NTTドコモは9月30日、2015-2016冬春モデル発表会を行った。同社の加藤社長が、新商品、新サービス、「+d」と銘打たれた新領域ビジネスの3テーマに関するプレゼンテーションを行った。
新商品13機種で最初に紹介されたのは、世界で初めて4Kディスプレイを搭載した「Xperia Z5 Premium SO-03H」だ。加藤社長は「透明感、奥行き感がある4K映像を撮って、その場で非常に躍動感溢れる映像を再生できる。4Kに満たない映像はアップスケールするので、いつでもどこでも4K映像を手のひらで楽しめる」とXperia Z5 Premiumをアピールした。ドコモ光で提供しているひかりTVやdTVでは、11月下旬から4Kコンテンツの配信を開始する予定で、Xperia Z5 Premiumで楽しめるコンテンツの充実も期待できる。
11月上旬に提供開始を予定している下り最大300Mbpsのデータ通信サービス「PREMIUM 4G」は他社を一歩リードするドコモの強みだ。この300Mbpsのデータ通信に対応する端末として、「AQUOS ZETA SH-01H」と「Wi-Fi STATION N-01H」が登場した。
1.5GHz帯(112.5Mbps)、2GHz帯(112.5Mbps)、800MHz帯(75Mbps)の3つの周波数をキャリアアグリゲーション(CA)で束ねることで実現する300Mbpsだが、9月から開始している2つの周波数帯を束ねた場合のPREMIUM 4Gについては、理論上の速度だけでなく、山手線全駅で計測した実効速度を示して快適さをアピールした。なお、300MbpsのPREMIUM 4Gは東京の都心部をはじめ、ユーザーが集中する主要都市380都市から導入し、2015年度内には600都市に導入する予定だ。
引き続き生体認証の対応にも注力し、虹彩認証には「arrows NX F-02H」、指紋認証にはXperiaシリーズを始め5機種が対応した。同時に生体認証に対応するサービスも拡大。生体情報とdアカウントをひも付けるとパスワード入力が不要になり、生体認証でログインとドコモケータイ払いが可能になる。それに加えて12月からはdポイントでの支払いにも対応。さらに、ドコモケータイ払い加盟店サイトの支払いでも生体認証が利用できるようになる。
また、VoLTEの海外対応についても発表された。ドコモ同士のVoLTE対応機種であれば、日本から海外への通話や海外間の通話でも、国内同様にVoLTEの高音質な通話ができる。最初にVoLTEを始めた韓国が10月7日から対応する。加藤社長は「日本のキャリアでは最初の取り組み」と胸を張ったが、他キャリア間でのVoLTE通話に関しては言及がなかった。
ラインアップ全体については、「ハイスペックな端末もあるし、価格的、機能的、サイズ的にお手頃なものも用意したつもり」(加藤社長)とし、「プレミアムなものからカジュアルなものまで」幅広いニーズに応える品ぞろえをアピールした。
ただし期待されたGalaxy Noteシリーズの最新モデル「Galaxy Note 5」はラインアップされず、プレゼンテーション後の質疑応答ではGalaxy Note 3からの買い替え需要の対応について質問があった。加藤社長は「ファブレットサイズの端末には一定の需要サイクルがあると思っている。今回は10.1型の『dtab』に焦点を当てた。時期やタイミングを見ながら入れていきたい」と回答した。
ソニーモバイル製Xperia Z5シリーズについては、「3つのXperiaをそろえたのはドコモだけ」(加藤社長)と他キャリアをけん制。3機種とも指紋認証に対応し、0.03秒という世界最速のオートフォーカスを搭載する。最先端の技術を搭載したXperia Z5 Premiumに対し、Xperia Z5は「使いやすさを極めたハイパフォーマンスモデル」、Xperia Z5 Compactは「コンパクトサイズにXperia Z5の機能を詰め込んた」機種として紹介した。
シャープ製の「AQUOS ZETA SH-01H」は300MbpsのPREMIUM 4Gに対応するとともに、従来のディスプレイと比べて、1秒間に表示更新する回数が2倍の120Hz駆動となった「ハイスピードIGZO」を搭載。動きの速い動画や画面遷移が滑らかだという。また、インカメラが800万画素と高画素で、さらに広角になり、「自撮りの自由度が増している」と説明した。「AQUOS Compact SH-02H」は「先端技術が片手で操作できるようにコンパクトにまとまったモデル」(加藤社長)。付属の「ニュアンスシート」を背面に貼ってカスタマイズできる「おしゃれで楽しい」とアピールした。
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