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» 2017年09月26日 06時00分 公開

iPhone発売の“祭り”を支えるケータイショップ店員の数日間 (1/2)

元ケータイショップ店員が、iPhone発売時の店員の忙しさを振り返る。

[迎悟,ITmedia]

 2017年も新型iPhone(8/8 Plus/X)が発表されました。

 ニュースサイトの新着記事の多くはiPhoneに関連したものになり、ケータイショップや家電量販店の携帯電話コーナーも、新型iPhoneの予約・販売に関するポスターや掲示物であふれかえります。TwitterなどのSNSも新型iPhoneへの期待や、「予約できた!」といった声が目立つなど、その注目度、そしてお祭り騒ぎは2017年も変わりありません。

新型iPhoneの店頭展示コーナー

 元ケータイショップ店員である筆者はこの祭りを目にする度に、どうしても店頭に立っていた頃の、iPhoneに関わるさまざまなことを思い出してしまいます。

 今回は「新型iPhone祭りの裏側」をお話ししていきます。

ライター:迎悟

キャリアショップも家電量販店も併売店も経験した元ケータイショップ店員。携帯電話が好き過ぎた結果、10年近く売り続けていましたが、今はライター業とWeb製作をやっています。

連載:元ベテラン店員が教える「そこんとこ」


刻一刻と変わる情報、終わらない準備

 Appleが新型iPhoneを発表した翌朝まで、店頭には一切情報が下りてきません。そのため、ケータイショップの店員はお客さまと同じタイミングで新型iPhoneに関する情報を知ります。

 言い換えればそれまでは何も知りません。発表の時期が近づいてくると、お客さまから新型iPhoneの情報について聞かれることもあります。経験則で「多分こうでしょう」とお答えできることはできても、それ以上のことはお客さまには案内できませんし、「本当は知っているんでしょ?」と聞かれても、本当に何も知りません。

 そのくらい、新型iPhoneに関わる情報はケータイショップ店頭には落ちてこないので、いざ発表されると

  • 新型iPhoneのスペックなど、商品知識
  • 続々と決まっていく料金やキャンペーンの情報

 この2つを追いかけ続けながら、新型iPhoneに関するお問い合わせに対応していかなければなりません。

 新型iPhoneは数あるスマートフォンのラインアップの中でも特に売れる機種になるため、携帯大手キャリアはとにかく他社の動向を注視します。すでにアナウンスした内容から一転、他社と同等か、もしくは他社以上の内容に料金やキャンペーンをあらためることもしばしば。

 これに応じて、準備した店頭案内用の用紙やポスターの差替えはもちろん、そもそも予約・販売を受け付ける店員の知識もどんどん更新していかなければなりません。

 どれだけ張り切って準備を行っていても、こうした事情があるため「せっかく準備をしたのに」と落胆する間も与えられず、終わらない準備に追われながら予約と発売を向かえます。

発売当日は午前6時集合 間に合わないので前泊するときも

 バタバタとした予約前の準備、そして予約開始から発売までの約1週間を終えるとついに発売日がやってきます。

 店頭の目立つ場所に並ぶ新型iPhone実機や展示台。

 これらは発売日前日に店舗に到着することがほとんどで、その開封・設置は発売日前日の営業終了後、または発売当日の朝に行うよう携帯電話キャリアから指示されています。

 この時点で「遅くまで残って作業をするか」「朝早く来て作業をするか」どちらかを選ばなくてはなりません。

 また、新型iPhoneの発売日は慣例として「午前8時の販売スタート」になっており、Apple Storeに限らず、一部の携帯電話会社のショップ、家電量販店もこの時間から販売を行うため、スタッフは朝8時よりも前、例えば「早朝6時に店舗に集合!」といった指示が出されることも珍しくありません。

 筆者の場合、埼玉の住まいから都内の担当店舗までは「始発が午前6時」であり、午前6時に店舗に到着することはまずできませんでした。そのため、担当店舗の近くに前日から泊まるよう指示が出されることも。

 その場合「帰れなくても大丈夫」ですから、発売日前日の晩の準備は誰よりも遅い時間まで残り作業するようにもなります。

 この時点でだいぶくたくたになっているのですが、祭りは発売するその日からが本番です。

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