韓国LG Electronicsは、3月2日からスペイン・バルセロナで開催されているモバイル通信関連見本市「Mobile World Congress 2015」に先駆け、Android Wear搭載の腕時計型端末「LG Watch Urbane」と、同モデルにWeb OSを搭載し、LTEもサポートしたスマートウォッチ「LG Watch Urbane LTE」を矢継ぎ早に発表し、MWC 2015のLGブースで披露している。AudiのクルマとLG Watch Urbane LTEを連携させてドアを開閉したり、ドライバーの体調をモニタリングしたりする機能など、IoT(Internet Of Things)時代を先取りする展示もあった。
スマートウォッチは両機種共に円形の有機ELディスプレイを搭載し、ステンレスボディと本革製ベルトで高級感を演出している。LG Watch UrbaneはAndroid Wearを搭載しており、プロセッサや解像度などの基本的なスペックは日本で発売済みの「LG G Watch R」と同等だ。
一方、LG Watch Urbane LTEはLG独自のWeb OSを搭載したモデルで、文字通りLTE通信をサポートしており、単体でVoLTE通話やメッセージの送受信ができる。NFCを備え、NFC対応のレジなどの決済時に利用可能。右側面に3つの物理キーを備えるほか、背面には心拍センサーを採用した。ディスプレイは1.3型P-OLEDで、プロセッサはQualcommの「Snapdragon 400」(1.2GHz)を採用。メインメモリは1Gバイト、ストレージは4Gバイトで、バッテリー容量は700mAh。9軸センサーにも対応し、IP67相当の防水性能を備える。ゴルフ、サイクリング、トレッキングなどの活動を記録するヘルスケアアプリを搭載しており、活動量計としても利用できる。
今回の展示では、AudiのクルマにNFCタグを搭載し、そこにタッチすることでドアを開閉したり、エンジンをかけたりできることが説明された。LG広報担当は「今後はワンタッチでさまざまな操作をできるようにしていきたい。例えばスマートウォッチでドライバーの脈拍を測って体調をモニタリングし、居眠り運転を防止することもできる」と話す。
ソニーモバイルコミュニケーションズが「スーパーミッドレンジ」と位置づけた「Xperia M4 Aqua」を発表したように、スペックや機能面で妥協しないハイエンドなミドルレンジ端末がLGからも登場した。スペックが高い順に「Magna」「Spirit」「Leon」「Joy」と並び、LG広報担当は曲面デザインのMagnaとSpiritの2モデルを「ミドルハイエンド」端末と呼んでいる。4モデルともLTEに対応し、Joy以外のOSはAndroid 5.0を採用した。
MagnaとSpritは日本市場だとMVNO向けのミッドレンジ端末として使用に耐えうるスペックだが、下位モデル2機種は日本以外の市場がメインとなりそうだ。
1月にラスベガスで開催された「2015 International CES」で発表した曲面端末「G Flex2」も展示された。5.5型のフルHD(1080×1920)ディスプレイが縦方向にカーブしているのが大きな特徴だ。OSはAndroid 5.0で、64ビットのオクタコアプロセッサ、1300万画素のメインカメラをそれぞれ搭載する。
日本では“ガラホ”としてauがシャープのAndroid搭載ケータイ「AQUOS K」を発売しているが、韓国では「LG Wine Smart」「LG ice cream smart」というフィーチャーフォンデザインのスマートフォンが発売されている。LG広報担当は「韓国では子供が親にスマホをプレゼントするのが当たり前で、高齢者が新しいものを使うことに抵抗を感じない国民性がある。Wineはワインが似合う世代向けという意味があり、高齢者でも普通にスマホを使っている」と話す。
両機種はフィーチャーフォンのようなデザインと操作性を採用しているため、初めてスマホを使うユーザーに優しい仕様になっている。いずれのモデルも3.5型ディスプレイに1.2GHz駆動のクアッドコアプロセッサ、800万画素のメインカメラを搭載しており、ディスプレイはタッチ操作に対応している。日本ユーザーには混乱を招きそうな仕様だが、韓国ではスマホ初心者が普通に使いこなしているようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.