日本で一番売れているスマートフォンであるiPhoneは、新製品が出るたびに大きなニュースになる。9月16日に発売されたiPhone 7/7 Plusも同様で、各所でその高機能さや外観の美麗さをうたったレビューを見かける。
「その時点での、スマートフォンの最新形」――一般にそんなイメージを抱かれがちなiPhone最新モデルだが、筆者には少し気になっている点もある。
例えば、従来モデルからの大きな変更点である「イヤフォンジャックの廃止」について。「ワイヤレスイヤフォンを使えば快適」「すぐに慣れる」という意見も分かるには分かるのだが、現時点でどれだけの人がワイヤレスイヤフォンを使うだろう?
Apple公式のワイヤレスイヤフォン「AirPods」は、1万6800円(税別)という決して安いとはいえない価格だし、音質面でも同価格帯のイヤフォン/ヘッドフォンと比べて優れているのか疑問だ。何より発売は10月下旬。まだひと月以上も先である。
ということでしばらくの間は、ほとんどのユーザーが使い慣れた「自前の有線イヤフォン」を「付属のLightningアダプターを使って」つなぐことになるのではないだろうか。するとどうなるか? こうなる。
この姿、スマートといえるだろうか。iPhone 7(ジェットブラック)に、付属のLightningアダプターをつないだところである。感じ方は人それぞれなので「何も問題ない」といわれてしまえばそれまでなのだが、筆者にはちょっと……と思えてしまう。
イヤフォンジャック廃止の問題点はまだあって、これまでのように「充電しながら音楽を聞くことができない」。そこで、そうした問題点を解決する他社製アクセサリーが登場することになるのだが、そちらはこんな見た目だ。うーん、なるほど……。
もちろん、これらは新技術の採用時には常につきまとう「過渡期特有の問題」であることは理解できる。しかし、プロダクトデザインに強いこだわりを見せるApple製品としては、やはりあまりスマートな回答だとは思えないのだ。
問題は別にイヤフォンジャックまわりのことだけではなくて、「見た目は間違いなく美麗なのに、あまりに傷が付きやすいためAppleが公式にケースの装着を推奨しているジェットブラックカラーモデル」だとか、やはりその見た目の悪さから「ほんとに公式製品なのか!?」と騒がれた「Smart Battery Case」なども、こうした“技術とデザインの(一時的な)かい離”が引き起こした例だと考えている。
この記事ではあえて筆者の感じたことをそのまま書いてみたが、本当は「ジェットブラックめちゃくちゃかっこいい!」とか「レザーケース、さすがの質感!」とか書きたいのだ。Apple製品はいつでもいつまでもApple製品らしく、(それがたとえ自己満足に過ぎなくても)かっこよく使いたいと、どんなユーザーだって思っているはずだ。
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