「iPhone 6s」の実効速度が4倍速くなる? 混雑に強いドコモのPREMIUM 4G――11月には300Mbpsに高度化C-RANが効く(2/2 ページ)

» 2015年09月15日 21時15分 公開
[平賀洋一ITmedia]
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 2年前に発売された「iPhone 5s」「iPhone 5c」は、下り最大100MbpsのLTE通信に対応している。もしiPhone 6s/6s Plusに機種変更した場合、仕様上の通信速度は262.5Mbpsと約2.6倍のアップになる。しかし混雑時でも速度低下が少ないPREMIUM 4Gに対応したことで、「4倍近く上がった実効速度を体感していただける」(ドコモ)という。

※初出時、iPhone 5s/5cの最大通信速度が間違いがありました。訂正しておわびいたします

 人口密集地での効果が著しいPREMIUM 4Gだが、ほかの都市部を含む場合も平均値で約20%、全国平均でも約10%の実効速度向上が図られた。こうした実効速度の実態調査に加え、ユーザーが速度を実感できるよう提供されたのが「ドコモスピードテストアプリ」だ。2014年6月にリリースされ、これまで50万ダウンロード、700万回の測定が行われた。その結果はエリア対策にも生かされているという。

 なお速度の指標については、仕様上の最大通信速度から実効速度へのルール変更が予定されている。ドコモによると今回の発表値は、現在総務省が検討している計測内容よりも厳しい状況で行ったもので、多くの場合はより快適に利用できる数値だとしている。

高度化C-RANでネットワーク効率を最大化

 ドコモはiPhone 6sの発売に合せて、4つの周波数帯域(800MHz、1.5GHz、1.7GHz、2GHz)を4つの組み合わせ(800MHz+2GHz、800MHz+1.7GHz、2GHz+1.5GHz、2GHz+1.7GHz)で、PREMIUM 4Gを展開することになる。

photo ドコモのCAは4パターン
photo 高度化C-RANで最適なCAの組み合わせをセレクトする

 しかし下り最大262.5Mbpsが可能なのは2GHz+1.7GHzに対応したiPhone 6sのみ、また1.5GHz帯をサポートしていないため使えるCAは3パターンだけだ。このように、エリア内にある端末はその仕様によってサポートする周波数帯域や最大通信速度がさまざま。もちろん送受信されるデータ容量も刻々と変わる。

 CAで高速化したネットワークをより効率的に行えるよう、ドコモは高度化C-RANと呼ばれる基地局を集中制御する技術を開発、PREMIUM 4G対応基地局で導入している。各エリアで使われている周波数と端末、トラフィック状況から、最も速い実効速度が見込めるCAのパターンを自動的に選ぶ仕組みだ。

 高度化C-RANは単純にCAの組み合わせを切り替えるのではなく、全体のパフォーマンスを見ながら動的にCAのパターンを選択、ネットワーク効率、特に実効速度を最大化できるのが特徴だ。人口が集中し、混雑することが多い都市部のでは「CAによるネットワーク自体の高速化に加え、周波数を効率的に使う高度化C-RANの重要性が増す」と大松澤氏は説明する。

 4つの周波数と4つのCAに対応したPREMIUM 4Gは、司令塔とも呼べる高度化C-RANがあることでその実力を発揮できる。ドコモはPREMIUM 4G対応基地局をスタート時の900局から、年度末で1万8000局まで拡大。そのエリアも9月末までに全都道府県の640都市に広げ、年度末には900都市以上で提供する予定だ。

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