MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。
そこで、本企画では各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。今回は6月にテストした、au系MVNO、au純正回線とY!mobileの速度をお伝えする。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。
6月のドコモ回線編は、以下の記事をご参照いただきたい。
今回、テストを行ったのは以下の5サービス。
auの「LTE NET」はauの4G LTEスマートフォン・タブレット用純正回線向けのデータ接続サービス。Y!mobileもソフトバンクが運営するサービスで、ソフトバンク回線をそのまま使っている。
調査条件は以下の通り。
通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定としている。同時に使えるスマホは4台のみなので、全サービスを同時に測定しているわけではない。各サービスの測定開時刻は、テスト結果の表を確認してほしい。記事で明記している速度結果は特記がないものを除き、3回の平均値。
なお、6月からZenFone 3をAndroid 7.0にバージョンアップした上で測定している。
本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。
まずは6月28日(木)9時56分〜の結果をお伝えする。この時間帯は他と比べて速度が出やすいこともあり、最も遅い「mineo(Aプラン)」でも下り5.39Mbpsだった。特に速かったのが「Y!mobile」の33.23Mbps、「UQ mobile」の32.69Mbps。UQは本家au(LTE NET)の20.95Mbpsよりも速い。
同じ時間帯のドコモ系サービスは、「エキサイトモバイル」の下り15.86Mbpsが最速だったので、全体的にau系サービスやY!mobileの方が速い傾向にある。
上りは3〜6Mbpsで安定しており、6.11MbpsのUQ mobileが最速だった。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
mineo(Aプラン) | 9:56 | 5.39 | 3.16 |
UQ mobile | 10:03 | 32.69 | 6.11 |
IIJmio(タイプA) | 10:09 | 10 | 3.65 |
au(LTE NET) | 10:15 | 20.95 | 3.95 |
Y!mobile | 10:21 | 33.23 | 4.77 |
続いて6月27日(水)12時18分〜の結果。MVNOにとっては鬼門ともいえる昼の測定は、サービスによって大きな差が出た。UQ mobileは12.36Mbps、LTE NETは18.01Mbps、Y!mobileは16.9Mbpsと十分な下り速度が出たが、mineo(Aプラン)は0.11Mbps、「IIJmio(タイプA)」は0.69Mbpsと振るわなかった。といってもドコモ系サービスも、この時間帯は1Mbps未満になるケースが多いため、特段au系が遅いわけではない。逆に言うとUQ mobileが「速すぎる」というわけだ。
上り速度はmineo(Aプラン)の1.29Mbpsが最も遅く、他は3〜4Mbps台だった。SNSへ投稿する分にはそれほどストレスは感じないだろう。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
mineo(Aプラン) | 12:25 | 0.11 | 1.29 |
UQ mobile | 12:30 | 12.36 | 3.91 |
IIJmio(タイプA) | 12:36 | 0.69 | 3.09 |
au(LTE NET) | 12:18 | 18.01 | 4.91 |
Y!mobile | 12:41 | 16.9 | 4.82 |
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