「新品に傷」「タダで解約させろ」「飛行機で謝罪へ」――ケータイショップ店員時代の今でも忘れられないクレーム(1/2 ページ)

» 2018年02月08日 06時00分 公開
[迎悟ITmedia]

 お客さまの多様なニーズに応えるべく、多数のプラン、多数の機種が用意された携帯電話。販売をしているとそれだけさまざまなお客さまに出会うのですが、その数だけ「信じられないクレーム」に遭遇することもあります。

 今回は筆者が過去に経験したクレームの中でも印象深いクレームをご紹介します。なお、筆者が店を退職してから時間がたち、既に秘密保持義務がないことと、当時のお客さまの個人情報は特定できない程度に加工していることを申し添えておきます。

ライター:迎悟

キャリアショップも家電量販店も併売店も経験した元ケータイショップ店員。携帯電話が好き過ぎた結果、10年近く売り続けていましたが、今はライター業とWeb製作をやっています。

連載:元ベテラン店員が教える「そこんとこ」


買ったばかりのケータイに傷!?

当時の傷に相当する落下痕(こん)

 「この間この店で買った携帯、最初から傷ついていたんだけど!」来店直後、開口一番にそんなことを仰るお客さまがおりました。この方は、その数日前に私がいたお店で携帯電話を契約されていったお客さまでした。

 確かにお客さまが言うように、先日お持ち帰りいただいた最新機種の角に塗装の剥げ、もっと言えば落下痕(こん)のようなものが確認できました。

 お申し出の通りであれば、これは買った時点でついていた傷となるのですが、そもそもこれだけ目立つ塗装の剥げや傷を、気付かずにお渡ししてしまうものかというのは大いに疑問でした。

 というのも、ショップや家電量販店で携帯電話の契約を行う際には、これからお客さまが手にする携帯電話に傷がないかお客さまに必ずチェックしていただくことになっています。念押しをするお店であれば、受け取りのために再度ご来店された際にも確認をお願いしているところもあるでしょう。

契約した携帯電話の受け渡し時には、傷がないか必ずお客さまにチェックしていただく

 新しい携帯電話に傷や汚れが確認できれば、初期不良としてその携帯電話の販売を控え、同じ機種の他の在庫をご用意するのが通常の対応です。

 もちろん、このとき「買ったときからあった傷だ」とご立腹のお客さまの機種変更の受付をしたスタッフに確認をすると傷や汚れの確認を行っていたといいますし、お客さまにも「確認されましたよね?」と聞くと、「したけど、そのときは気付かなかったんだ。むしろこれだけの傷に気付けないお前らが悪い」と申されるのです。

 言い方は悪いですが、内心「あなたが落として傷つけて、買ったばかりだからいちゃもんをつけているんだろう」と考えてもしまいましたが、このままだとこのクレームは解決へ向かいません。

 その当時は、初期不良など関係なく、傷ついた携帯電話の外装交換修理を無料で行う対応が可能でした。これを利用するべく、お客さまの気を悪くしないよう、お客さまの過失であることを認めて頂けるよう説得。預かり修理で外装交換を行い、キレイにするという事でご納得頂き、その場をしのぐことができました。

つながらないからカネ返せ! タダで解約させろ!

 携帯電話は目に見えない電波をつかんで通信を行うもの。故に電波が届かなければ使えません。

 そんな当たり前のことですが、特に新規に立ち上がった事業者やサービスだと今まで使っていて電波が届いて使えていた場所で使えないのが「信じられない」と感じる人も多くいます。

 筆者はこれまで携帯電話の販売に関わった中でも、なぜか新事業者や新サービスといった立ち上げに関わることが多く、こうした「つながらない」トラブルの話に関わることが多くありました。

 多くは契約時に「今までつながる場所で使えないことが多い」「建物や地下は苦手なのでつながらないかもしれない」といったご案内を徹底し、お客さまにご理解頂いて契約していただいています。

 そのため、つながらないことがクレームになっても原則的にキャンセルや返金は受け付けられませんし、真摯に対応することで「つながる場所では今までよりも便利だから」とご納得いただき、中には今後に期待しているとありがたいお言葉を頂くことの方が多かったのですが、どうしても1つだけ「つながらないクレーム」として忘れられないものがあります。

 クレームの内容は、「つながらない」「今日までの料金をタダにしろ」「解約金をタダにしろ」といったもの。

 今でこそ「8日以内であればキャンセル可能」というルールもあり、どうしてもつながらない場合に解除料金を発生させず、解約を受け付けることができますが、当時はそのような仕組みがありませんでした。

 ここまでに書いた通り、かなりの念押しをしてお客さまに契約をしていただいていますし、多くのお客さまにご納得頂く中でのクレームでありました。

 当時の筆者の立場は売場の責任者でしたので、契約の担当者やクレームの一次対応を行ったスタッフから引き継ぎ対応をする事になったのですが、このお客さまだけは納得されず、何度も店頭にいらっしゃいました。

 そんなクレーム対応に追われる日々が続く中、筆者が不在の日に別のスタッフが担当した際、お客さまの「いつもの人を出せ」の迫力に負け、筆者の業務ケータイの番号をお客さまへ伝えてしまったのです。

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