コラム
» 2016年07月09日 11時15分 UPDATE

音声入力が広まらない理由は「恥ずかしさ」? キーボードが滅びる未来はくるか (1/2)

[二階堂歩,ITmedia]

 音声による端末とのやりとり、いわゆる「音声入力」が近年注目を集めている。GoogleやApple、Amazonといったテクノロジー業界をけん引する大企業が次々と新製品を発表し、「パーソナルアシスタント」や「スマートホーム」などさまざまな分野で普及が期待されているからだ。

 米国で発表された未来のネット予測レポート「INTERNET TRENDS 2016」によれば、2020年には音声によるWeb検索が50%を占めるようになるという。「これからはあらゆる分野で音声入力が一般的になり、キーボードのような前時代的な入力デバイスは廃れていく」。中にはそんな風に考えている人もいるようだ。

 しかし、本当にそうだろうか? 音声入力が広く普及するために越えなければならない大きな壁――“恥ずかしさ”の問題について考えてみたい。

「音声入力使わない理由ってなんですか?」

 2016年4月、Twitter上でこんなトピックが盛り上がった。

 平成10年生まれ「何で平成一桁生まれの人たちって、がんばってフリック入力でTwitterしてるんですか? 音声入力使わない理由ってなんですか?」

 このツイートに対し、多くの意見が寄せられた。「音声入力なんて生まれてこのかた一度も使ったことない」「誤変換が嫌だから」「フリック入力の方が早い」。そうした中で目立ったのが、「人前でスマホに向かってしゃべるのは恥ずかしい」という意見だ。

 人前(公共の場)で音声入力を使うのは恥ずかしい。あるいは、周囲に対して失礼だ/適切でない。そんな考え方は、現代の日本でまだまだ根強いように思われる。元ツイートをしたけんすう(@kensuu)さんも、「電車の中で音声入力ができる一番いい方法ってなんでしょうね」と、“パブリックな空間での音声入力”について触れている。

音声入力は恥ずかしい?

 同様の意見は他にも見られる。2016年4月発売の書籍『理系に学ぶ。』の中で著者の川村元気さんは、ヒト型ロボット電話「ロボホン」の開発者である高橋智隆さんと対談し、こう語っている。

高橋 スマホの限界として、せっかく音声認識機能を入れたのに、思ったようにみんなに使ってもらえていないという状況があって、そこはロボットにチャンスがあると思ってます。

川村 単純に恥ずかしいんですよね。スマホに話しかけてる自分が(笑)。

高橋 相手が黒い四角の箱だからイヤなんだと思います。その点、ヒト型なら話しかけやすいかもしれないし、持ち主の趣味嗜好だけを知るロボットとの会話から多くの情報を得られる。スマホの次は確実に小型のヒューマノイドロボットの時代が来ます。

川村 僕らがそれを買うことができるのはいつくらいになりますか?

高橋 たぶん5年後くらいまでにはスマホと2台持ちが当たり前になって、10年後はスマホとロボットが一体になっていると思いますよ。

(『理系に学ぶ。』川村元気 から引用。強調は筆者)

 そう、音声入力はやはり「恥ずかしい」。iPhoneに「Hey, Siri!」と話し掛けるのも、Androidに「OK Google」と呼び掛けるのも、MicrosoftのCortanaもAmazonのAlexaも、みんなどこか、気恥ずかしい。

「恥ずかしくない音声入力」もある

 しかし一方で、こうした音声入力を自然に使いこなしている人たちもいる。冒頭で紹介したような若者に限った話ではない。ITmediaの寄稿者でもあるライターのSさんは、毎日のようにPCやスマートフォンで音声検索を使い、「OK Googleで、できるようになってほしいこと」(内容はかわいらしい話だが)というコラムも書いている。

 こうした事例について考える中で、一口に音声入力といっても、実は「いくつかの分類」ができることに気が付いた。いわば、恥ずかしさがなく「広まりやすい/受け入れられやすい音声入力」と、そうでない音声入力があることに気付いたのだ。

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