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» 2016年03月02日 18時55分 UPDATE

ドコモ、下り375Mbpsの「PREMIUM 4G」を6月開始 3.5GHz帯追加でTDDとFDDのCAも

ドコモ6月、下り最大375Mbpsの「PREMIUM 4G」をスタートする。さらに3.5GHz帯の利用も開始し、FDDとのCAで下り最大370Mbpsのサービスも始める。対応機種は今後発表する予定だ。

[平賀洋一,ITmedia]

 NTTドコモは3月2日、通信速度を下り最大375Mbpsに高速化した「PREMIUM 4G」を6月に開始すると発表した。今後発表する対応機種で利用できる。

PREMIUM 4G ドコモが「PREMIUM 4G」の高速化を発表

 PREMIUM 4Gは通信方式にLTE-Advancedを用いたドコモの通信サービス。複数の周波数帯域を束ねるキャリアアグリゲーション(CA)技術で高速化しており、現在は3つの周波数を使って下り最大300Mbpsのサービスを提供している。

PREMIUM 4G ドコモの大松澤氏
PREMIUM 4G 「PREMIUM 4G」の導入で山手線内の実効速度は8倍も改善した
PREMIUM 4G 新ガイドラインで計測した大手3社の実効速度
PREMIUM 4G PREMIUM 4G対応エリアは900都市に。基地局は2万局に増えた

 ドコモはこのCAを強化し、2GHz帯(下り最大112.5Mbps)+1.7GHz帯(下り最大150Mbps)+800MHz帯(下り最大112.5Mbps)という組み合わせで375Mbpsを実現する。800MHz帯はFOMA(3G)でも利用しているが、対応エリアでは15MHz幅の周波数帯域を全てLTEで使って高速化を図る。ただし、引き続き800MHz帯で3Gを使うエリアもあり、その場合は下りの最大通信速度が337.5Mbpsになる。

PREMIUM 4G 下り最大375Mbpsを実現するCAの組み合わせ

 また新たな周波数帯域として3.5GHz帯の利用も6月に開始する。3.5GHz帯はTDD方式のLTEを用い、既存のLTE(FDD方式)とTDDを組み合わせるCAを初めて採用した。通信速度は3.5GHz帯(下り最大110Mbps×2)+1.7GHz帯(下り最大150Mbps)で下り最大370Mbps。商用サービス開始に向けたフィールド試験では、下り340Mbpsの実効速度を記録したという。

PREMIUM 4G 新たに3.5GHz帯を利用開始
PREMIUM 4G 3.5GHz帯ではTDDを用いる
PREMIUM 4G 3.5GHz帯を使ったCAは下り最大370Mbps

 TDDは一つの周波数で上りと下りの通信を交互に行う方式(FDDは周波数ごとに上下を分ける)で、帯域幅の中で上下の通信配分を変えられるのが特徴。上下どちらかの通信時間を増やすことで、その分速度を上げることができる。ただFDDよりも干渉しやすく、KDDIとソフトバンクも同じ周波数帯域を使う予定のため、ドコモでは「現在調整中だが、可能な限り下り通信に寄せたい」とした。また上りはFDD方式のみで最大50Mbpsとなる。

PREMIUM 4G 3.5GHz帯はアドオンセルで展開
PREMIUM 4G 試験では340Mbpsの実効速度を記録

 375Mbpsおよび370Mbpsの通信サービスは山手線のターミナル駅付近から開始。中でも3.5GHz帯を使ったエリアは、人が密集するスポットのみをカバーするアドオンセルとして展開する。これは通信が混雑するエリアでの快適さを向上させるのが狙いで、設備投資も効率的に行えるという。

PREMIUM 4G 6月開始
PREMIUM 4G 375Mbpsおよび370Mbpsを展開する重点エリア

 ドコモ 常務執行役員の大松澤清博氏は同社のネットワークについて、「2015年3月のPREMIUM 4G開始以降、山手線の駅前エリアでは混雑時の実効速度が従来のLTEから約8倍もアップした。総務省の新しいガイドラインで測定した実効速度でも、他社よりも良好な結果となった。これはLTE網の広がりと都心部におけるPREMIUM 4Gの重点展開に力を入れてきた結果だろう。下りとも上りも速いのはドコモだけで、国内最速は6月にさらに強化する」と説明した。

 PREMIUM 4Gが利用できる都市は、2015年度末で900都市以上になる予定で、うち640都市で下り300Mbpsを提供。基地局数は2万局以上になるという。

 3.5GHz帯の追加については、「2014年12月に新しい3.5GHz帯の割り当てが決まり、ドコモは40MHz幅の帯域を使えるようになった。3.5GHz帯の追加は、まったく新しい道路を作り、新しい規格の車を走らせるようなもの。これまでもCAで帯域を増やしたり、3G用の帯域を減らしたりして“車線”を確保してきたが、新周波数による帯域追加は効果が大きい方策だ」(大松澤氏)と期待を寄せた。今後は「複数のアンテナを使うMIMOの高度化で下り最大500Mbpsへの高速化を実現し、その先は5Gの早期導入を目指す」(大松澤氏)考えだ。

PREMIUM 4G 2017年度中に500Mbpsを目指す

 なお、今回の高速化で800MHz帯での3G利用がなくなるが、「当面は、LTEが混雑する都心部のみで800MHz帯をフルLTE化する。山間部などでは引き続き800MHz帯で3Gを提供する方針だ。FOMAは2GHzも使っているが、利用状況を見つつ、既存ユーザーに影響がでないよう切り替えていく」(同社ネットワーク部技術規格担当部長の平松孝朗氏)とのこと。

 気になる対応機種については、「いろいろなタイプのデバイスを用意中だ。今後行われる新商品発表会で披露できるだろう。お楽しみにしていただければ」(大松澤氏)と述べるにとどまった。

 「iPhone 6s」も含め、PREMIUM 4Gの対応機種は徐々に増えている。PREMIUM 4Gは高速化だけでなく周波数を効率的に使える面もあり、利用者が増えることで全体の快適性が上がっていくという。

 しかし、現在最速の下り最大300Mbpsのサービスには、シャープ製のスマートフォン「AQUOS ZETA SH-01H」とモバイルWi-Fiルーターの「Wi-Fi STATION N-01H」の2機種のみが対応している。どういった端末で高速化したPREMIUM 4Gが使えるのか、また次期iPhoneでも対応するのか、明らかになるのはもう少し先のようだ。

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