ソフトバンクが通信障害について謝罪 再発防止に向けた対策も明らかに(1/3 ページ)

» 2018年12月19日 23時40分 公開
[井上翔ITmedia]

 既報の通り、ソフトバンクは12月19日、同社の株式を東京証券取引所第一部に上場した。

 同日15時からは、上場に伴う記者会見が行われた。その冒頭、同社の宮内謙社長と宮川潤一副社長(CTOを兼務)が12月6日に発生した通信障害について謝罪。宮内社長によるプレゼンテーションの終了後、宮川副社長が今回の障害の詳細と再発防止策について説明した。

宮内謙社長 記者会見の冒頭で謝罪する宮内謙社長

障害発生からの時系列

宮川副社長 説明に入る前に改めて謝罪する宮川副社長

 12月6日の通信障害では、「ソフトバンク(SoftBank)」「ワイモバイル(Y!mobile)」両ブランドの4G LTE通信サービスの他、固定電話代替サービス「おうちのでんわ」と、無線ブロードバンドサービス「SoftBank Air」の一部回線にも通信障害が発生した。影響を受けた回線数は合わせて約3060万回線にもおよぶ。

 13時39分の障害発生から復旧に至るまでの時系列は以下の通り。

  • 13時39分 障害発生
  • 14時19分 Webページに初報を掲載
  • 14時45分 一部の伝送装置の切り離し作業を開始
  • 14時57分 4G LTE通信サービスにおいて通信制限開始
  • 15時4分 一部伝送装置の切り離しが完了 しかし復旧せず
  • 15時54分 切り分け調査が完了 MME装置の不具合が障害原因と判明
  • 16時22分 MME装置のソフトウェアの「ダウングレード」を開始
  • 17時35分 西日本センターの装置が復旧
  • 18時4分 東日本センターの装置も復旧(=全国で復旧)
  • 18時51分 Webページに復旧報を掲載

 障害発生から原因特定まで2時間15分、復旧までに4時間25分を要したことになる。

時系列 通信障害の時系列

MME装置が一斉再起動→大規模障害に

 今回の障害は、LTEネットワークにおいてユーザー端末と基地局の位置情報のひも付け(管理)と接続制御を行う「MME(Mobility Management Entity)」と呼ばれる装置において、TLS証明書(※)の有効期限が切れたことが引き金となって発生した。

※ TLS(Transport Layer Security):TCP/IPにおいてセキュアな通信を行うための仕組みの1つ

 TLS証明書の有効期限が切れたことで、通信の“真正性”が判断できなくなり、結果としてMME装置がユーザー管理データベースにアクセスできなくなった。そして「異常」を検知した装置が自動的に再起動し、多くの4G LTE端末が4G LTEネットワークに接続できなくなってしまった。

ダウン MME装置がユーザー管理データベースにアクセスできなくなった結果、通信不可能に
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