼ねているため交換はできない。SIMも組み込みになる。

 LG G Watch UrbanとUrban LTE、いずれも女性の腕にはかなり大ぶりになるが、フォーマルな場面でも違和感なく使えるデザインに仕上がっていると感じられた。

Huawei「Huawei Watch/TalkBand B2/TalkBand N1」

 Huaweiのブースでは、3月1日に発表されたばかりの「Huawei Watch」「TalkBand B2」「TalkBand N1」の3タイプが展示された。当初Huawei Watchの展示は行われておらずメディアをやきもきさせたが、4日にはシルバーとゴールドの2色が展示された。

photo HUAWEI Watch(ゴールド)
photo 男女ともに利用できそうな普遍的なデザイン
photo こちらはシルバーカラー

 HUAWEI Watchは、同社初のAndroid Ware。直径42ミリの円形ディスプレイを採用し、解像度は400×400ピクセル(286ppi)。10000:1の高コントラスト比率を誇り、手袋または濡れた手での操作も可能だという。6軸加速度センサー、気圧計、心拍センサーを搭載しており、運動管理機能を持つ。

 外見は一般的なクラシカルデザインの腕時計だ。操作性も他のAndroid Wareと変わらないが、ウォッチフェイスは40種類からカスタマイズでき、歩数やカロリーといった健康データの表示も可能になるという。

photo 充電には専用の充電器が必要だ
photo TalkBand B2(シルバー)。アクセサリー感覚で装着できそうなデザイン

 Huawei TalkBandの後継機となるTalkBand B2は、6軸センサーを搭載した活動量計で、センシング機能をブラッシュアップしたという。対応デバイスはiSO 7.0以上のiPhone、およびAndroid 4.0を搭載したデバイス。歩く、走る、サイクリング、山歩きといった行動を自動的に認識する。睡眠サイクルの記録もモード切替なしに行えるという。

 タッチスクリーンを搭載しており、コア部分がBluetoothヘッドセットとしても活用できる。連続通話は最大6時間、連続待受時間は12日間となっている。カラーバリエーションはブラック、シルバー、ゴールドの3色。価格は169ユーロから。

photo コアの部分を取り外すと、Bluetoothヘッドセットとして利用できる
photo 色はブラック、シルバー、ゴールド
photo TalkBand N1

 TalkBand N1は、「1000曲を取り込み可能」という4GバイトのMP3用ストレージを持つBluetoothヘッドセット。業界初のHi-Fi ステレオをサポートするほか、運動管理機能も備えており、歩数記録、距離計算、消費カロリーが分かる。重さがわずか18グラムで、IP54の防塵と防水レベルを備えるため、身軽に運動を楽しみたい方に適した製品といえそうだ。カラーバリエーションはシルバー、グレー、レッドの3色。希望小売価格は119ユーロ。日本では6月下旬から7月初旬頃の発売予定しているという。

photo 4GバイトのMP3用ストレージを備える
photo コントローラー部分

BIGLOBE「cocolis」(ここりす)

 日本企業がそろうジャパンパビリオン展示ブースでは、BIGLOBEがキッズ向けの端末「cocolis」(ここりす)の開発プラットフォームと、親向けのアプリケーションを展示していた。

photo BIGLOBEの「cocolis」。時計がホーム画面。ウォッチフェイスは変更できる
photo 右にフリックすると相手を選べる
photo 音声メッセージも利用できる
photo 定型文を使えばすばやくメッセージを送信できる

 cocolisはAndroid 4.2を搭載した3G端末。本体部分が取り外せる仕組みとなっており、リストバンド、ストラップ、ネックレスとしても装着できる。1月14日に開催された「ウェアラブルEXPO」ではBtoBtoCを意識した小型のAndroid 4.2端末として展示されていたが、今回は対象年齢を保育園・幼稚園の年長組から小学3年生くらいまでに設定。子供向けのインタフェースにカスタマイズされており、Androidのメニュー等は一切表示されないようになっている。SIMカードは内蔵されるため、差し替えることはできない。

photo 本体部分だけ、別のケースに入れることも可能
photophoto 親子で気軽にコミュニケーションできる(写真=左)。1タップで子供の居場所が分かる(写真=右)

 通話はあらかじめ登録した特定の相手とのみ可能。右にフリックすると、登録している家族等が表示され、相手を選ぶと、テキストメール、スタンプ、音声通話、ボイスメール、手書きが可能になる。定型文も用意されており、親のスマートフォン側で編集も可能だ。「○○ちゃんちに遊びに行っていい?」といった独自のメッセージを簡単な操作だけで送信できる。GPSもサポートしているため、親用のアプリケーションからは、1タップで子供の居場所を簡単に確認できるようになっている。

 子供の手首に装着するには大分大きめの印象ではあるが、ヒーロー気分で利用することもできそうだ。

Acer「Lipuid Leap+」

 Acerは2015年春のラインアップとして、同社の「Lipuid Leap+」を展示した。睡眠、歩数、距離、消費カロリーを測定できるほか、着信、SMS、アラーム、カレンダーの通知が可能。バイブレーション付きの目覚まし機能も備える。iOSやAndroidのほか、Windows Phoneもサポートしていることや、重さが20グラム以下という軽さが特徴となっている。本体部分は取り外せるため、ストラップタイプのケースに移し変えることも。バッテリーはフル充電で5〜7日間持続。今後アジア、ヨーロッパで発売予定で、価格は70ユーロ。日本での発売は検討中とのこと。

photo Lipuid Leap+(ピンク)
photo 非常に軽いのが特徴
photo 裏側の様子
photo 専用の充電器で充電する
photo 画面をダブルタップするとデータを表示
photo 専用アプリの「Leap Manager」
photo Windows Phoneもサポートする
photo カラーバリエーションも豊富だ

発表済みの「SmartEyeglass Attach!」などを展示したソニー

photo SmartWatch 3(右)とSmartBand Talk(左)
photo SmartWatch 3
photo SmartBand Talk
photo SmartBand

 ソニーは新モデルの発表がなかったが、ブースではすでに発売済の「SmartBand」や「SmartBand Talk」「SmartWatch 3」のほか、コラボモデルも含めた交換用のバンドを多数展示。SmartBand TalkとSmartWatch 3は水中に展示されるなど、その防水性能をアピールしていた。

 また、ウェアラブルデバイスのコーナーでは、メガネ型ウェアラブルデバイスの「SmartEyeglass Attach!」、GPSと心拍センサーも搭載したランナー向けの「Smart B-Trainer」、SmartWatch 3で使えるフィットネスアプリ「iFit」が体験できるなど、バラエティに富んだ内容になっていた。

photo SmartEyeGlass Attach!
photo 映像は右目の上に表示される

 SmartEyeGlass Attach!は、装着することで右目の上付近にさまざまな情報を表示するというもの。デモではサイクリング中の景色や活動に関する情報をカラーで見ることができた。加速度センサーを搭載しており、技術的には活動量の測定も可能だという。技術展示とはなっていたものの、年内の量産、出荷を目指しており、同時にSDKもリリースする予定だという。

photo Smart B-Trainer
photo SmartWatch 3でiFiTが利用できることをアピール
photo SmartWatch 3はGPSを内蔵しているため、スマートフォンをもたなくてもいい
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