超ITオンチの「妻」が、最新iPhoneを片手に悪戦苦闘する様子を夫視点で描いた人気連載「彼女はiPhoneを使いこなせない」。もともとガラケーですら手いっぱいだった妻が、徐々にiPhoneを“手なづけて”いく様子は多くの人の共感を呼びました。
今回はそんな連載の過去記事から、特に反響の大きかったものを振り返ってみたいと思います。スマホデビューからフリック入力のマスター、SNSへの挑戦など、3カ月に渡る冒険をご覧ください。
スマホデビューの1台として、最新の「iPhone 6s」を購入することにした妻。夫と一緒に家電量販店に行きますが、希望する「端末容量」や「通信料」について店員からたずねられ、何が何やらの様子です。
中でも妻がとまどったのが、「半強制的に加入させられるオプション」について「不要なら翌日以降に自分で解約してください」と言われたときのこと。「不要なのは分かってるのに、どうして一度は加入しなきゃいけないの?」。誰もが感じている疑問を率直に口にします。
僕 はいはいはいはい、明日解約しときます。
店員 ではよろしくお願いしますね。
妻 どうして? いま加入して翌日解約って意味が分かんない。その一往復のやりとりはムダなのでは……? 今この場でオフにしてもらえないんでしょうか。
店員 う〜ん、そういう仕組みといいますか、決まっていることでして、スミマセン……。
ガラケー方式でぽちぽち文字入力をしていた妻に、夫は「フリック入力」の存在を教えます。ちなみに、それまで文字入力に掛かっていた時間は、約200文字で10分。果たして妻はフリック入力をマスターできるのでしょうか?
僕 ちなみに、文章入力にどれくらい時間かかってる?
妻 毎日200文字くらいの日記を書いているんだけど、早くて10分。手間取ると15分かかる。
僕 200文字=Twitter2回分くらいの長さで10分オーバーか……。純粋な好奇心で聞くんだけど、どうやったらこんな短文に10分以上もかけられるの?
妻 1文字入れては“よしっ”、次の1字入れては“おしっ”って1文字1文字、しっかり目視チェックしながらやってるから。でないと入力ミスしちゃうでしょ?
超ITオンチなだけでなく、超方向音痴でもある妻。紙の地図は難しくても、位置情報と連動したiPhoneのデジタル地図なら使えるのでは? そう思って使わせてみたところ、予想外の発言が飛び出します。
僕 じゃあ、ずっと自宅がどこか分からないまま使ってたの?
妻 そうだよ。地図アプリってそういうもんじゃないの? 紙の地図だって、現在地なんて出ないじゃん。
僕 紙と一緒にしないでよ……。あのね、地図アプリって、現在地を表示できるんだよ。(手元の自分のiPhoneで見せながら)
妻 なんか、中心に点がピコピコしてるね。
僕 ピコピコ=今いる場所、なんだよ。
妻 ええええええーーーー、マジでっ!?
iPhone購入後2カ月が経ち、いよいよ慣れてきた様子の妻。そんな妻を夫が観察していたところ、不思議なことに気付きます。妻は音楽をイヤフォンで聴かず、スピーカーから鳴らして聴いていたのでした。なぜイヤフォンを使わないのか尋ねてみたら、想像もしない回答が返ってきて――。
僕 家で音楽を聴くとき、イヤフォンを使わずにスピーカーから流しているのはどうして?
妻 あぁ、あたしはイヤフォンを使わない主義だから。
僕 主義? 一体どんな?
妻 子供の頃からずっとイヤフォンはしてこなくって、理由は……。
「スマホは多機能で便利。一度使うとガラケーには戻れない」「直感的に操作できるので、取扱説明書なしでも自然に操作が身につく」
一般にはそう言われているが、本当にそうでしょうか? そんな疑問からスタートした連載「彼女はiPhoneを使いこなせない」。自分もITオンチだという人にはもちろん、「ITリテラシーにはちょっと自信がある」という人が読んでも、ハッと気付かされるものが多い連載だといえるでしょう。記事中で紹介した話の続きは、ぜひ関連記事からご覧ください!
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