Xperia XZ2シリーズでは、これまで長らく引き継いでいたフラットな形状から、背面が丸みを帯びた形状へとデザインを変更している。防水・防塵(じん)やおサイフケータイには引き続き対応。指紋認証センサーは従来の側面から背面へと移動した。ただ、カメラと指紋認証センサーが本体のちょうど真ん中付近にあり、持ったときに指が指紋認証センサーではなくカメラのあたりにかかりやすいのは気になった。
ヘッドフォン端子はXperia XZ2シリーズの全モデルで廃止された。従来のヘッドフォンを利用するには、USB Type-C端子に接続する付属の変換アダプターなどが必要となる。XZ2シリーズは、ノイズキャンセリング機能を本体に内蔵していないため、Xperia専用のノイズキャンセリングヘッドフォン(MDR-NC750など)のノイズキャンセリング機能は利用できなくなっている。
一方で、Bluetoothオーディオはハイレゾ対応のLDACとaptX HDの両コーデックに対応。ハイエンドのワイヤレスヘッドフォンをつないで曲を楽しめる。
プロセッサは3モデルとも最新ハイエンドの「Snapdragon 845」を搭載。メインメモリはXperia XZ2 Premiumのみ6GBで、Xperia XZ2とXpreia XZ2 Compactは4GBだ。内蔵ストレージは64GBでmicroSDスロットも搭載する。
バッテリー容量はXperia XZ2 Premiumが3400mAh、Xperia XZ2が3060mAh、Xperia XZ2 Compactが2760mAh。外部接続端子はUSB Type-Cで、USB PDやQuick Charge 3.0の急速充電にも対応する。Xperia XZ2 PremiumとXperia XZ2はワイヤレス充電の「Qi」にも新たに対応。ソニーモバイル製のワイヤレスチャージングドック 「WCH20C」との組み合わせでは9W出力に対応する。
今回のXperia XZ2シリーズだが、機能差の他、発売時期にも違いがある。Xperia XZ2は5月下旬、Xperia XZ2 Compactが6月下旬、Xperia XZ2 Premiumは夏予定(au版は8月中旬)だ。これも踏まえて、目的別のオススメモデルを見ていこう。
とにかくカメラ機能にこだわる人は、Xperia XZ2 Premiumしか選択肢がない。Xperiaで超高感度撮影やダブルレンズカメラを利用した背景ボケを楽しめるのはこのモデルだけだ。発売時期が夏予定とやや先だが、次のスマホもXperiaかつ高性能カメラ搭載モデルが欲しい人は待つと良いだろう。
だが、ブランドに関係なく高画質な静止画カメラ搭載スマホが欲しい人の場合、先に発売されるHuaweiの「P20 Pro」 (ドコモから6月下旬発売)やサムスン電子の「Galaxy S9+」(ドコモとauから5月18日発売)といった強力なライバルに目移りするかもしれない。
スタンダードモデルの「Xperia XZ2」と、コンパクトモデルの「Xperia XZ2 Compact」だが、今回の夏モデルでは画面サイズが異なるだけで、両モデルの機能差がかなり少なくなっている。
Xperia XZ2にあってXperia XZ2 Compactにないのは、ワイヤレス充電と動画やゲームで音に合わせた振動を楽しむダイナミックバイブレーションシステム、フルセグ(ワンセグには対応)ぐらいだ。以前のシリーズと違ってディスプレイの機能やCPU性能などに差はつけられていない。これらを考慮してオススメの端末を考えよう。
まず、大画面で動画なども楽しみたい人ならXperia XZ2、コンパクトモデルが欲しいならXperia XZ2 Compactという選び方でいいだろう。これは従来モデルと変わりない。
買い換えのたびにスタンダードのXperiaと、コンパクトのXperia Compactシリーズで迷い続けている人の場合は、今回Xperia XZ2 Compactを強くオススメする。
というのもXperia XZ2 Compactは画面サイズが縦長ワイドの5型に大型化し、解像度もフルHD+に向上したことで写真や動画も楽しみやすい製品になったからだ。コンパクトで高性能なスマホが欲しい人から、気軽に高画質な動画やアプリを楽しみたい人までピッタリのモデルとなっている。
また、今夏のXperia XZ2シリーズは全モデルとも従来モデルと比べて、やや重たいという欠点を持っている。
近年のXperiaや他社スマホだと、プレミアムモデルで200g以下、ハイエンドで160〜180g台、コンパクトだと150g前後に収まる製品が大半だが、Xperia XZ2シリーズは全体的に重たくなっている。
Xperia XZ2 Compactに関しては、コンパクトながらも最新のハイエンド性能を搭載しているので納得のいく重量に収まっている。手のひらに収まる形状なので重さも感じにくい。このあたりの感覚は触ってみないと分からない部分があるので、買い換えを考えている人は、ぜひドコモショップや大手量販店で実際の使い勝手も確認することをオススメする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.