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» 2018年05月08日 18時55分 公開

シャープが「AQUOS R2」で静止画と動画のカメラを“個別に”搭載した理由 (1/2)

シャープの「AQUOS R2」は、背面に「静止画用」と「動画用」のカメラを2つ搭載している。デュアルカメラのスマートフォンは数多くあるが、なぜシャープは動画用のカメラを加えたのか。またAQUOS R2のカメラはどんなシーンで活躍するのか。

[田中聡,ITmedia]

 シャープが発表したスマートフォンAQUOSの新製品「AQUOS R2」は、背面に「静止画用」と「動画用」のカメラを2つ搭載しているのが大きな特徴だ。【訂正あり】

 デュアルカメラは昨今、多くの端末メーカーが取り入れており、それ自体に目新しさはないが、AQUOS R2がユニークなのは“動画専用カメラ”を搭載したこと。他社のデュアルカメラは、カラーセンサー+モノクロセンサー、標準カメラ+望遠カメラまたは広角カメラ、標準カメラ+深度測定用カメラという組み合わせが多い。そんな中で、なぜシャープは動画専用カメラを採用したのだろうか。

AQUOS R2
AQUOS R2 2018年夏に発売される、シャープの「AQUOS R2」
AQUOS R2 背面にデュアルカメラを搭載。上が動画用、下が静止画用のカメラ

動画コミュニケーションを革新させたい

AQUOS R2 AQUOS R2を手にする小林氏

 シャープ 通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の小林繁氏は「動画コミュニケーションを革新させたい」と5月8日の発表会で狙いを話す。

 「その場の空気感や雰囲気、その方のライフスタイル、世界観などを詰め込める動画は、限りない可能性を持っている。動画があれば、もっとクオリティーの高いビジュアルコミュニケーションができる。AQUOS R2では、動画を最も使いやすいスマートフォンを目指した」(小林氏)

 シャープの調査によると、約半数のユーザーが月に1回以上動画を撮影しており、その約6割がSNSに動画を投稿しているという。こうしたトレンドも鑑みて、動画撮影の体験向上に注力した。

 一方で、動画に切り替えると画角が狭くなってしまいイメージ通りに撮れなかったり、写真と動画どちらを撮るべきか迷ったりすることがある――と小林氏。写真は精細感、動画は臨場感が重要という具合に、求められるものが異なるからだ。

AQUOS R2 49%が付に1回以上動画を撮影し、うち6割がSNSにアップしているという調査結果

 小林氏が「最も違う」と言うのが「画角」だ。「写真はある程度寄れるのが重要だが、適度に引いて撮れる自由度も大切。一方、動画で大切なのは、「被写体は小さくてよく、周りの人の表情や環境がしっかり撮れること」と同氏。そこで、動画用カメラは画角が135度、焦点距離が19mm(35mmフィルム換算)という超広角仕様にした。

AQUOS R2 写真と動画に適した画角は違う
AQUOS R2 静止画用カメラのスペック
AQUOS R2 動画用カメラのスペック
AQUOS R2 左がAQUOS R2、右がシャープの従来機種で撮影した動画。左の方がブランコ全体を収められている

 手ブレ補正も静止画と動画で異なる仕組みとした。静止画撮影時は、画面に触れたときのブレを抑えられるよう光学式手ブレ補正を採用。動画撮影時は、撮影者が被写体を追いかけることが多いため、スマホ本体を水平方向に動かす際のブレを抑えられるよう電子式手ブレ補正を採用した。この電子式手ブレ補正は、AQUOS Rと比較して2倍の補正角に対応しており、より大きな揺れでもブレを抑えられるようになる。

 AFの動作と被写界深度も静止画用/動画用カメラそれぞれで調整。静止画は被写体をくっきりと記録できるよう、浅い被写界深度にして、AFは高速で動くようにしている。これは従来のスマホカメラではおなじみの性能だ。

 一方の動画では、手前から奥までピントが合うよう被写界深度を深く取っている。例えば従来の動画撮影だと、手前に他の人が現れると、その人にピントを合わせて、本来撮りたい被写体が急にぼけてしまうことがあるが、AQUOS R2の動画カメラは、常に広くピントを合わせてくれる。例えば、遊具で遊ぶ子どもを撮るときに、その横にいる母親や周囲の遊具もくっきりと記録できるというわけだ。確かに、子どもだけがはっきり映る動画よりも、周囲もはっきり映る動画の方が臨場感があり、当時の情景が鮮明に思い出される。

AQUOS R2 フォーカス動作と被写界深度も静止画用と動画用のカメラで異なる

動画と静止画を、2つのカメラで同時に撮れる

 AQUOS R2がもう1つユニークなのは、動画撮影中にシャッターボタンを押すと、静止画用のカメラで高精細な写真も同時に記録できること。従来のスマホも動画撮影中に静止画を撮れる機種は多いが、あくまで動画の切り出しだったため、静止画よりも画質は劣る。

 しかしAQUOS R2なら、動画撮影中にも高画質な静止画を記録できる。もちろん、それぞれのカメラで最適なAFや手ブレ補正が働く。その際、動画と静止画のサイズを個別に設定可能なので、4K動画を撮りながら23Mの静止画を撮る、といったこともできる。

AQUOS R2 設定できる静止画のサイズ

 この機能を生かし、動画撮影中に子どもの笑顔やペットがカメラを向いた瞬間を捉えて、静止画を自動で撮影する「AIライブシャッター」も用意した。これは被写体の構図を機械学習したデータをもとに判定しているという。

AQUOS R2
AQUOS R2 動画と写真を個別にカメラで同時に撮影できることとAIライブシャッターを実現したのは、AQUOS R2が世界初だという(シャープ調べ)
AQUOS R2 撮影した動画と写真をまとめて再生できる「ストーリー再生」
AQUOS R2 撮影した動画を後から静止画としてキャプチャーすることもできる
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