セッション2では、アイ・ティ・リアライズ 代表取締役 尾上正憲氏、Origami マーケティング部 ディレクター 古見幸生氏、リンク・プロセシング 取締役 高橋徹弥氏が登壇した。
Origamiはスマホアプリを使ったQRコード決済サービスを約2万店で提供している他、他社のアプリにOrigami Payを取り込めるオープンプラットフォームにも注力している(関連記事)。リンク・プロセッシングは、決済端末、サーバ、スマホアプリを含むカード決済ソリューション「Anywhere」を店舗向けに提供している。
アイ・ティ・リアライズはJTBビジネスイノベーターズとの協業の元、訪日外国人向けに電子スタンプを利用したQRコード決済サービス「Japan Travel Pay」の実証実験を、2018年8月から提供する(関連記事)。
地方の商店街や個展など、小規模な店舗でいかにキャッシュレスを進めるかも課題だ。
古見氏は「八百屋などにとって端末コストはばかにならない。(Origami Payでは)紙にプリントしたQRコードを、スマホなどで操作できる仕組みを設けているが、どういう働きかけで増やしていくかが問題」とした。
高橋氏は「多くの商流はカード会社から生まれている。地方銀行、地方自治体、観光協会、タクシー協会と組んで、地域の商流に強い決済サービスを展開する準備をしている。来月(7月)早々に公開もできる」と予告した。
尾上氏は「店舗がキャッシュレスを推進するモチベーションが少ない。現金を持っていない訪日外国人たちが来てくれるために電子スタンプを置いてキャッシュレスを体感してもらう。体験してもらって広がらないと地方のキャッシュレスは進まない」と、Japan Travel Payのメリットを交えて説明した。
また、スポーツジム、海、山など、財布を持ち歩きたくない場所や、イベントやコンサート会場など、決済スピードが求められる場所はキャッシュレスのメリットが強いため、普及のヒントが隠されているといった話も出た。
店舗視点では、「オペレーションを複雑にしたくない」と高橋氏は言う。「決済端末やPOSレジの操作をスタッフが覚えないといけないが、1つの端末やアプリで、操作画面もワンボタンでできるような世界を作っていけたら、加盟店の障壁も下がっていくのではないか」
尾上氏は「ユーザー体験も大事だが、キャッシュレス決済は“加盟店の体験”も考えないと進まない。現金よりキャッシュレスの方がメリットがあることを加盟店が体験できる施策を、社会全体でできればと思う」と提言した。
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