NTTドコモが2001年5月30日に試験サービスを開始した第3世代携帯電話サービス「FOMA」。その最初の端末の1つが松下通信工業(現パナソニック モバイルコミュニケーションズ)製の「P2101V」です。
P2101Vは、音声通話に加えてテレビ電話や動画配信サービス「M-stage visual」に対応し、回線交換を使った64Kbpsデジタル通信、上り64Kbps/下り最大384kbpsのパケット通信(ちなみに503iシリーズのパケット通信速度は最大9.6kbps)など、先進的な機能を搭載していました。
通話とiモードが同時に利用できる「マルチアクセス」や、ケーブルを接続してのデータ通信などには対応していませんでしたが、FOMAの魅力が体感できる、初代ハイエンドモデルという位置付けです。カメラは11万画素CMOSのインカメラのみで、自分撮りやテレビ電話が主な用途でした。
厚さ約35mmという今では考えられないほど分厚いボディーですが、バッテリー容量は690mAhとさほど大きくなく、連続通話時間は音声が約100分、テレビ電話は約70分で、連続待受時間は約55時間しかありませんでした。
今や理論値で数100Mbpsものモバイル通信が可能になり、ついに「1Gbps」の世界も見えてきました。それでも当時の384kbpsという速度は画期的で、約15年という時の流れを感じずにはいられません。
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