充電器及び関連製品の輸入販売を行うSALOM Japanは、5月25日から27日まで開催されていたワイヤレスジャパン 2016のブースにて、Qualcommの次世代急速充電規格「Quick Carge 3.0」に対応した製品を展示していた。
今回展示された製品は中国系のグローバル企業、SALOM製の充電機器で、日本でも順次発売される予定。
Quick Charge 3.0では、Qualcommによると、2750mAhのバッテリーを使用したテストにおいて、充電率0%から80%までを35分で充電ができるという。一方、従来型(5V/1A)の充電器では同じ35分間で20%しか充電ができなかったという。
Quick Charge 1.0との比で最大2倍の充電速度を実現するほか、Quick Charge 2.0とでは最大27%充電速度を向上させつつも、電力損失を最大45%削減したことにより、最大38%ほど優れた給電効率を実現している。Quick Charge 3.0への対応は今後モバイル機器にとってスタンダードになる技術といってもいいだろう。
今回、SALOM Japanが発表した3製品はいずれも同技術に対応している。なお、Quick Charge 3.0で充電をするには、スマートフォンなどの端末側も対応している必要がある。対応機種はまだ少なく、26日に発表されたばかりの「AXON 7」(ZTE製)、2016年夏に発売予定のWindows 10 Mobile搭載スマホ「Elite x3」(HP製)などが対応している。
リチウムポリマーバッテリー1万600mAhの容量を持つモバイルバッテリー「uPowerQ」は、5V/3.0A、9V/2.0Aの出力のみならず、12V/1.5Aにも対応、uPowerQ本体への入力も5Vと9Vに対応している。可変電圧の出力に対応していることから、Quick Charge 3.0対応スマートフォンへの充電だけではなく、2in1タイプのWindows PCやタブレットなどにも利用できるという。
また、過電流による逆流を防ぐICチップも搭載し、安全に充電できる。サイズは68(幅)×130(高さ)×17.5(奥行き)ミリ、重量245グラムとコンパクトなのも特徴的だ。
Quick Charge 3.0対応の急速充電器「uChargeQ」も、uPowerQと同じく、5V/3.0A、9V/2.0A、12V/1.5Aの出力に対応、Quick Charge 1.0、Quick Charge 2.0の機器にも対応する他、ほとんどのUSB充電機器に対応できるという。
サイズは41(幅)×77(高さ)×25(奥行き)ミリと一般的なスマートフォン用USB充電器と変わらないサイズを実現している。uChargeQも、MicrosoftのSurfaceをはじめとするUSB充電のPCやタブレットへの給電が可能だ。
「uCarQ」は、自動車のシガーソケットからQuick Charge 3.0対応機器への給電を可能にした製品だ。出力は上記2製品と同じく5V/3.0A、9V/2.0A、12V/1.5Aの出力に対応、入力はDC12V〜24Vと幅広い車種で使用が可能だ。−10度〜50度の環境での正常動作を保証しており、寒冷地でも安定した電源を確保できる。uCarQも過電流による逆流を防ぐICチップも搭載し、自動車のシガーソケットでありがちな給電事故を未然に防ぐ仕様になっている。
SALOM Japanの黒木則雄社長は「SALOMの製品はQualcommから技術提供を受けて開発した製品であり、いち早く安全で快適な機器を日本市場に投入できる。今回展示した製品は、発売時期・価格ともに現状では未定だが、(2016年)秋頃をめどに発売にこぎつけたい。適切な価格で誰もが手軽に購入できるよう努力したい」と話す。
SALOMは40年以上の歴史を持つ電源ソリューションメーカーで、デジタルカメラ、医療検査機器、スマートフォン、シェーバー、ポータブルWi-Fiルーター、トランシーバー、セットトップボックス、電話会議システム、掃除機、モーターなど幅広い機器向けの充電器を生産・供給している。
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